ホームプレまぐ! > 藤原広喜のエンデューロ参戦記
Photo

初参加なのである。

今年で4年目を迎えるプレストコーポレーション SUGO 2DAYS ENDURO。初年度の約17kmのコースを造るのも大変だったけど、毎年延べ300人4年間でなんと1200人!!を投入し、さらに約16kmも開拓し続けてきたことになる。1日で開拓したコースもバイクで走れば僅か30秒ほどで通過しちゃうから、その作業たるやいつ終わるとも知れない途方に暮れそうな週末をを毎週迎えながらここまでやってきた。
開拓団も疲れきっているんだろうな。いつも付き合ってくれてありがとうございます。今では開拓のプロと言えるところまできちゃったね。俺なんか雑な作業で(普通の人よりは丁寧だけど)怒られっぱなしだもんね、クオリティーが低いって。皆様には頭が上がりません。
そんな苦労をする中にも、途中開拓団の感謝を込めたボッタクリ的開拓祭なんて1泊宴会つきでやったりして、楽しさを見つけながらやってきた(宿代は払っていただきまして・・)。
ところが今年は、ISDEのトロフィーライダー選考会も兼ねているので、スタッフの“藤原選手を出場させよう運動”が勃発。
これまでは主催者側として自分が実際に参加するなんて思ってもみなかったが、主催者業に勤しんでたのではMFJの全日本クラスのランキングも1戦不出場となり、絶対ランキングトップにはなれないし、選考会も今回出場しなければ当然落ちちゃう。そういうわけでみんなの応援により、遂に念願の出場だ。
しかしその分、残されたスタッフはそれはもう大変さ。私を送り出したせたスタッフも後悔したに違いないことだろう(こっちも気が気でないけど)???
Dr510を核とし今回監督を務めきった平地君、お疲れ様でした。おかげさまでISDE日本代表メンバーに選ばれました。運営はというと、振り返れば2日目のあの最悪なコンディションでもレースが成立したのは、あなた方のスバラシイ判断があったからです。
参加ライダーもこのコンディションでも完走率が50%と、年々レベルが上がってきているのが嬉しく思います。
この先はこの2DEの継続と、この大会に参加できない、又は完走できないレベルの人たちも楽しめる入門編の2DEの開催だろう。このレースが終わってあちこちのHPやブログをチェックすると、このことが書かれていたし。
これは私自身が初年度から思っていたことで、初日はISDEトロフィーメンバーがレクチャー、2日目はオンタイム制EDレース開催とか。12月の寒い時期だけど企画を検討中。ここの上位の選手はミニモトでも翌年の2DEの参加資格を得るとかね、何かリンクした内容で開催したいと思っています。お楽しみに。

さて私のレースの方はと言うと…。

マシンは慣らし運転のためにDr510氏に普段の足として使っていただき、変更点は

キャブセッティング変える時間が無かったので'05モデルのキャブを移植。
ハンドル周りステルス製に変更。
マフラーお馴染みトムスチタンマフラーに変更。

それから、だまされたつもりで取り付けた、トムス製、NAG S.E.D. クランクケース内圧コントロールバルブを取り付けた(後でレポートするけど、これがいいんだな〜)。それから、伸びない魔法のチェーン、EKチェーンを取り付けた。これは2日間チェーン調整無しで行けたスグレモノ。 体調は、2DEの準備で疲れきっているのは言うまでもなく(AAGPも一緒)、初日はスピードに目が付いていけず、体も重く、調子は今ひとつなのだが、スクールでいつも言っているようなチェックをしながら走ってみる。 まずは、

  • ハンドルにしがみつかなくても良いポジションに。
  • 頭を低く。
  • ステップで乗る(バイクをステップで倒す)。
  • 深く呼吸をしながら走る。
  • 視線を広く。
  • マエノリティーなどなど。
  • 前後サスペンションでの沈み込みバランスと体の位置。
などなど、チェックしながら走るのだ。
ISDEもそうだけど、1周目は区間タイムの計測のみでテストでの計測がないから、こんなことをしてチェック走行に心掛けた。

ISDEも意識した作戦を考える。

Photo
初日のチームプレストのピット。手前のゼッケン1がKEN2選手、ゼッケン10が裕太郎、そしてその奥ゼッケン7がマサトン。

区間タイムは70分。終わって15分以上の余裕がありピットでガソリンチェックしてみる。すると1周で2リッターしか消費していないことがわかったので、タンクには保険をかけて4リッターとして余分なガソリンを抜いた。
それからラジエターの泥や枯葉を落とし、チェーンオイルを注し、各部ボルトナットチェック。ウイダーを飲んで小休止。

