ホームプレストマガジン > 難波恭司のおでかけ★YZP&PRESTO Racing report
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台風の動向が懸念された「R2-1もてぎ」。金曜日こそ梅雨本番?を思わせる天候で、気温は低く雨が降ったり止んだりだったのですが、土曜日は朝から晴れ♪ウエットが残るものの梅雨の合間に見せる気持ちの良いスタートでした。この陽気で日中は気温もグングン上昇し、雨上がりという路面コンディションが、タイムアップを大変難しいものにしていたようです。

YSP&PRESTO Racingの「中冨伸一」選手は、筑波での優勝で自信を付け(鈴鹿300kmは選手権ではない)、今回の「もてぎ」へは気持ちも新たに乗り込んでいました。
筑波で得たもの・・・。それはレースで勝つ事の大切さ、そしてチームとの信頼関係や応援してくれているファンの方達ヘのメッセージとしては、「結果」で示す事の重要性を再認識したはずです。
レースという世界では、プロフェショナル・ライダーとして求められる内容に色々な要素があります。第一には「勝利」であり、その目的の為に最大限の努力をする事は誰でも理解しています。しかし、努力・・・何をすれば勝てるのか?となれば、答えは一つではありません。アイテムとして重要なのはマシンですが、今年の「相棒」YZF-R1にしても、まだ完璧な仕上がりまで達していないのは事実。レギュレーションで限られた範囲でのセットアップや、レースで大きな負担が想定される箇所のメンテナンスやチェックだけでも新しいマシンは神経を使います。
ライダー自身も、体力的なフィジカル・トレーニングは欠かせませんし、ただダンベルやウエイトを使えば良いかといえば、そんな事もありません。私自身、特にロードレースの場合はメンタル的な精神面での充実が大半を占めると考えています。日頃のトレーニングから生まれる「自信」は、必ず精神的な面をバックアップする事に繋がるので、身体と心の鍛練はバランスが大切なのです。
中冨選手の場合も、前回筑波での勝利で得られたものは「自信」であると言えます。夏の8耐へ向けて「吉川和多留」選手がバックアップしている事も精神的な支えとなっていますから、これから更なるステップアップを期待したいところです。

予選では・・・

始めに触れたように、予選の土曜日は前日降った雨の影響で朝の段階ではウエットが残っていましたが、予選開始までにはドライコンディション。実はこれが曲者。水はパワーの源?アスファルト路面に潜む小さな「埃」などを表面に押し上げ、場合によってはコースサイドの泥や砂なども巻き込んで流れて行きます。これらは雨が止んで乾いた路面に居座る事になり、路面の「μ」(摩擦係数)、そう!グリップが悪くなってしまうのです。
グリップといえば「タイヤ」。ここ数年はダンロップ・ユーザーが大半を占めていましたが、世界グランプリの「MotoGP」参戦を本格的に開始しているブリヂストンや、今年はミシュランも力が入っています。現実としてタイヤが多くのファクターを握っているのも事実で、これは4輪2輪問わず成績と関係が深い関連がある事が知られています。
予選一回目。やはりタイヤのグリップの悪さを感じたセッションで、どのライダーも滑るマシンと挌闘。バックトルク・リミッター(BTL)の後着け装着が禁止されているJSB1000クラスですから、ブレーキング時のリアタイヤのスライド・コントロールが難しく、路面のグリップが悪い状況では更に悪化します。中冨選手も悪戦苦闘しながら8番手。午後には路面に出ている「埃」などが通過するマシンによりクリーンナップされるので、グリップ力も望めるので気合を入れ直します!
そして午後に行なわれた予選2回目。中冨選手も1回目に使った「USED」タイヤでコースイン。予選時間30分のうち、ある程度ペースを掴んだ15分頃ピットインしてNEWタイヤでのアタックへ出て行きました。全般にタイヤのグリップが「美味しい」のは3~4ラップ。ですからこの段階でアタック出来ないとタイムアップは難しいのです。ここ「もてぎ」は典型的なストップ&ゴーが要求されるサーキット。ですからコーナーでパッシングではなく、ストレートとブレーキングでしか前に出られない・・・と言う事なのです。遅いマシンをパスするタイミングをミスしてしまうと、そのラップはタイムアップが望めません。せっかくNEWタイヤで出ていっても、肝心な箇所で引っかかってしまうとタイムロスに繋がります。中冨選手も遅いマシンと遭遇する事で僅かなタイムロス。自己ベストは更新したものの8番手に留まってしまいました。

