ホームプレストマガジン > 難波恭司のおでかけ★YZP&PRESTO Racing report
絶好の秋晴れ

いよいよ最終戦!岡山県TIラウンド

最高の秋晴れで向かえた'03全日本ロードレース選手権R2-1最終戦。その舞台は岡山県の「TIサーキット英田」。ここTIは、以前に4輪F1を開催してしまった(失礼!)くらい積極的なサーキットで有名である。
そのコース・レイアウトは変化に富んでおり、高速での切返し、下りながらのブレーキング、コーナー途中から急激に登ったり、低速ヘアピンの連続などとてもテクニカルなサーキットと言える。そして特徴的なブレーキングの厳しさや路面のギャップによる操縦安定性など、テストコースでは行なえない内容から、私もGPマシンのテストで何度も訪れた事がある。
今回の最終戦。既にJSB1000クラスでチャンピオンを決定している北川選手であるものの、何とか攻略したい他のライダー達。しかし予選から順調な仕上がりで、他のライダー達を寄せ付けないライディングを見せていたのは、やはり北川選手であった・・・。

予選

ここTIサーキットは、関東の筑波サーキットに似た雰囲気も持ち、コースサイドのフェンスぎりぎりで観戦できるポイントがある。私は予選の模様をじっくり観察する為、今回も応援に駆けつけていた「吉川選手」と共にダブル・ヘアピン・・・と呼ばれる、コース後半のセクションで観察した。
先に延べたように、コースサイドから見れる選手の情報は非常に正確である。特に低速コーナーは「じっくり」観察できる事から、マシンの旋回性、スロットル・ワークから見れるライダーの積極性、そして言葉では簡単に言い表せないものに「勢い」みたいなものがある。この「勢い」が、場合によってはライダーの自信に繋がるものであったり、意気込みとして感じ取れるのである。
YSP & PRESTO Racingの中冨選手。 現在の全日本ライダーの中では長身の部類であるため、他のライダーより身体を積極的に使ってライディングするスタイルである。雑誌やホームページなどに掲載される画像でも、身体をイン側に大きく「ずらして」いるのは御存知であろう。
身体をマシンのイン側に「ずらす」事で、バンク角を浅くして旋回させる事となる、いわゆる「リーン・イン」であったり「ハングオン」(ハングオフ)というスタイルだ。ライダーの多くは、ライディング全てにおいて「G」と呼ばれる加速度(荷重変化)を感じている。そのセンサーはライダー毎にさまざまであるが、非常に正確である。
「接地感・・・」という言葉を聞いた事があると思うが、言葉通りタイヤが路面に接地している感覚である。これが希薄だと不安感に繋がり、ライダーは積極的なライディングが出来なくなるので、サーキットの場合、即ラップタイムとして現れるポイントだといえる。特に低速コーナーであれば、コーナーリングで発生する数々の「G」が弱くなるので、そのままタイヤの接地感も感じにくくなってしまう。が、「低速コーナーでもしっかりマシンをバンクさせられている!」状況であれば、マシンのセットアップは順調であり、深いバンクが可能であればマシンの旋回性も期待できるはずなので、全体の仕上がりとしても良い状態である・・・と言える。
ちょっと難しい表現であったが、ライダーの意志通りに反応してくれるマシンならば積極的なライディングが可能であり、そうでない場合は無理が利かない事から消極的になり、当然無理をすれば転倒に繋がりやすい・・・という事なのだ。そんな事を思いながら観察すると、私にはラップタイムを測らなくても北川選手が他車を一歩リードしているように見えた・・・。
そしてこの最終戦、両親も応援に駆けつけたYSP & PRESTOの「中冨伸一」選手は、自己ベストを更新し善戦するも6番グリッド獲得となった。

決勝

以前から私は感じていたのだが、ここ岡山県はモータースポーツ、そしてレースに非常に関心の強い所のように思える。始めに触れたように、何しろ4輪「F1」を開催してしまうほどなのだから・・・。英田町はもちろん、県を上げてのイベントだった事は想像付くが、実行し、成功させた事は素晴らしい事だ。
そんな地域性もあり、好天の日曜日決勝は大勢の観客が訪れた。ピットウォークも大盛況であったし、何となく「ほのぼの」とさせる雰囲気は岡山県の風土がもたらすのだろうか?
このレース、まだチャンピオンが確定していない「250cc」クラスがスケジュールの最後に予定され、「JSB1000」クラスはランチタイムを挟んで最初のレースとなった。
いよいよスタート!私は少し感傷的な面も感じていた・・・。それは先日イタリア・ミラノショーで発表された'04 YZF-R1である。大幅にNEWモデルとなったR1は、次世代のレーシングシーンを担うポジションである事は疑う余地もない。世界的に見てもレギュレーションの関係から1000ccモデルは超ホット・モデルとして注目を浴びている事から、次々発表される各社のNEWモデルにより、来年以降、更に激戦区となる事が予想される・・・そう、長くなったが今回のレースで現行モデルのR1は最後のレースとなるからだ。そんな思いを少し心の隅に置き、レースをじっくり観戦する事にした。

