ホームプレストマガジン > 難波恭司のおでかけ★YZP&PRESTO Racing report
今年はこのメンバー(左) いよいよ晴れ舞台へ(右)

何処かでお会いしました?

いよいよ開幕戦を迎えました♪ ロードレース全日本選手権R2-1。3月21日〜23日は、3連休と温かな陽気に誘われた家族連れで高速道路は大変な混雑でしたが、公約通り?何のためらいもなくバイクで「おでかけ」した難波さんは、「バイクで良かった〜」っとつぶやきながら鈴鹿へ向かったのでした。 きっと車で行かれた方達を「快適なバイク」で追い越したはず…何処かで後ろ姿を見かけた方もいるはずですね。 やはりこれからのシーズンはバイクでしょう!
雨は嫌だけどねっ…。

2&4大盛況

開幕戦は4輪「フォーミュラ・ニッポン」と同時開催という事なのですが、それよりも3連休と開幕を待てなくて「ウズウズ」していた方が多かったのか?
金曜日フリー走行の段階からパドックは賑わっており、今年のレギュレーションの主役「JSB1000」クラスへのエントリー台数は、混走のスーパーバイク(SB)・クラスとスーパーネイキッド(SN-K)クラス合わせて70台!という盛況ぶり。
どのチームも「開幕戦へ向けて準備に追われる毎日であった」事がパドックのあちらこちらで聞かれ、ファクトリー参戦禁止となった事による体制の変化や、チーム運営の準備が例年になく大変であった事を語り合っていたようです。
「YSP & PRESTO Racing」も例に漏れず、2週間前に行われた「鈴鹿感謝デー」イベントへ何とか間に合ったと聞いていましたし、それからの僅かな時間でスペアーマシンを作成した事も今回聞きました。
市販車の改造クラス…といってもレース専用としてチューニングした場合、最初からレーサーとして生まれてくるマシンとは違って大変な作業が必要となるものです。
ネジひとつとっても、可能な限り軽量な「チタンボルト」へ変更するだけでなく整備性の向上を考えたり、レギュレーションに合わせた変更、そして肝心なエンジンのポテンシャルアップなど、結果を求めようとすればするほど時間と手間も掛かるもの。
ファクトリーマシンであれば、時間もコストも度外視して徹底的に作り上げられるレーシングマシンですが、今年のように各チーム毎のオリジナルとして仕上げる場合は、求める方向性や時間とコストの制約などを吟味しなくてはなりません。どのチームも他のチームが仕上げたマシンに興味津々…。
車検場はそんな大勢が見守る中で行われていた事から、ファクトリー参戦できないと言っても各メーカーの方達は気になって仕方ないのでしょうね…。

今年の焦点

ここで大まかなレギュレーションを説明しておきます。
何度も言いますがファクトリーマシン参戦できない事から、レギュレーションで定められた改造範囲の中で各チームのオリジナル・パーツや市販パーツを使って構成されます。
外観も使用するモデルを忠実に再現していなければならず、ノーマルと同じ形状のカウルやシートである事など、かなり制約が厳しくなっています。
軽量化などのためカーボン製のカウリング類を装着しているチームもあるようですが、規定最低重量も4気筒の場合168kgなので軽量化にも限度が出てきます。
それとマシン制作で肝心なのが「入賞車両の部品買い取り制度」です♪
分かりやすく言えば、入賞したマシンはフロント・フォークやシリンダー・ヘッドというマシンの「肝」、そうマシンのチューニングやセッティングの肝心要パーツを買い取られてしまう可能性がある事なのです。しかもフロント・フォークは120万円、シリンダー・ヘッドは50万円etc...。
入賞したマシンのパーツは、購入希望者がいた場合上記の価格で売却しなくてはならないのです。これはマシンの平等性やコスト軽減を意味していますので、高価なパーツを使って入賞したら「大赤字!」となります。 市販のパーツを効率よく使用するのも重要になり、それらのセットアップ次第でマシンの出来が左右されるとも言えますね。
良く観察すると、ストリート・バイクへ応用出来るパーツやアイデアも出てきそうなので、そのあたりも注目でしょうか。
もう一つ、レースの焦点として「タイヤの本数制限」があります。昨年までは規制の対象ではなかったのですが、今年は予選、決勝のレース・スケジュールでは「3 set」となり、2回の予選、決勝レースと、通常一本ずつとなります。雨のレインタイヤは本数規制されませんが、このドライ・タイヤをどう使っていくか?も観戦の見所なので、予戦中のピットイン作業も見逃せないポイントとなりますね。ちょっとマニアックな観戦が必要ですが、各チームの作戦などを推測すると面白いかも知れません。