決勝レース

迎えた日曜日。またしても前夜は雨が降り、朝のフリー走行はウエット・パッチが残るコンディションでした。ここで無理をしてもリスキーなだけなので無難にこなしましたが、この日のスケジュールは昼の時間が長く、決勝は夕方3時30分スタート。中冨選手もレースへのコンディションを作るには難しいようでした。
そして迎えたレース。2列目から抜群のスタートで何とホールショット♪トップで1コーナーへ進入。が、リアタイヤのグリップに悩まされ、ポジションをキープ出来ない状況。やはりブレーキングで無理が出来ない事から、「もてぎ」でのパッシング・ポイントで後続にパスされてしまいペースが上がりません。中盤以降、何とかペースを掴んで同じダンロップユーザー間でのバトルへと突入し、バトルを制して4位でチェッカーとなりました。
ポイントランキングでは、これで3位に浮上!結果には満足できないものの、選手権を考えると前向きでいられる状況です。なかなか結果を出すのは簡単ではありませんが、04 YZF-R1と共に、中冨選手の進化にも期待したいところです。

YSP&PRESTO Racingでは、ファクトリー時代からダンロップと開発協力体制を敷いて現在も最大のバックアップを頂いているのですが、今年は他社メーカーの大きなステップアップを体感する事となっており、新たなタイヤ開発も急ピッチで進んでいるところです。具体的にはサイズ違いもあったりするので、それらに合わせたシャシーのセットアップも必要で、意外と簡単ではありません。レースウィークでは使えるタイヤの本数制限があるのでセッティングの大きな変更はできませんが、次なるステップを求めた場合はチャレンジする事も大切です。こうした試行錯誤の繰り返しで徐々に結果に繋がっていくのですが、やはり多くのデーター収集と解析があってこそなので時間も必要となるのです・・・。

次戦の全日本選手権R2-1は9月5日「SUGO」となりますが、その前に国内では「8耐」へ向けて準備に入ります。YZF-R1が、更にポテンシャルを上げ、昨年の総合2位(JSBクラス優勝)以上・・・(総合優勝しかないけど)を目差して活躍してくれる事を願っています。暑い8耐を思いっきり熱く戦ってくれるよう応援したいと思います。皆さんからの声援をヨロシクお願い致します♪

[update:2004/6/17]

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梅雨空は不安定
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タイヤの具合は・・・
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巨大ラジエター
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グリッドへ向かう中冨選手
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そしてアタックへ
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決めてきます
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コースインへ
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シールドチェック
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目指すものは
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NEWマシン登場

難波恭司プロフィール

1963年3月8日生まれ
'81 18才で草レースを始める/'83 ノービスライセンス取得/'85 鈴鹿4h耐久レース 3位/'86 国際A級昇格 ヤマハ契約/'87 TZ250の開発テストに携わりながらレース参戦始まる/'92 ファクトリーマシン TZM250開発テストに携わる、全日本選手権 初優勝 250cc/'96 GP500マシン開発テスト携わる/'98 代役としてWGPのGP500へ年間 5戦参戦 鈴鹿では予選2位 決勝5位/'02 現在はモータースポーツ普及活動など、モーターサイクルの「伝道師」として活動中。特に今年は'07YZF-R1でレース参戦を計画中。
ライダープロフィール

中冨伸一 (なかとみ しんいち)

1978年 10月 30日(24歳)血液型 A 型
'96年: 九州選手権GP250ccチャンピオン/'97年: 全日本選手権国際A級GP250ccランキング15位/'98年: 全日本選手権国際A級GP250ccランキング11位、西日本エリア選手権GP250ccチャンピオン/'99年: 全日本選手権国際A級GP250ccランキング4位/'00年: 全日本選手権国際A級GP250ccチャンピオン/'01年: 全日本選手権国際A級GP250ccランキング11位/'02年: 全日本選手権国際A級GP250ccランキング8位