2018.12.27

Road to Circuit – Vol.1 レーシングスーツを作る

YZF-R1



YZF-R1を愛車とする43歳既婚男性が一念発起。サーキットデビューを目標に歩む道のりを紹介する新企画。
サーキット走行に憧れはあるが敷居が高い… 知識がなくてどうすればよいかわからないなど、サーキットデビューを後押しするとともに、興味のない方にもその世界を少しだけのぞき見して欲しい。
第一弾はレーシングスーツのオーダーを疑似体験していただく。

 

― サーキット走行に焦がれて ―

 

 
日頃は仕事に追われているが、週末は家族サービスを怠らず、その中で月に数回、YZF-R1でのツーリングを楽しんでいる。そのポテンシャルをちょっとだけ味わい、いろいろなことを少しだけ忘れて走るというバイクライフに満足してきた。
 
R1を所有して3年が過ぎた頃だろうか。そんなバイクライフに物足りなさを感じるようになってきた。上手くはないが下手ではないと自認するスキルもついてきて、たまに見るレースで活躍するR1のポテンシャルに興味が湧いてきた。もっと刺激が欲しい、という感覚が芽生えはじめたのだ。
 
決してレースに憧れがあるわけではないが、スッと頭に浮かんだのがサーキットだった。危険もあるが、安全に駆れるという理解もある。知らないことがたくさんあって敷居は高くはあったが、それ以上にサーキットに焦がれている自分がいた。
 

 
12月… 僕のバイクシーズンは小休止を迎え2019年への計画を立てた。立ち止まっている意味はない「サーキットを走ろう」。そう決意を固め、春に向け必要最低限の準備を進めはじめた。
 
 

― 最高のレーシングスーツに出会う ―

 

 
絶対に必要なものがあった。レーシングスーツである。
様々なブランドがある中で、選んだのがクシタニ(http://www.kushitani.co.jp)だ。ファンである野左根航汰選手と同じブランドにしたかったというのが理由。こうしてクシタニの店舗があるマリン アンド ウォーク ヨコハマに向かった。
 

 
何が必要なのか?一応事前にネットで調べたが、完璧な理解は得られず不安が残ったままショップの前に立っていた。
さあ、いくぞ。そう自分を奮い立たせてショップの扉を開いた。
 

 
ところ狭しと様々な商品が並んでいる。物色するふりをして店内を回っていたが、一番奥にレーシングスーツを見つけると、吸い寄せられるように向かい対峙した。
その時だった「何をお探しですか?」と声をかけられた。この後、お世話になるクシタニの専門のスタッフさんだ。
 
ここで「サーキットを走りたいが経験がまったくないこと」や、「装備類も一切持っていないこと」を伝えると…
スタッフ「わかりました。それではまず、1セット用意して説明していきますよ」
 

 
瞬く間に一式が出揃った。もう後には引けない。改めて腹を括る。
確認すると全部見たことあり、役割もわかる。ただ購入にあたって、またサーキットを走る上でしっかりした知識も必要だろうと、一つ一つ説明してもらうこととした。
 

 
まずはレーシングスーツだ。選択肢はワンピースとツーピースがあるが、普段のツーリングにも使える汎用性を考え自分の中ではツーピースをイメージしていた。
 
スタッフ「ツーピースはツーリングも視野に設計してあり、胸まわりや座高などワンピーススーツより余裕を持たせた設計となっています。サーキットメインでもツーピースを購入される方もいますが… サーキットを走ることだけを考えれば、動きやすく、しなやかでフィット感のあるワンピースが断然オススメ。クシタニではサーキット走行を考えるお客様の9割がワンピースを選択されます」
 

 
「9割」という言葉を聞き、迷いは吹き飛んだ。サーキット走行で妥協は必要ない、とワンピースに決定。しかしどのようなモデルがあるのかわからなかったので、オススメの商品を教えてもらった。
 
スタッフ「クシタニとしては大きく2型持っていますが、オススメは発売したばかりの2019年モデルNEXUS2。クシタニが創業70年で培ったノウハウをすべて注ぎ込み最上のフィット感と安全性を追求したハイエンドモデル。価格は28万(税抜)です。もう一つ、スタンダードモデルもありますがこれは18万(税抜)になります」
 

