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真夏の8耐

応援ありがとうございました! 総合4位完走・・・。YZF−R7での8時間耐久レース最高周回数と、昨年の優勝周回数達成により今まで遣り残していた事の達成感を味わう事が出来ました。 多くの方に現地へ駆けつけて頂き、観戦するだけでも過酷な真夏の耐久レースを最後まで応援してくださった方々へ感謝の気持ちでいっぱいでした♪

レースウィークへ向けて数々の準備をしてきたのは言うまでもありません。レースウィークに入る前、ライダーのトレーニングとして活用しているTT−R125LWで、山中での過酷なライディング・・・そう!「トラの穴」を実施したのですが、これが激暑。 木陰で涼しいかと思ったら逆で、汗だくで湿度の高い山中なのと、木々に囲まれて全くの無風・・・ときたら想像付きますよね。 激登りでスタックしたマシンを押し上げたりすれば、全身ピクピク状態となり、ヘルメットの中では酸欠気味で「たすけて〜っ」ってところまで達していました。 この時の気温は35℃くらいあったので、決して良い子は真似をしないでください・・・。プロライダーの特別な訓練を受けた人でないと危険ですから?! 水分補給にも気を使っていましたが、いくら飲んでも足りない・・・というのは、そう滅多にない体験でしょうね。8耐ウィークはライダーだけでなく、スタッフも相当な体力を消耗します。話しを聞いていても、毎年何処かのチームで体調を崩したメカニックやチームクルーがいる事を耳にします。 昨年の8耐もとても暑かった為、器材の搬入日で既に体調を崩したスタッフがいたとか・・・。 ただ「じっと」しているだけでも、吹き出る汗で体力が奪われていくのがわかるくらいですから、器材の搬入やセッティングの時点で具合が悪くなるのも理解できます。充分な睡眠とバランスの取れた食事、そして最近ではサプリメント食品による補助的なビタミン、ミネラル類の補給など、チームスタッフへの配慮も大切なのですね。

レースまでの経緯

レースウィークがすべて完璧だった訳ではありません。夜降った雨の影響でドライを満足に走れなかったり、予選が始まってアタックを開始したら雨が降り出したり・・・。特に第1ライダーの「吉川和多留」選手の時に多く、彼が「雨男」・・・なのではなく、彼にとってはストレスになっていたようでした。 事前のテストも雨が多く、それよりもコンディションが比較的涼しい中でのテストしか出来てなかった為、レースウィークに入ってからのマシンセッティングに若干の心配もあったのです。ライダーにとっては使用する「タイヤの選択」という最も大切な項目があり、約1時間を走りきるタイヤを選ばなくてはなりません。色々な構造バランスやゴム質のコンパウンドと呼ばれるタイヤの基本的な部分の確認。そしてそれはフロント、リア共に存在するので前後バランスまでもチェックする必要があるのです。これらのテストが濡れた路面では出来ない為、イライラ状態になってしまっていたのです。

8耐でのピット作業は重要なポイント。チームとしてはレースウィーク前、事前に何度も作業確認し、速さよりも確実さに重点を置き練習を重ねてきました。 作業としては鈴鹿200kmレースでも同様なのですが、8耐での一番の違いは「確実にガソリンを満タンにする必要がある」事なのですね。過去のレースを思い出しても、ファクトリーチームでさえ「ガス欠リタイア」があったように記憶します。 クイックチャージで当たり前のように給油していますが、数百ccレベルでの正確さを出す為の工夫は耐久レースならではだと思います。 確実に満タンでなければ、ライダー交代後の走行が予定通りの周回数出来ない・・・と言う事なのですね。

タイヤ交換の際も、実際にマシンへ触れて作業できる人数が4人までと規制されているのですが、ライダーもその1人として入る為ちょっとしたタイミングへの神経を使います。 この当たりも作業している人には見えにくい為、外から見て確認してもらいながらベスト・タイミングを組み立てる必要がありました。 レースでは「いとも簡単」に行なっているように見えますが、大変な時間と努力が必要な部分なのですね。 私も今年始めて担当し、つくづく感心した点でもあります。

そして8耐では恒例となっている、コース上を1人ずつタイムアタックしていくショー形式の「ジャンプアップ・アタック」では、「吉川和多留」「辻村 猛」の両名は0.1秒と変わらない見事に同様なタイム!トータル6番手グリッドを獲得し、改めて2人のコンビネーションは揃っている事を裏付けてくれたので、レースへの期待も膨らみました。

