ホームプレまぐ! > 藤原広喜のエンデューロ参戦記
SUGOのレースから半月、フロントフォークの油面調整。チタンマフラー取り付け。バッテリーの小型化。前後サスペンションのセッティング変更など、マシンのセットアップを試みた。とは言っても、今回のコース、事前走行出来ないので、結局ぶっつけ本番となる。まぁ〜エンデューロは事前走行出来ないのが鉄則で、本番のレースの中で、どう対処するかがエンデューロでもあるので、走りながら、どーすっかなー?などと考えるのも、楽しみのひとつであったりする。
pic
さて、今回のレース。昨年は仕事の疲れと、疲れから来ている(今思うと)焦りから、散々な目にあったが(昨年のレポート参照、クラッシュ!顔面流血!頬から水がピュー等)
今回は、しっかり休暇を取り(とは言っても前日のみ)、なんか行けそうな気分である。
今回も全国からスルドイメンバーが終結!中でもMXヤマハファクトリーチームの鈴木健二監督がWR450Fのテストを兼ねてやって来た。ん〜〜優勝は彼で決まり!2位狙いかな?石井さんもここ定義は速いしな〜などと、ぶつぶつ言いながら受付、車検を済ませる。その後、スタートまで時間があったので、プレストミーティング、北海道は高橋君、静岡から内山君、鈴木監督も交えて、‘03WRは10リットルタンクなので2時間は持つとか、持たないとか・・・結局1日200分のレースの半分の100分で給油することで落ち着いた。ワンストップ作戦である。他のモトクロッサーはツーストップしなければならないのだ。ほとんど雑談でミーティングは終わってしまった。結局みんな、ライバルなのである。良きライバル。

そしてレース

とにかく暑い!スタート前チェックを受けて、スタートラインで待っているのだが、暑くて汗が流れてくる。北海道から来た面々はもう既に、ダウン寸前だ!
突然の暑さには参ったが、夏の暑い時のレースが好きな俺としては、今年はラッキー!いい感じで、やる気満々である。スタート位置も、良い場所に取れるし、いつも1周目は様子見での走行なのだが、ホコリも予想されるし、自分のコンディションもいい感じなので、スタートから飛ばしてみよう。作戦は決まり、迷いも無く、ホント今回はいい感じである。
pic
3分前、30秒前、15秒前、そして主催者の渡辺さんの日章旗が振り下ろされ、いよいよレースが始まった!予定通り、ホールショット!クリアなコースを走るって気持ちいいー!
そしてA地点到達。ここは朝の、ライダーズミーティングで右と左に分かれていて、どちらかが渋滞した時の迂回路ですとの事。とりあえず左を行ってみる。後ろに付いていた鈴木監督は右へ、合流地点が見えた頃、監督の後姿も見えた。“全然遅せーじゃん”“遠回りじゃん”一気に追い越され、離されてしまった。今回のコースは今までと違って、かなり入り組んだレイアウトになっている。しかしセコクなく、ハイスピード、大胆、テクニカルなコースは変わらず、面白いレイアウトになっており、毎年出場しているラーダーもビックリするほど、変化に富んでいた。その変化にまんまと引っかかったのが、この私・・・。今までのつもりで走っていると、右へ右へと曲がり、山の中へ。ここでオーバーラン、テープギリギリに曲がって復帰。そんなことを何度か繰り返しているうちに、1人〜2人。2人〜3人と、どんどん抜かれて行き、結局8位ぐらいまで下がってしまった。ラインを見つける間も無く、1周目終了!腕もパンパンになってきてるし、2周目はペースを少し落としながら、走ってみよう。
pic
そんなことを、思っているうちに、内山君が止まっている。そして唯一のハマリセクションでトップ集団が見えてしまった。(見えてしまったのだ。見えなければもう少しマイペースで走れたのに)少し抑えていたペースも、前が見えると、本能が先走り、“”抜くぞ“” 戦闘モードにスイッチオン!!この2周目で、8位から4位までポジションアップ!!調子が良い。
そのままの勢いで走っていると3位の高橋君も視界に入ってきて、撃墜!!しかしトップの2人、監督と石井さんとは既に5分の差をつけられてしまっている。中盤2〜3分差まで迫ったらしいが、僕の方がエネルギー切れで、この日はトップ鈴木監督と6分差、2位石井さんと5分差を付けられ、結局同一周回の3位となった。日本一疲れるコースである。レース後1時間は何も出来ずに呆然としていた。
そして整備。エアクリーナー交換。リアタイヤ交換。そしてサスペンションの主にリバウンドを柔らかめに調整。マフラーをトムスチタンに変えたのが原因か、暑さなのかガスが濃くて 回転が上がらなかった為、メインジェットを#172から#170に変更した。
pic

