ホームプレストマガジン > 難波恭司のおでかけ★YZP&PRESTO Racing report
水滴が残る雨用シールド

ジメジメの梅雨

例年より長く感じる今年の梅雨。比較的気温が低く、時として寒く感じるくらいなので不快指数は低いものの、バイク乗りとしては早く「スカッ」と開けて欲しいと願うばかりですが、それでもバイクに乗りたい人にお勧めなのが、雨でも快適な気持ちにさせてくれるウェアーやグッズの装備です♪そんな内容のレポートは後へと・・・。まずは今回、全日本選手権R2−1第5戦MOTEGIのレポートから。

R2−1 Round5 Motegi

前回のレース、「鈴鹿200km」から1ヶ月半のインターバルで迎えた「中冨伸一選手」の今回モテギ。実は前回のレースで2周目に転倒してしまい、すっかり凹んでしまっていたか?と心配していたのですが、このインターバルの間にすっかり復活♪気持ちも新たに望めていたようです。
と言うのも、この時期の日本は、御存知「8耐」の準備やテスト、チーム体制の発表やエントリー・リスト公開などが相次ぎ、「YSP & PRESTO Racing」としてもいよいよ参戦ライダーが発表され、そのテストも鈴鹿で行われました。その凹んで?しまっていたか?の「中冨伸一」選手に何より強い助っ人となったのが、昨年の「YSP & PRESTO」で活躍してくれた「ワタルン」こと「吉川和多留」選手の存在。
彼は今年、レースの一戦から外れ、オートバイ最高峰レースマシンである「YZR−M1」の開発に専念する事となり、なかなか国内のレース現場へ顔を見せる事はなかったのですが、ここへ来て久しぶりの登場!スーパーバイクを含む数々のレースマシンの開発を手がけてきた彼が、市販車ベースのJSBクラスを戦う「YZF−R1」をどのように料理するか?非常に興味もありました。そんな中、今年は1人でマシンのセットアップを進める「中冨選手」に良いアドバイスやライダーとしての刺激を受けた事は容易に察する事が出来ますね。
8時間耐久レースは、ライダー2人で同じマシンを交代でチェッカーまで導きますから、同じ条件で戦うライダーはチームメイトであり、時としてライバルにもなる訳で、レースウィークに良い関係を築く事も大切な点です。今回のモテギに向けて「吹っ切れた」中冨伸一選手に対して、「吉川和多留」選手が何をもたらしたか?それは今後の中冨選手の活躍が示してくれる事となるでしょうね・・・。

フリー走行〜予選

金曜日に行われたフリー走行はドライ。気温も湿度も高く、マシン、ライダーともに過酷な状況でしたが、安定して好タイムを連発するのは、ここまでの3戦中優勝2回、2位1回とランキングトップをキープしている「北川選手」。対して中冨選手はやや苦戦。セットアップを繰り返すものの、トップとのタイム差が思うように縮まらず、やや渋い顔を見せていました。
そして迎えた土曜日の予選。不安定な天候を天気予報が伝えていた通り、下界?では曇ってはいるものの何とか雨は我慢している状態でしたが、山中にあるツインリンク・モテギでは我慢できず、小雨が降り続けたり止んだりの状態。コース・コンディションも小雨では乾き始めたり、やや粒が大きくなると完全に濡れてしまったりを繰り返す、とても厄介な事となりました。
全車レインタイヤでスタートした予選一回目。ここまでのテストでも何度かウエット・コンディションがあり、そんな中でも中冨選手は安定した速さを見せていましたが、やはり自信があったのか?チェッカーを受ける最後の周、トップ・タイム!ピットではガッツポーズも出たくらいでしたが、それもつかの間、後からチェッカーを受けた北川選手と山口選手が僅かに (約0.2秒) 上回り、結局「中冨選手」は3番手に。
土曜日午後に行なわれた予選2回目。相変わらず不安定な天候は変わらず、またしても全車レインタイヤでコースインでしたが今度は様子が違う!次々とピットインしてくるライダー達。そう、コースの走行ラインだけ乾き出す・・・という、これまた複雑なコースコンディションになり、中冨選手も同じくスリックタイヤに変えてコースインしていきました。
レインタイヤで乾いた路面を走るとタイヤの温度が上がり過ぎ、表面のブロックが動いてしまい (いわゆる溝の部分ね) 、グニャグニャしてまともに走れないばかりか、時にはタイヤに深刻なダメージを与える事があります。また、タイヤのホイール・スピンも顕著で、トップスピードも著しく低下してしまうので、ライダーがいくら暴れるマシンで頑張ってもタイムに繋がらないのですね。
コース・コンディションは相変わらず安定せず、このまま走行ラインが乾いて行くか?と見守る中、徐々にハーフ・ウエット路面を攻略しつつ、タイムを上げてきた中冨選手でしたが、またしても強くなり始めた雨により、見る見る路面は真っ黒のウエットへ舞い戻ってしまい、結局トップから2”7秒遅れの7番手。この2回目の予選は、雨が強く降り始める直前が一番コンディションが良く、ここでクリアー・ラップ (他車に邪魔されずにアタック)が取れた者が大きくタイムアップ出来たので、少々「運」も影響していたようです。
予選終了後「中冨選手」の話しを聞くと、やはり今回はウエットへの期待があるようで、不安定なコンディションが見方してくれないか?と、レインタイヤでのレースを望んでいたので、「じゃあ、日曜日の決勝前に5tほどの雨を予約しとくか?」と、「でも途中で乾くといけないから、徐々にって言っとくよ♪」なんて会話していましたが、やはり自信を持って望めるレースが理想的ですからね。何より精神的にリラックスしてスタートできれば良いのですが・・・。