すべて予定通り

レースは「猛」とは思えない?! スタートで1コーナー3番手で突入!その後は徐々にトップから離されながらも、設定されたペースと周回数を維持してレースは進みました。ガソリン給油後に実際どれだけ給油できたか?ラップタイムとピットストップから割り出される8時間後の周回数など、ライダーがコース上で暑さと戦っている間も、現在の状況、そして予想される状況のチェックなど、全く休む暇も無くレースは進むのですね。

2人のライダーも順調にペースを維持し、限られた休息時間は水分、栄養補給と身体への負担を考慮して点滴を施して次の走行に備えます。今回ライダーの体重経過も調べてみたのですが、ダイエットで苦しんでいる方、良い方法をお教え致しますよ〜っ・・・かなりキツイですが?!

レースも後1時間を切り、最後のセッション吉川選手がスタートした後、西コースの上空に黒い雲が・・・。その1時間前くらいから予想されていたのですが、やはり来た!やや大粒の雨。YSP Racing & PRESTOとしては、この時点で前後を走るチームとの差から、夜の走行の安全性を考慮し、最後のセッションへのピット作業時、時間を掛けてでもマシンのスクリーン清掃を行なっていました。 8時間近くレーシングスピードで走行したマシンの全面は、数々の虫、他のマシンから浴びたオイル、タイヤ・カス、などで真っ黒。ストレートで身体を伏せても、スクリーン越しの視界はほとんど無いに等しく、その状況で雨が降ったらオイルまみれのスクリーンにより、視界どころではなくなることが予想出来ていました。 雨で滑りやすい路面と全く違うペースで走る周回遅れ、暗闇のコース上での危険性はかなり高くなるので、耐久レースの戦い方として適切な判断だったと感じました。

終盤、イレギュラーによるレインタイヤへのピット作業も準備し、チームクルーは「いつでもOK!」の状態でマシンを見守っていましたが、悪コンディションを冷静に判断し、最後まで集中力を切らさずチェッカーを受けてくれた時は、さすがに「ホッ」としたのと同時に、スタッフ全員に「ありがとう」の気持ちで一杯になりましたね。 結局終盤の雨によりペースが落ちたものの、過去のヤマハで達成していなかった最高の周回数と、昨年の優勝周回数の達成で、レース中のスケジュールは予定通りに進んだ事証明し、ここまでの達成感を味わえました。 レースの順位は4位で表彰台に届かなかったけれど、自分達の出来るすべてを出し切れた!という充実感は、チームスタッフ全員感じれた事と思います。

応援下さった皆さん、本当にありがとうございました! 8時間走りきった後のマシンを確認してもまだまだ余力があり、この分じゃ24時間だって可能だったなぁ〜って心の中で思いましたが、きっとライダーはそんな気持ちはなかったでしょうね・・・。私は?と言うと、レース後のほとぼりも冷める頃、ピット裏のチームスィート・ルームでスタッフ全員との打ち上げビールが効いたのか?(ほとんど酒が飲めない難波さんでした・・・)そのままライダー休憩用のベッドでZzzzzz。気が付いたら1人置いてけぼりでした。

後半戦のR2−1

9月に入り、そろそろ東北は秋かな?と、期待して望んだSUGOは、予戦日になって霧・・・。ここ数年は霧で中断なんてなかったのですが、久しぶりに現われました。

マシンは8耐仕様から通常のスプリント仕様へ戻り(実際は別マシンです)、今回からある「エッセンス」を加えて望んだのです。内容は「ひ・み・つ」だけどね。 このSUGOラウンドでは、レースの冠スポンサーとして我々のチーム同様「プレスト コーポレーション」協賛でしたので、気持ちも新たになっていたのは当然ですね! 日曜日はパドック裏でのトークショーも開催され、急遽私も参加させて頂きました♪ このプレストH/Pコラムも「見てますよ!」と声を掛けて頂き、恥ずかしながらも応援に駆けつけて頂いている事に感謝しています。