 
その差10万… 想定はしていたものの実際の金額を聞いた瞬間に怯んでしまったが、それだけの理由があるはずなのでさらに両モデルの違いを聞いた。
 
スタッフ「NEXUS2は、レザー部分に低吸水性で硬くなりにくいプロトコアレザーを使用しています。ニット部分はNASAなどでも採用されている高強度で、耐熱性、難燃性においても最高のレベルを誇るZYLON(ザイロン)を使用していることが最も大きな違いです」
 

 
スタッフ「昔はすべてがレザーで動きにくかったのですが、ニットが入ることで足が開きやすいなど突っ張ることなく動きやすくなりました。NEXUS2ではザイロンをふんだんに使うとともに、腰や膝周りのシャーリングも大きくし、新たに肩周りにシャーリングを追加。安全性に関しても肩・肘・膝にCEプロテクターを新たに採用し強化しました。スタンダードモデルはレザーやニットの素材を変え、シャーリングを小さく、数を少なくするなどで価格を抑えているわけです」
 
余談になるが、体験レベルでサーキットを走りたいライダーのため、クシタニではレーシングスーツのレンタルも用意されているとのこと。サーキットを走りたいという方は試してみるものよいだろう。
 

 
もう一つ余談だが、サーキットで使用できるレーシングスーツには、MFJ(日本モーターサイクルスポーツ協会)の公認が必要となる。引き裂き強度や耐摩耗性、革の厚さなどの様々なテストと規格をクリアした商品だけにタグが配布され、それが縫い付けられている。
 

 
さて、本題に戻る。サーキット走行をすると決めたからには細くとも長くやりたいし、そもそもワンピースにした時点で、最高のものをと考えていたのでNEXUS2を試着することにした。
サイズはどうだろう?フィット感が大切というだけにぴったりのものがあるのか気になったが、クシタニでは16種類のサイズが存在する。早速、見立ててもらい試着した。
 

 
そして当然のように、ジャストのスーツが見つかったのだが… 吸い付くように体にまとわりつき、まるで自分のために生まれてきたような感覚だ。しなやかで各部がスムースに稼働する。速く走れそうという直感。心臓の鼓動が高まるとともに、ワクワクも止まらない。値は張るが決めた。NEXUS2だ。
 
 

― ヤマハレーシングブルーを纏う ―

 

 
お楽しみはこれで終わらない。サーキットで輝くトップライダーたちのツナギを見ればわかる通り、そのカラーには、ライダーの個性やメーカー色が随所に散りばめられている。せっかくレーシングスーツを作るのであれば自分の色を出したい。クシタニを着る憧れの野左根選手を参考に、ヤマハレーシングブルーにすると決めていた。ということで、スタッフさんにカラーオーダーについても聞いた。
 

 
スタッフ「プラス2万円のイジーオーダーというものがあります。色のほか、袖の長さ、膝の位置なども変更できます。色に関して言えば何色でも使えますし、パーツごとに変更できるので自由自在にお好みのカラーにできるわけです。さらに他のところはよいが胸だけがキツイときや太ももだけユルイという場合も別途有償となりますがさらにお客さまの体に合うようにカスタマイズすることもできます」
 

 
早速、カラーオーダー開始。野左根選手の写真を参考にしながらだったが、こだわるがゆえに時間がかかる。
 

 
数十分は格闘しただろうか。ようやく決定したのがこのカラーだ。
 
スタッフ「オーダーは店舗でしかできないので、あらかじめイメージしておくか、参考とする写真を持ってくるとよいかもしれません。なお、納期ですが4ヶ月程度のお時間をいただきますので、3月末か4月上旬になると思います。オーダーのタイミングですが、多くの方が春のシーズン幕開けに向け、11〜12月です。年が明けてからでは少し納期が延びてしまうので気をつけてください」
 
さて、レーシングスーツのオーダーは完了した。次回は引き続きクシタニで、ブーツなどその他イクイップメントを選んでいく様子をお伝えする。
 
つづく。