ヨーロッパで高い人気を博しているFZ6シリーズに、ハイスペックバリエーションモデル "FZ6 S2" が新たに登場。各部の造りのクオリティを上げることで、さらなる走りの充実を実現している。
エンジンはYZF-R6直系の水冷4サイクル並列4気筒DOHCエンジンを搭載。オールラウンダーマシンに求められる低中速域で扱い易い特性を求めて、カムプロフィール、吸排気管長・管径セッティングなどを行い、従来のミドルウエイトのイメージを一新するキャラクターを実現している。
フュエルインジェクションはインジェクターを4ホール2方向噴射・高ダイナミックレンジ型として、供給燃料を50%ずつ2度に分け噴射する「グループ噴射」方式で、FZ6 Fazer S2ではFIマッピングの変更を実施。ダウンドラフトの吸気系、最適化されたエアークリーナーダクト形状、リターンレス燃料配管、高性能小型32ビットECUによる優れた点火・噴射制御などにより、全回転域でストレスなく回る好レスポンスと高い信頼性を達成している。
マフラーには4in2in1集合タイプのアップマフラーを採用。排気脈動効果を狙い2番3番間を連結パイプで結び無塗装で素材感をアピールしたエキパイ、2本出し風のプロテクターを装着したもなか構造のサイレンサーは、優れた排気効率と斬新で個性的な外観を実現している。
またO2センサーと三元触媒を新たに採用することで、ヨーロッパの高い排出ガス規制、EURO-3に対応した優れた環境性能も獲得している。
FZ6 Fazer S2とは異なり、ネイキッドスタイルのFZ6 S2。カウルのない分フロント周りの軽快感が増しているのが身上だ。フロント廻りでは左側にデジタル表示のスピードメーター、右側にアナログ表示のタコメーターを配したFZ1タイプ新形状メーターを新たに採用。
バックライト輝度の調整が可能なメーターは、キーオンでバックライト照明が少しずつ浮かび上がるフェードイン機能により、エンジン起動時のマシンとのコミュニケーションを楽しめるアイテムとなっている。
また新設計のシートを採用。クッション材の硬度を見直し、足付きに関わるフューエルタンク後端部分の形状を変更、ニュータイプのシート表皮と相まってソフトでしっとりした乗り心地を実現している。
フレームはヤマハ独自の"CFアルミダイキャスト技術"によるキャストフレーム。極薄の肉厚で複雑な構造を持ち、溶接箇所を廃しヘッドパイプ部とピボット部の2箇所で締結される左右2分割ボルトオン構造で優れた剛性バランスと軽量化を実現している。
リアアームには異形断面の専用開発アルミ製押し出し材を新たに採用。アーム後端形状を変更してリアアスクルの締め付け剛性を上げ、品質感と剛性をアップ、軽快なハンドリングを生み出している。
脚廻りはフロントフォークに43mm径インナーチューブと、切削加工を施しプラックアルマイト処理としたアルミ地の質感溢れるアウターチューブを組み合わせ、これに対向4ポットモノブロックキャリパーを新たに装備。より緻密なタッチを獲得した。
なおリアサスペンションはリンクレスタイプのモノクロスサスペンションで、減衰力発生バルブやオイル通路の最適化をはかったダンパーにより、リンク付きと同レベルの性能を実現している。
このほか薄肉設計で5本スポークタイプの軽量ホイールとワイド&偏平タイヤの組み合わせなど、高次元の駆動力を引き出し、マン・マシン一体の走行フィーリングと優れたドライバビリティーを実現している。