今回の「吉川和多留」「辻村 猛」両選手は、そろそろ欲しい・・・というチームの期待に答えるような予選タイムアタックで、見事揃ってフロントロー獲得。 当然ですが、レースへの期待度も満タン状態でした。 ところが・・・日曜日のレース当日、現地へ行かれていた方は体感したと思いますが、あっちっちぃ〜で、気温も32℃湿度は70%以上と言う8耐を思い出すような暑さ。 タイヤへの負担も心配でしたが、何よりライダーの負担も強烈となる予感がしていました。

SUGOのレースは25周。ブレーキングや素早い切り返しが必要で、とてもキツイコースでもあります。何とかトップに食らい付いて・・・と願っていたのですが、トップスピードに勝る「プロトクラス」(motoGPマシンなど)との混走で、コーナーで競り勝ってもストレートで・・・と言う攻防にはまっている間に離されてしまい3位争い突入。 最後まで抜け出せなかったのですが、タイヤがタレきってしまった2位の玉田選手には終盤グングン追いつき、後ちょっとで・・・と、吉川選手のしぶといレースを見せてくれました。実際後2周あれば面白かったかも・・・。

そんな状態で、吉川選手は総合3位、辻村選手は総合5位となり、参戦しているスーパーバイククラスでは久しぶりの2位、3位と揃って表彰台獲得で、次の得意とする鈴鹿への期待が高まりました。 鈴鹿は2人とも得意とするコースのひとつですが、終盤2回開催予定ですので期待大! あと一つ届いていない所にもうちょっと! ワクワクできるレースになりそうなので、是非是非皆さんの応援よろしく!

[update:2002/9/10]

路面温度は上昇中
猛は黄色組
手順はOK
ゼッケン1番です
いかがでしょう
あっちっちぃ〜
両手に・・・
並んだスペアパーツ
濡れてしまった路面
ライトよ〜しっ
スタート前の緊張
ここんとこ、よろしく
和多留グリッド
猛 グリッド
晴れ渡り
ピットへはだるまが
タイムチェック
お疲れさま

難波恭司プロフィール

1963年3月8日生まれ
'81 18才で草レースを始める/'83 ノービスライセンス取得/'85 鈴鹿4h耐久レース 3位/'86 国際A級昇格 ヤマハ契約/'87 TZ250の開発テストに携わりながらレース参戦始まる/'92 ファクトリーマシン TZM250開発テストに携わる、全日本選手権 初優勝 250cc/'96 GP500マシン開発テスト携わる/'98 代役としてWGPのGP500へ年間 5戦参戦 鈴鹿では予選2位 決勝5位/'02 現在はモータースポーツ普及活動など、モーターサイクルの「伝道師」として活動中。特に今年は'07YZF-R1でレース参戦を計画中。
ライダープロフィール

吉川和多留 (よしかわ わたる)

1968年9月26日生まれ 血液型 A 型
'86 ロードレース・デビュー(18才) S80 クラス/ '90 全日本ジュニアチャンピオン SP750クラス/ '91 全日本国際A級 ランキング9位 F1 クラス/ '92 全日本国際A級ランキング9位 F1 クラス/ '93 全日本国際A級8 位 F1 クラス/ '94 ヤマハワークス入り、スーパーバイク元年チャンピオン!/ '95 全日本選手権 ランキング4位 スーパーバイク クラス/ '96 ワールドスーパーバイク選手権参戦 世界ランキング9位/ '97 全日本選手権 ランキング 4位 スーパーバイク クラス(YZF-R7)/ '98 全日本選手権 ランキング4位 スーパーバイク クラス(YZF-R7) '99 全日本選手権 ランキングスーパーバイク クラスチャンピオン! '00 全日本選手権 ランキング 5位 スーパーバイク クラス '01 全日本選手権 ランキング 5位 スーパーバイク クラス

辻村 猛 (つじむら たけし)

1974 年7月4日生まれ 血液型 A 型
'84 モトクロス・デビュー (10才)/ '87 ミニバイクレース・デビュー (13才)/ '91 ロードレース・デビュー (16才)/ '92 全日本選手権デビュー/ '93 世界グランプリ125ccクラス参戦開始。数回の優勝経験あり!/ '97〜'98 世界グランプリ250ccクラス参戦/ '99 ヤマハワークスにて全日本スーパーバイク クラス参戦ランキング10位/ '00 全日本選手権スーパーバイク クラス ランキング10位/ '01 全日本選手権スーパーバイク クラス ランキング けがの為10位