スタートは「中冨選手」が自ら反省した通り良くはなかった。ここTIサーキットは意外とパッシング・ポイントがないので、スタート〜1周目が非常に重要である。もちろん彼はその事を意識していただろうから、スタートには集中していたはずなのだが・・・。
リッター・クラスのマシンは相当なパワーを持っており、クラッチミートの瞬間からフロントが持ち上がる。それをコントロールしながら前へ前へと加速させなくてはならないので、一瞬のミスは取り返せないのだ。そして1コーナーは非常にタイトでありながら、やや廻り込んでいるためスタート直後は混乱が起きやすい。走行ラインを塞がれてしまうと、トップ集団から一気に差が付いてしまうポイントとなる。
トップは予想通り北川選手。2番手に食い下がるのは辻村選手だが、ラップタイムで0.5秒ほど北川選手が上回る。そして3位以下は激しくバトルを展開し、中冨選手も集団の中で順位を入れ替える。そして何とか入賞圏内でチェッカーを受けて欲しいのと、少しでも上位で・・・という願いがスタッフからも伺えた。
そして最終ラップ。ややペースを下げた北川選手に対して最後まで全開だった辻村選手。最終コーナー立ち上がりからウィリーでチェッカーを受けようとする北川選手に一気に詰め寄る辻村選手。結局コントロール・ラインを通過した段階では0.6秒と、北川選手のスタッフはハラハラもののゴールでした。これは最終コーナーからゴール・ラインまで距離があったのと、ウィリーしているとスロットル・コントロールが必要でスピードが乗らない事。もうちょっと長くウィリーが続いていたら順位が入れ替わっていた可能性大でした。そして中冨選手。6位でチェッカーとランキングも6位・・・そう言えば予選も6位だったので、全て6、6、6、での締めくくりとなりました♪
このレース、入賞車両は「全車エンジン分解」の車検が行われ、厳しく規制されていたJSB1000カテゴリーの車両最終チェックという形でレースも終了する事に・・・。さすがに車検場では撮影が禁止されているので、その模様はお届け出来ませんが、どのチームもライバル車両に関して興味津々であった事でしょう。

そして来年は・・・

文中でお伝えしたように、来年はいよいよ'04 YZF-R1が登場となります。私も個人的に興味津々ではありますが、先日の「MotoGPもてぎ」のヤマハ・ブースに出来立てホヤホヤの車両が展示してありましたがご覧になりましたか?私も早々「匂い」だけ嗅ぎに行きましたが、挑戦的で魅力的なスタイルでもありますね。しかもちゃんとYZF-R1シリーズの血が流れている事を感じさせるフォルム。きっと世界中で「大暴れ?」してくれると思いますが、来春まで待てないかなぁ〜。皆さんの中にも興味を示している方も多いはずでは?私は最近ブルーが精悍さがあって気に入っていますが・・・さてと、預金通帳は・・・。

応援ありがとう

今年も応援ありがとうございました。努力はしていても簡単に結果が出ないレースの世界。どんなに厳しい状況でも皆さんの応援があってこそ成り立ちます。もう既に来年の準備に入っているチームもあるでしょうが、レース観戦はシーズン・オフに入りますから、しばらくは休憩ですね。またサーキットでお会いするかも知れませんが、その時は気軽に声をお掛け下さい。
またこれからのシーズン、バイクでの遊びは如何でしょうか?このコーナーからリンクさせて頂いております「ACTION CREW」ホームページにて色々な企画を紹介しております。レースに参加ではなく、色々なモータースポーツを楽しむ内容ですので、興味のある方は覗いて見て下さいね。一緒にバイクで遊びましょう♪

ではまた・・・いつの日か。

[update:2003/10/30]

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大盛況!!
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小(ちび)ライダー
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何を思うか
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またしても強力な応援団
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厳密なチェックがされる
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タイヤも毛布に包まる季節
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おっと発見! newフォーク
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スタートの集中
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レース後のタイヤは・・・
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レース後のコメントは大事です
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お疲れ様

難波恭司プロフィール

1963年3月8日生まれ
'81 18才で草レースを始める/'83 ノービスライセンス取得/'85 鈴鹿4h耐久レース 3位/'86 国際A級昇格 ヤマハ契約/'87 TZ250の開発テストに携わりながらレース参戦始まる/'92 ファクトリーマシン TZM250開発テストに携わる、全日本選手権 初優勝 250cc/'96 GP500マシン開発テスト携わる/'98 代役としてWGPのGP500へ年間 5戦参戦 鈴鹿では予選2位 決勝5位/'02 現在はモータースポーツ普及活動など、モーターサイクルの「伝道師」として活動中。特に今年は'07YZF-R1でレース参戦を計画中。
ライダープロフィール

中冨伸一 (なかとみ しんいち)

1978年 10月 30日(24歳)血液型 A 型
'96年: 九州選手権GP250ccチャンピオン/'97年: 全日本選手権国際A級GP250ccランキング15位/'98年: 全日本選手権国際A級GP250ccランキング11位、西日本エリア選手権GP250ccチャンピオン/'99年: 全日本選手権国際A級GP250ccランキング4位/'00年: 全日本選手権国際A級GP250ccチャンピオン/'01年: 全日本選手権国際A級GP250ccランキング11位/'02年: 全日本選手権国際A級GP250ccランキング8位