2周目は愈々テスト開始だ。ゼッケン順で1分置きに4台ずつ。No.1が鈴木健二君。No.2が池田智泰。No.3が博田巌。No.4が私だ。
テストは、スタートして5分ぐらいでCT1(クロステスト)。いつもの砂利の駐車場で、タイトターンの連続とハイスピードエリアの組み合わせだ。テストでは鈴木選手を前に出し、その後約10秒でスタートなので、追いかけてペースをつかむ作戦にした。彼も分かっていてくれて、快く前にスタートしてくれる。思ったより離れずに済んでいるようだ。
次に20分位走ってET1(エンデューロテスト)、ここもいつもの山の中にブルで作った林道とウッズの組み合わせで、ミドルレンジのスピードテスト。簡単なようで気を抜くとすぐ転倒してしまいそうなテストだ。そして更に20分走行でET2(エンデューロテスト)だ。昨年までは、アスレチック遊具があった場所で、今は綺麗に取り払っていて良いアタック系の森となっている場所だ。距離は短いがアップダウンが激しくキャンバーもあり、そして1箇所、瞬発力で通過しないとスタックする場所もあり、テクニックと判断力の差で順位に大きく変動をもたらすテストとなったようだ。

初日はやはり体が重い感じはするが、ライディング的にはマシンも軽く感じ、コーナーもスパッと決まっているし調子はいい感じだ。もっといいのはトムスのクランクケース内圧コントロールバルブだ。昨年から06エンジンを使用しており、06エンジン同士の比較としてこのバルブをつけてみたら、250Fが300ccになったような感じ。
中間のトルクが太くなり、今まで2速でヒイヒイ良いながら走っていたコースが、3速で粘りながらトラクションを得て走れるようになったので、ギャップで飛ばされることも無くトラクションを得、コントロールも楽に出来るようになり、とにかく楽ちん。しかも速い。
このパーツはガソリンタンクのワンウエイバルブを大きくした感じのパーツで、クランクケースから出た圧力を外に逃がし、中に戻さないシステムのようだ(詳しくはトムスに聞いてください)。メーカー曰く、エンジンのレスポンスが良くなる、エンジンブレーキも利きにくくなるなど、4St乗りとしては良いことづくしだ。是非お薦めだ。ちなみに昨今のトライアル車には殆ど付いている。
サスペンションも前後のバランスがかなり良く、ここ数年のモデルでは一番のセッティングだ。MXコースのジャンプの多いところでは柔らかすぎるが、ジャンプでハンディーを負ってもそれ以外のエリアで充分すぎるほどカバーできるベストなサスペンションだと思う。

結果、初日は2位。だが順位だけで喜んでいてはいけない。トップの鈴木選手に各テストで平均6秒の差をつけられ、トータルでは1分16秒81差だ。これが6日間のエンデューロだとすれば、1分16秒81×6=7分40秒の大差となるわけだ。

ISDEに向け課題を残した2日目。

夜半から大雨はスタート前には止んだが、コースは最悪のようだ。ここSUGOは粘土質で、路面が硬く雨が降ればツルツルのスケートリンク状態になってしまう。朝早くからスタッフがテスト走行しているが、なかなか帰って来ず、無線でこのルートは使用できないとかカットする場所のやり取りを行っている。どうやらET2はキャンセルのようだ。こう云う判断が出来るのも、毎週開拓に来てコースを知り尽くしているメンバーがいるからこそ出来る業で、言い換えれば我々の努力が実る瞬間でもあるのだ。

レースは一部コースカットになって、タイム設定は変更無し。今日も鈴木KEN2コーチを先に行っていただき、追いかける作戦をとる。今日は昨日と同じテストなので下見の意味でのスルー無しで、CT1からテスト計測が始まる。CT1はKEN2君とスタート時の差とゴール時の間隔がさほど変わっていないのでほぼ同タイムだってことがわかった。いい感じだ。
そしてその後の移動路でKEN2君が転倒するのを確認。

よしっ!!

