ホームプレまぐ! > 藤原広喜のエンデューロ参戦記
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今回で20回目を数えるこの大会。20年目ということになる。流石に20年目ともなると、運営がしっかりしていて、SUGO 2 DAYSの様に、1人であたふたするような場面も無く、担当別にしっかり仕事が行われていた。SUGO 2 DAYSも2年経過し、良くはなっているが、見習わなければならないところばかりの、木古内。参加メンバーも、半数はSUGO 2 DAYSと同じライダーが参加しており、遠く九州から地元北海道まで、202名の兵どもの

"全日本"なのである。

私はと言うと、初回はランツァで、以後WR400、YZ125、その後WR250Fで、4回。今回は通算7回目の出場になり、この中で4回は優勝できたはずなのに、運に見放され、崖落ちや、水没、ありえないマシントラブルや、極めつけは、ナンバーを落としてのペナルティー……
今年こそはと意気込むが……
ここ何年かは金曜日の受付車検時は、雨が多かったが、今回は、からり晴天で、函館からも、初めて駒ケ岳を遠くから眺めることが出来た。

あ〜、なんかいい感じ!!

と、木古内に入るのでありました。レース中も晴天が続けばいいな〜などと思いつつ4時からのピットオープンに合わせ、ピットにテント設営。その後、木古内役場で受付を済ませ、いざ車検。 Photo 昨年はナンバープレートを落っことしたので、特に今年のマシン整備は完璧なのだが。

木古内の車検は問答無用でキビシイ

ので、緊張するのである。車検返しに遇うライダー数知れず。何とか私は一発で車検合格(当たり前なんだけどね)また、ここの受付車検は、夕方4時から8時までとライダー思いの時間設定になっており、とてもありがたい。
スタッフの皆さん、ご苦労様。ありがとう!!
そして民宿へGO!民宿のおばちゃんの地元手料理に舌鼓を打ち早めに就寝。

レース初日

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8時半からの開会式。そして恒例の選手宣誓、面白い九州男塾の交通安全宣言を終え選手紹介、町内‾ピットまでのパレードへ。 毎回パレードでは地元の方々が歩道に出て手を振り歓迎していただくので、感激するのだが、今年は天気が良いこともあって、今まで以上に大勢の皆さんが道路脇に繰り出し、大大大歓迎を受け、定着ぶりと言うのか、20年の深い歴史を感じさせられる。
こんな風にSUGO 2 DAYSもなりたいものだと、とにかく強く思う。
パレードが終わり、小休止後、ライダーズミーティングがあり、愈々レースが始まる。今日も晴天だ。ハイスピード展開が予想される。連続優勝している渋谷君も今年から250Fに乗っているので、同じクラスでの勝負だ!!
11時から5人づつ1分おきのスタート。今までの実績順にゼッケンが振り分けられているので、実質、優勝候補が1組目のスタートとなる。初日から熱いバトルが予想される。11時。愈々スタート。昨年はセルボタンを間違え、しくじったが、今回は完璧にスタート!!気温は25度ぐらい。このくらいの気温では、チョークもいらず、セル半回転で、キュルッとエンジンに火が入る。

うぅ〜ん。楽ちん!!

今年もまたホールショットで第1コーナーをクリアしちゃった。 Photo 河原のストレートへ向かう。いつもはここでパワーの差から、2St250に抜かれるのだが、踏ん張りMXエリアへ。渋谷君を先に行かせ、ぴったりマークして、1周目のマッチレースが始まった。後ろはもういない。相手は連破中の渋谷君だ。
林道では石がものすごい勢いで飛んでくるので少し間隔を空け、獣道でピッタリ後ろに付く。川に出ても水がかからないように、少し間隔を空け、ミスをしたら抜く。なかなか自分のペースがつかめないときは、速いライダーを前に行かせ、後ろをついて行き、ペースやリズムをつかんで行くのも作戦のひとつだ。
また、1周流して走り、体力温存で2周目にチャージするのもいいだろう。
相手が疲れた頃に抜くのも、精神的ダメージを与えるにも有効な手段だ。
ここ木古内は、少し気を緩ませたり、疲れてくると、1周5分以上のタイム差が出るので、初日の2周目、2日目の3周〜最終周にチャージをするのが、私の恒例になっている。
1周目が終了して、30秒程遅れて2位でゴール。5分間のピットタイムで給油と、わたしのエナジー補給を済ませる。2周目も1分間隔でのスタートで、渋谷君より1分遅れで私のスタートとなった。初日は2周のレースなので、この周、渋谷君を抜けば、私の初日優勝となる計算が成り立つ。チャージだ!!2周目ともなると、河原の石ころだらけのところにも、ラインが出来、また、コースが分かる為、走りやすくなっている。1分後のスタートだったが走っているうちに、渋谷君の巻き上げた埃が見えてきて、いいペースで走っていることが分かる。いい感じなのである。山の中に入ると、ゼッケン1が見えてきた。この日一番の難所で、追い付き、ラインの最短距離を狙って、抜き去る。計画どおりだ。完璧!!それからは渋谷君が僕をピッタリマークしながらランデブー走行。
ゴールに真っ先に私が飛び込み初日優勝だ!!後ろを振り向くと渋谷君が最終コーナーの河原で転倒、再発進していた。
ゴール後マシンプールされるので、各部眺めながら、明日の整備を何にしようか考えてみる。リヤタイヤの交換と、各部チェック。それとリアサスがいまいちセッティングが出ていなかったので、その変更かな。
渋谷君との会話の中では、彼は、面白い、面白かったを連発していた。この話を聞いて私は少し焦りを覚えたのかもしれない。まずは、飯を食べて体を休めよう。今日のお昼は、プレスト特製うどん!!小室汁とか加倉井汁とか、まずそうなことを言っていたが、とても"うめ〜"具沢山うどんだった。