初日が終わって

とにかく疲れた。いつも思うのだが、本当に疲れるコースなのだ。走っていても握力が無くなり、アクセルを全開にしても、戻ってしまう。まるで夢の様だ。昔モトクロスやってた頃、よく見た夢だが、レース中アクセルを開けようとしても、アクセルが、にゅる にゅる滑って開けられない。そしてスローモーション!それが現実となった様な感じで、どーしようもなく・・・握らず指の第一関節から先だけで、ひねってみたり、逆手で開けてみたり、もう大変!!でした。普段手に豆なんか出来ないのに、ワンサカ出来たり。ほんと体に効くコースです。ジャブ、ジャブ、ボディーブローの繰り返し、時間とともに効いてくる。時々、木にストレートパンチ喰らったりしてね。
手に豆が出来るって言うより、左の手の平なんか、半分は豆が潰れて、ズル剥け状態。痛てーなんてもんじゃないんです。気絶もんですよ、これは。 気絶!!
薬局で、テーピングやらワセリンやら買いあさって、明日に備えよーっと。

2日目

筋肉痛でロボット化した動きを笑われながら、ストレッチ代わりにパドックを歩き廻りる。今日のコースは、昨日と違ってどーの、こーのと想像の世界の話に花を咲かせる。
今日も暑い!
pic

レーススタート

今日もホールショットを取ってしまった。筋肉痛も走れば解れて快適である。心配なのは、皮ズル剥けの手の痛みと、握力である。
今日のコースは、よくぞ一晩でここまで変えた!廻りは(進行方向)同じで、超マジックを見ている様な、さすがHIRO RACING!ハンドパワーです。Mrマリックでも来ているんじゃねーか??しかも今日のコースは、自然そのまま、草を刈ったりしていない、ワイルドなコースが取り入れられ、おかげで私も、迷ってしまったり・・・結局1周目は、いつも通り5〜6位で通過である。
今回の鬼門は、唯一のスタック場所、谷地地獄である。幅と奥行きは100メートル。広いエリアだ。
良いラインには2メートルの堀を飛び越えなければならないし、それを避けるとスタックの可能性が高く・・・ 私も2日目に2周目までは、堀の飛び越えは避けていたが、ついにスタックしてしまったので、次の周から飛び越えることになる。これがまた、飛び越えラインの速いこと、今まで俺は何をしていたんだと言う位、簡単で、ラインも乾いており、初めからこのラインにしておけば、トップ争いに絡めたかも、などと思ってしまう。あまりにも安全策で行き過ぎた今大会である。そしてまた握力がなくなり・・・・・・200分経過。あと数十秒でもう1周行けたのだが、ペースを上げられずに、チェッカーとなり、2日目は、トップと同一周回とはならなかった。

2日間総合結果

優勝  鈴木 健二  YAMAHA WR450F
2位  石井 正美  GASGAS EC250
3位  藤原 広喜  YAMAHA WR250F
4位  松井 千敏  HONDA CRF450
5位  高橋 正人  YAMAHA WR250F
9位  内山 裕太郎 YAMAHA WR250F
pic

レースが終わって

日本一疲れるレース。今年も終了。ここで乗り込めば、世界に通用する選手が生まれるのではないか、そんなことを思わせる、レース、コースだった。主催者であるHIRO RACING渡辺さんはじめスタッフの皆さん、完璧なイベントありがとうございました。
しかしここのレースは本当に疲れる。トップライダーが口をそろえて言うのだから、本当に本当なのだ。と言うことは、どういう事かと言うと、マシンセッティングが、ほかのコースより必要になってくる、と言うこと。
ちなみにこのレースのセッティングは↓

サスペンション
硬い路面が多いので、柔らかめに振る。しかしハイスピードギャップが多いので、圧側は絞る。(前後同様)
エンジン
登りやストレートが多いので、エンジンがよく回る様にキャブセッティングを調整する。特に今回のように、寒い時期から突然暑くなったりすると、冬のセッティングでは濃過ぎ、かぶったり、エンジンがよく回らない症状が出てくる。私も2日目は一つメインジェットを絞った。もう一つ絞ったら、ベストだったかも。

以上のことが言えます。皆さんも気をつけてみてくださいね。
それと、今回のようにウッズが多いところは、しっかりバークバスター、ハドルガードを付けましょう。私は、へら状の泥除けガードだったので、何度も指を木とハンドルに挟まり、潰されたことか・・・その都度、“潰れた〜!”も・う・お・じ・ま・い・だ・〜!“ユ・ビ・が・も・げ・る〜”(もげる=とれる)などと思ったことか。次回は重くなってもガードを取り付けようかな。
pic