ではなくて、声を掛けたら大丈夫との返事が返ってきたので、今度は前を走行する。
しかしこの時、彼のマシンはフロントブレーキを失ったようで、移動区間で少しずつ離れていくことになる。お陰で次のET1ではトップを獲ることができた。
そして2周目。1周目が終わってピットでブレーキを直してのガチンコ勝負だったが、今度は私が転倒しマシンの下敷きになってモガイて体力を使いきり、それが更なる転倒に繋がったりと、ET2ではあってはならないミスを繰り返すことになる。体力不足が今後の課題として残った。

そしてファイナルクロス。
ファイナルクロスはC,Lクラスからヒート1、続いてBクラス、続いてAクラス、最終レースが全日本クラスになる。この頃にはコースコンディションもベストコンディションとなり、最高のレースが各クラスで繰り広げられていた。

そして最終レース、全日本クラスのファイナルクロス。これはMX場のみを6周。もちろんMXレースなので、スターティングマシンを使用しての一斉スタートだ。
サイティングラップ(1周の下見走行)が終わってスターティンググリットに付き、15秒前、5秒前のボードが提示され、スターティングマシンが倒れてスタートだ!!
いい感じでスタートが切れたが、1コーナー進入時にエンストしてしまい、セルで再スタートする間に10番手ぐらいまで順位を落としてしまう。大坂を登って下る頃にはKEN2君がトップであることを確認する。これが逆だったら面白いレースになっただろうに、KEN2君の独走は間違いないだろう。
1周目ゴール通過時には5番手ぐらいまで上がり、その周に3番手まで順位を上げられた。その時点でトップはかなり前方で、これから繰り広げられる高橋君とのバトルを遠目で見ることになった。
コーナーごとに抜いたり抜かれたり、ちょっとしたミスで迫ったり離れたり。俺としても久々に楽しいレースだった。結局高橋君が最終周勝負を仕掛けてきて自滅し、私が2位となった。

総合結果

優勝鈴木 健二ヤマハWR450Fチームプレストコーポレーション
2位藤原 広喜ヤマハWR250Fチームプレスト&ミシュラン
3位内山 裕太郎ヤマハWR250Fチームプレストコーポレーション
4位菊池 信行 Husqvama WR250チームMHK120%
5位高橋 正人ヤマハWR250Fチームプレストコーポレーション
6位澤木 千敏 GASGAS EC250チームロッキー
Photo
プレスト1,2,3で表彰台独占、さらにマニファクチャラーズタイトルも1,3位獲得となった。

写真提供:ビッグタンクマガジン

藤原広喜プロフィール

1962年1月29日生まれ
岩手県一関市出身。'78 高校1年の時にミニエンデューロに初出場で初優勝!トライアルでジュニアに昇格/'82 にモトクロスデビュー/'83 全日本で2回優勝しノービスクラス東北チャンピオン/'84 全日本で2回優勝しジュニアクラス東北チャンピオン/'85〜'90 5年間で国際B級として東北チャンピオンを3回獲得。この間出身地に近い藤沢スポーツランド設立に協力/'91 国際A級昇格。エンデューロに初参加し「日高2Day'sエンデューロ」3位入賞/'93年からヤマハと契約し「日高2Day'sエンデューロ」で優勝。USA BAJA1000に出場するも残念ながらケガの為リタイヤ。しかしロサンゼルスで楽しい入院生活を送る。他にもエンデューロスクール、マーシャル、デモンストレーション等で活躍しながら、ヤマハ発動機販売(株)の普及活動、ライディングスクール藤沢スポーツランドの運営に協力/'95 「ISDE(インターナショナル6Day'sエンデューロ)ポーランド大会」に初出場し175クラス95位で完走/'96 「ISDEフィンランド大会」に出場し昨年同様日本人2名完走、125クラス46位でシルバーメダルを獲得。またアメリカ・ネバダ州で開催された「ペガスTOリノ」では5位入賞を果たす。/'97年、「ISDEイタリア大会」に出場し、125クラス86位でシルバーメダルを獲得/'98 WR400Fの普及の為、(株)プレストコーポレーション及びヤマハとライダー契約を結ぶ/'00 「ISDEスペイン大会」に出場、175クラス65位でシルバーメダルを獲得/'01からはWR250Fの普及の為(株)プレストコーポレーションと契約。またスポーツランドSUGOのオフロード部門に社員として在籍しSUGO 2Day's ENDURO などの運営に携わる/'06 初の日本代表チームとして「ISDEニュージランド大会」に出場、22カ国中15位、個人としてE1クラスで63位シルバーメダルを獲得