"うめ〜"

明日は、グランパカレーらしい。
その後、ISDEミーティングを行い、宿へ帰り、お寿司を食べて、パーティー会場へ向かった。 Photoここ木古内は、町をあげて、ジンギスカンを振舞ってくれる。さらにホタテ。更に生ビールや、飲料も飲み放題!!最高!!恒例のよさこい、炎の舞を踊ってくれた。とんでもない飛び入りも恒例だが、やりすぎの感があり、これ以上エスカレートしないことを祈ろう。
楽しい1日が終わり、温泉に行って、十勝おはぎを食べて就寝。北海道へ来たら十勝おはぎ!!おはぎパワーで明日も頑張るぞ〜‾!!

食後のデザート"十勝おはぎ"!!通称 オハギング

レース2日目

2日目は初日の順位が、そのまま5台づつのスタート順になる。
朝6時のピットオープンに合わせ会場入りする。6時半から7時までの30分間が整備時間だ。タイヤ交換と、リヤサスの調整をし、各部チェック。特に問題は無く、ラジエターにつまった、泥や葉っぱを取り除く。ラジエターの詰まりをなくすのがポイントだ。ハイスピードレースでよくあるのが、ラジエターの前に、草や葉が詰まり、オーバーヒートの原因になるからだ。ISDEなどで、ドライコンディションなのに焼き付きをよく目にするが、原因はこれだ。 Photo 整備時間が終わると、5分間の暖機運転時間が設けられ、その後マシンプールで、ライダーズミーティング。8時に我々1組目のスタートとなる。私、渋谷、博田、内山、吉田の5名。
選手紹介されながら、8時の時報とともにスタートフラックが,振り下ろされスタート!!今回もキュルッとエンジンが簡単に始動し、

"おりゃー"とダッシュ

のはずが、ホイールとタイヤがキュルキュル回転し進まない。ムースタイヤだったのでビードストッパーを入れていないのが原因なのだが、こんなの初めてだった。だぶん、タイヤの中に水が入ったので、オイルと水で、ニュルニュルし、空転したのだと思う。アクセルを戻したり、開けたりし、なじませるとともに、熱で水分を飛ばしてしまえ!!何とか,だまし だまし、土手へ登ったあたりで、空転が治まった。それでも3番目のスタートが出来た。 Photo トップ渋谷、2位博田選手だ。厄介な選手が前に出てしまったようだ。それでも、MXコースで博田君をパスし林道では渋谷君の後ろに付くことが出来た。後ろからの様子では、渋谷君はかなり乗れているように見受けられる。チェックポイントで素早くチェックを受けた私がトップになるも、すぐ後ろに渋谷君。後ろはかなり離れたらしく、

今日も2人のバトルとなるのか??

そういう予定であったが、私はというと、なぜか焦りが出て、アクセルがラフになる。ラフになると右へ左へ振られ始める。益々焦る。悪循環でリズムを崩して行く。コーナーも上手く曲がれず、益々力が入ってしまう。こいれではまずいので、渋谷君を前に出し、後ろに付き、付いていって一呼吸としよう。後ろに付くと、そんなに頑張らなくても、付いていける。この感じで行けばいいのに、ますます分からなくなってしまった。それからは、なにか考えつづけて走ってしまい、集中力が欠けた走りになってしまったようだ。考え事をしているもんだから、対応が遅れ、コースアウトが多くなり、少しずつ離れて行く。

益々焦る。悩む。考える。

最悪のパターンだ。何とか冷静に自分を落着かせ走るも、リズムは取り戻せず、ポカミス連発。ビギナーのような転倒を繰り返す。1周終わって17秒の差で2周目に突入。2周目のスタートは何とか渋谷君と同時スタートで1周目と同じパターンで中間チェックで抜き、途中抜かれ後ろをつく。そして運命の3周目、1分差で1分遅れのスタート。 Photo

愈々アタック開始!!