'03 WR250Fについて

今回の仕様
・ハンドル    ランディー HI
・マフラー    トムスチタン
・リヤフェンダー YZ用
・バッテリー   スクーター用(大きさ2分の1)重さ?後日

サスペンション

フロント
前回のレポートで油面調整しなければと言っていたが、やはり少し多かったようです。(10ミリ程度)しかし突っ張り感は直らなかった。モトクロス的にコーナーを攻めるには、少し辛い所はあるが、アップダウンやストレート的な場面が多いエンデューロや林道などでは、逆にこの突っ張り感が安心感を与える。メーカーはこれを狙った、突っ張り感のあるサスペンションを造った様だ。
リア
チタンマフラーを取り付け、ノーマルより2Kg軽くなったことで、高速ギャップなど、問題なく走れた。ノーマルマフラーで今回の様なコースを走るには、体重とスピードにあわせ、スプリングを強く(締めるのではなく。交換)するのをお勧めします。オープンエンデューロやツーリングでは問題なし。足を着きやすくベストと思います。

エンジン、キャブ

文句の付けようが無いのだが、トムスにチタンに変更した為か、気温のせいか、セッティングが濃く出て、2日目はメインジェットを変更した。(本文参照)
エンストした場合ですが、ホッとスタータを使用した方が、かかりは良い様です。エアクリーナーを交換してすぐの時も、ホッとスタータを使用すれば、オイルを塗り過ぎても、簡単にかかります。

バッテリー

色々探せば出てくるもので、とりあえず半分の大きさのものを、今回取り付けてみました。スクーター用で簡単に手に入ります。標準仕様のバッテリーは、一般ユーザーが街乗りやツーリングなどで、普通のバイクと同じ使い方でも大丈夫!そこまで考えて付いているのです。レースにはそこまで必要ないとすれば、小さく軽いタイプを探すのも良いでしょう。ラジコン用のものもあるらしいので、そのうちトライしてみようかな。軽量化は基本なのです。

全体

個人的には、フロントのツッパリ感と、リアの柔らかさが気になります。リアの圧側は最強にまでなってしまったので、YZの物で、そのうちテストしたいと思います。とは言ってもこれは、バリバリのレースを考えればの話で、林道ツーリングやアタック系の走りは、ノーマルで、なんの問題もなく、文句の付けようがないマシンに仕上がっています。突き詰めれば個々出て来るが、レポートのしようが無いくらい完璧なマシンです。個人的にはサスペンションのセッティング変更かな?次回木古内までは何とかしようと思っております。
pic

藤原広喜プロフィール

1962年1月29日生まれ
岩手県一関市出身。'78 高校1年の時にミニエンデューロに初出場で初優勝!トライアルでジュニアに昇格/'82 にモトクロスデビュー/'83 全日本で2回優勝しノービスクラス東北チャンピオン/'84 全日本で2回優勝しジュニアクラス東北チャンピオン/'85〜'90 5年間で国際B級として東北チャンピオンを3回獲得。この間出身地に近い藤沢スポーツランド設立に協力/'91 国際A級昇格。エンデューロに初参加し「日高2Day'sエンデューロ」3位入賞/'93年からヤマハと契約し「日高2Day'sエンデューロ」で優勝。USA BAJA1000に出場するも残念ながらケガの為リタイヤ。しかしロサンゼルスで楽しい入院生活を送る。他にもエンデューロスクール、マーシャル、デモンストレーション等で活躍しながら、ヤマハ発動機販売(株)の普及活動、ライディングスクール藤沢スポーツランドの運営に協力/'95 「ISDE(インターナショナル6Day'sエンデューロ)ポーランド大会」に初出場し175クラス95位で完走/'96 「ISDEフィンランド大会」に出場し昨年同様日本人2名完走、125クラス46位でシルバーメダルを獲得。またアメリカ・ネバダ州で開催された「ペガスTOリノ」では5位入賞を果たす。/'97年、「ISDEイタリア大会」に出場し、125クラス86位でシルバーメダルを獲得/'98 WR400Fの普及の為、(株)プレストコーポレーション及びヤマハとライダー契約を結ぶ/'00 「ISDEスペイン大会」に出場、175クラス65位でシルバーメダルを獲得/'01からはWR250Fの普及の為(株)プレストコーポレーションと契約。またスポーツランドSUGOのオフロード部門に社員として在籍しSUGO 2Day's ENDURO などの運営に携わる/'06 初の日本代表チームとして「ISDEニュージランド大会」に出場、22カ国中15位、個人としてE1クラスで63位シルバーメダルを獲得