決勝レース

今回の全日本、8耐直前のレースとあってか?エントリー台数がやや少なく、決勝はフル・グリッドではない32台でスタート。スタート直後から、安定したタイムを連発していた北川選手が、セカンドグループを全く寄せ付けないペースで独走。それを必死で追う昨年の全日本チャンピオン「渡辺」選手。争いはその後方で激しさを増していましたが転倒者続出!その理由のひとつに、雨上がりの路面コンディションがあるようです・・・。
通常雨が降ると、コースアウトや転倒者が多くなりますよね。そしてコースに復帰したりすると、ダートから泥や砂をコースへ持ち込んでしまいます。また、降った雨によりアスファルトの細かい石の隙間に「うずまって」いた埃などの細かい粒子が顔を出し、アスファルトの表面に露出してきます。これが微妙にタイヤのグリップを低下させてしまうのですね。特に少し走行ラインが外れて、あまり他のライダーが走らないところだと顕著で、場合によっては数十センチ程度でも「ヤバイ」時があります。JSBクラスのレース前に行われた250ccクラスでも転倒者が多かったのはその為でしょう。
中冨選手も前回のレースが脳裏をよぎったのか?無理が出来ない状況を察知しており、セカンド・グループの背後に迫れない状況・・・。後方から迫り来る、同じ「YZF−R1」の「大崎」選手とバトルになったものの、最後は意地を見せて振り切り、前を行く「江口」選手が転倒した事から5位でチェッカー。とても厳しい状況だったのですが、我慢し、そしてバトルを制してのレースを終えました。

気持ちは8耐へ向け・・・

やはりレースは走りきる事が最低条件。そこから生まれる自信やマシンの症状やデーターは必ず次回に生かせます。モテギのようにストップ・アンド・ゴーのコースではマシンも過酷で、駆動系、ブレーキに大きな負担となります。そしてもちろんライダーにとっても・・・。
さぁ次はいよいよ8耐♪。暑さとの戦いであったり、精神的、肉体的にも厳しい状況なので自分との戦いでもあり、もちろんライバルチームとの戦いですから、すべての条件を揃えて挑まなくてはなりません。決して楽な状況ではありませんが、8耐用の車両も既にスタンバイしていますから、後は最終的な準備と作戦で迎える事となるはずです。何より「力強い助っ人」の吉川選手が、今年始めてのレース参戦でもあり、昨年の8耐4位は自己最高タイ記録でしたから、狙うはもちろん○×△□でしょう?まぁここでは明言を避けておきますが、相手はファクトリー・マシン達。クラスが違えど同じレースを戦う訳ですから、「YSP & PRESTO Racing」としてのベストが出せれば結果は付いてくるでしょう。
ライダーやチームを支えるクルー達の耐久レースは、応援に駆けつけたファンにとっても耐久です。今年は鈴鹿サーキットのレース観戦入場券にプール券も付いているとか・・・。観戦券もリーズナブルとなり、ファンにも優しい?レースになったような気がしますから、真夏のイベント!8耐への応援も計画お願いしますね♪今年はレースウィーク水曜日 (7月30日) からフリー走行が開始され、8月3日の午後7時30分に振られるチェッカーを目差します! 皆さんも一緒にチェッカーを♪

番外編、プチ・ツーリング!に続く

[update:2003/07/24]

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予選の空はどんより
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タイヤは何にする?
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悩んだ末の選択は…
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予選好タイムの証…
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マシンを前に
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グリッドでは
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メンテナンスには余念がない
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次に繋げるレース
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8耐は21番で行きますよっ

難波恭司プロフィール

1963年3月8日生まれ
'81 18才で草レースを始める/'83 ノービスライセンス取得/'85 鈴鹿4h耐久レース 3位/'86 国際A級昇格 ヤマハ契約/'87 TZ250の開発テストに携わりながらレース参戦始まる/'92 ファクトリーマシン TZM250開発テストに携わる、全日本選手権 初優勝 250cc/'96 GP500マシン開発テスト携わる/'98 代役としてWGPのGP500へ年間 5戦参戦 鈴鹿では予選2位 決勝5位/'02 現在はモータースポーツ普及活動など、モーターサイクルの「伝道師」として活動中。特に今年は'07YZF-R1でレース参戦を計画中。
ライダープロフィール

中冨伸一 (なかとみ しんいち)

1978年 10月 30日(24歳)血液型 A 型
'96年: 九州選手権 GP250ccチャンピオン/'97年: 全日本選手権 国際A級GP250ccランキング15位/'98年: 全日本選手権 国際A級GP250ccランキング11位、西日本エリア選手権 GP250ccチャンピオン/'99年: 全日本選手権 国際A級GP250ccランキング4位/'00年: 全日本選手権 国際A級GP250ccチャンピオン/'01年: 全日本選手権 国際A級GP250ccランキング11位/'02年: 全日本選手権 国際A級GP250ccランキング8位