なのだが、スタートしてすぐゴーグルのロールオフが切れ、コンタクト使用の私にとっては、決定的なトラブルだ。ゴーグルを外したらコンタクトに泥が入り見えなくなるのだ。何とか手でこすりながら中間チェックまで辿り着き、ウエストバックの予備ゴーグルに交換する。そこまでの間、ペースが落ちるとともに、どーでもないところで転倒を繰り返し、体力が消耗している。はぁ〜
新しいゴーグルは良く見えて、世の中全てが綺麗に見えた。木古内って美しいな〜。という思いもつかの間、このゴーグルのロールオフも上手く巻けない。

はぁ〜

ゴーグルは完璧なはずだったのにな〜。
今回はこれまでなのか??こん畜生!!
上手く走れないし、ゴーグルは壊れるし、だんだん腹が立ってきた。走りながら、山の中で"うお〜‾!!"っと叫んだぐらいだ。
熊もびっくりしただろうに。
最後の川に差し掛かる前でゴーグルを外し、目に泥や水が入らない様に走り3周目ゴール。ゴールするとき既に渋谷君は最終周のスターと待ちをしていたこっちを見ていた。3分の遅れらしい。ピットで、うちの奥さんや、プレスト応援団、仲間たちに励まされ、最終周へ入る。応援団の為にもあきらめてはいけないのだ。何とか踏ん張り、コースアウトを繰り返すも、今回一番の走りで最終周を走り終えた。少し差が詰まったらしいがそれまで。
渋谷君に完敗だ。今まで数年は、優勝のチャンスはあったが、今回は無かった。脱帽だ。
今回は、と言うより今年はなぜか、精神的に焦りが出ているみたいで、何とかしたいものです。仕事に追われ、疲れきって家に帰るとトレーニングどころじゃないし、休みもまともに取れないし…・あ〜…
まっ、そんな事を言っていたのでは何も解決しないので、時間を上手く使い、トレーニングや練習をしなければと、思う今日であります。 Photo 次回は見ていろよ!!フジワラ完全復活!!
これでも、総合2位ってスバラシイなどと自分をなぐさめておりやす。とほほ。

次回は8月ベガ月山とシリーズのエルニド。なんとかせねば。
マシンは完璧なんだけどね、人間のセッティングを変えて望もう!!

藤原広喜プロフィール

1962年1月29日生まれ
岩手県一関市出身。'78 高校1年の時にミニエンデューロに初出場で初優勝!トライアルでジュニアに昇格/'82 にモトクロスデビュー/'83 全日本で2回優勝しノービスクラス東北チャンピオン/'84 全日本で2回優勝しジュニアクラス東北チャンピオン/'85〜'90 5年間で国際B級として東北チャンピオンを3回獲得。この間出身地に近い藤沢スポーツランド設立に協力/'91 国際A級昇格。エンデューロに初参加し「日高2Day'sエンデューロ」3位入賞/'93年からヤマハと契約し「日高2Day'sエンデューロ」で優勝。USA BAJA1000に出場するも残念ながらケガの為リタイヤ。しかしロサンゼルスで楽しい入院生活を送る。他にもエンデューロスクール、マーシャル、デモンストレーション等で活躍しながら、ヤマハ発動機販売(株)の普及活動、ライディングスクール藤沢スポーツランドの運営に協力/'95 「ISDE(インターナショナル6Day'sエンデューロ)ポーランド大会」に初出場し175クラス95位で完走/'96 「ISDEフィンランド大会」に出場し昨年同様日本人2名完走、125クラス46位でシルバーメダルを獲得。またアメリカ・ネバダ州で開催された「ペガスTOリノ」では5位入賞を果たす。/'97年、「ISDEイタリア大会」に出場し、125クラス86位でシルバーメダルを獲得/'98 WR400Fの普及の為、(株)プレストコーポレーション及びヤマハとライダー契約を結ぶ/'00 「ISDEスペイン大会」に出場、175クラス65位でシルバーメダルを獲得/'01からはWR250Fの普及の為(株)プレストコーポレーションと契約。またスポーツランドSUGOのオフロード部門に社員として在籍しSUGO 2Day's ENDURO などの運営に携わる/'06 初の日本代表チームとして「ISDEニュージランド大会」に出場、22カ国中15位、個人としてE1クラスで63位シルバーメダルを獲得