いよいよスタート

いよいよ予選。誰がどんなタイムをマークしてくるか?午後の天気は?など、エントリー台数が多い為2つのグループに別けて予選は行なわれました。
YSP & PRESTO Racingの '03 YZF-R1「中富選手」はBグループで後からの走行。
Aグループの動向を観察しつつコンセントレーションを高めていたようですが、私から見れば「緊張する環境が整っている?」ようにも感じ、ちょっと心配になっていました…。
予選Aグループでは「北川選手」が驚異的タイム。中富選手はここまでのフリー走行では「2'10"7」の好タイムでトータル3番手を記録していましたから、本番の予選に期待もしていました…が、私は緊張の心配も払いきれない心境で、ジッとタイムモニターを見守る事に。
そして「午後は天気が崩れる」という天気予報に多くのチームが勝負に出ていました。そう、午後に行なわれる2回目の予選を捨てて、午前の予選で2本のタイヤを使ってしまう!という作戦です。
雨であればレインタイヤを使用しますが、タイムはドライ・コンディションを上回れるはずはありません。
この事から「午前の予選でタイムを出しておく必要がある」と判断し、予選で使えるリミットの2セットとも使ってしまう事でタイムアップを狙うのです。
YSP & PRESTO Racingも、雨の状況を全国に点在する「YSP店」に問い合わせて判断したのか?(既に大阪は雨だ…と)2セット作戦に出ました♪。
作戦的中!今でのベストタイム「2"10"4」でフロントロー3番手ゲット。
そして午前の予選終了後に情報通り雨が降り出し、まずは順調な予選だったと、チームクルーからも笑みがこぼれていました。

迎えた決勝レース。 午前中に残っていた昨日のウエット路面も完全なドライとなり、やや冷たい風のため路面温度は上がらないものの日差しは暖かく、良い陽気でスタートを迎えられそうです。 緊張の色を隠せない顔を見せる「中富選手」…。スタート練習はしてたっけ?いや、今の段階で声を掛けても緊張が「ほぐれる」はずもなく、本人に任すしかないので黙って送り出す事に。

Goooooo!!!

まずまずのクラッチ・ミートだったと思うのですが、列が落ち着いた段階で6番手。トップは予選から好調の北川選手がジリジリ後方を引き離しに掛かり、「中富選手」は3台での6番手争いへ突入。
その争いの中に昨年までのチームメイト「清成選手」も…ん、嫌な予感…。お互い意地の張り合いが始まるかな?と、ライダー心理を推測してしまいました。

清成選手が先行したとたん中富選手がミスをし始めたところで…初めに感じていたように、チームが変わり環境が変わった事で自らプレッシャーと戦っていた心理状態に焦りが加わった…と察した時、スプーンコーナーでイエロー・フラッグが振られており、目の前の争いに気を取られていたのか追い越しを「してしまう」結果となってしまったようです。
モニターだけでは判断付きにくかったのですが、「大丈夫だったのかな」と、つぶやいて見たもののリプレイも出来ず、残りのレースを見守る事に。
チェッカーは8位で受け、レース後ピットに戻った彼はしきりに結果をクルーに詫びていたのですが、私は確実に走りきっていたので今後の課題も出来て良かったと思います。初の決勝で転んでしまっていては、次のレースに対しての課題が後戻りしてしまいます。
何事も気を落とす事なく前向きな気持ちを持つ事が大切なのですね♪
あっ、これはレースだけじゃないね…。

そうしていると…やはりレース中の「イエローフラッグ無視」のペナルティーが課せられ「失格」という考えもしなかった事態へとなり、私としても「何を伝えて良いやら…」とても複雑な心境になってしまいました。結果がすべての世界で「失格」はとても厳しいペナルティーでしたが、チームとしてはこれをバネに次の筑波で巻き返しを狙って欲しいと思っています。

「やっとこぎつけた」感のある開幕戦でしたが、中富選手自身このレースへ向けてのプレッシャーは今まで経験した事に無いレベルだった様に思えます。
プロライダーとはこういった環境を乗り越え、自分を常に磨き続けなくてはならない事を実感した事でしょう。
いくら言葉で伝えても「体験しないと理解出来ない領域」を垣間見たレースだったように感じました。
まだまだやってくる困難に、しっかりと立ち向かって欲しいものです。 どうか皆さんも暖かく応援して下さいね。

番外編、「ヤッホー! '03 YZF-R6」 に続く♪

[update:2003/03/25]

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スタート直前のフロントロー
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タイヤは・・・
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マイ・バイクに
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強力な応援団発見・・・
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仕事をしないと・・・楠やん
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大盛況のピットウォーク
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内緒だけど・・・
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2ショット・・・
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gsタンクの上にも
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車検へ
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車検中・・・
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悩めかしいエキ
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lap time モニター
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あるピットの光景

難波恭司プロフィール

1963年3月8日生まれ
'81 18才で草レースを始める/'83 ノービスライセンス取得/'85 鈴鹿4h耐久レース 3位/'86 国際A級昇格 ヤマハ契約/'87 TZ250の開発テストに携わりながらレース参戦始まる/'92 ファクトリーマシン TZM250開発テストに携わる、全日本選手権 初優勝 250cc/'96 GP500マシン開発テスト携わる/'98 代役としてWGPのGP500へ年間 5戦参戦 鈴鹿では予選2位 決勝5位/'02 現在はモータースポーツ普及活動など、モーターサイクルの「伝道師」として活動中。特に今年は'07YZF-R1でレース参戦を計画中。
ライダープロフィール

中冨伸一 (なかとみ しんいち)

1978年 10月 30日(24歳)血液型 A 型
'96年: 九州選手権 GP250ccチャンピオン/'97年: 全日本選手権 国際A級GP250ccランキング15位/'98年: 全日本選手権 国際A級GP250ccランキング11位、西日本エリア選手権 GP250ccチャンピオン/'99年: 全日本選手権 国際A級GP250ccランキング4位/'00年: 全日本選手権 国際A級GP250ccチャンピオン/'01年: 全日本選手権 国際A級GP250ccランキング11位/'02年: 全日本選手権 国際A級GP250ccランキング8位