ホームプレまぐ! > 藤原広喜のエンデューロ参戦記
前月の定義では散々な目にあって、反省点もいっぱいあって、怪我もして、あれから1ヶ月半が過ぎ、3針縫った頬は傷跡を残しながらも治ったが股関節はまだ痛みがあり、雨が降って泥泥のコンディションではやや不安が残る。梅雨の無い北海道での大会だが、天気予報が気になるところだ。
 定義での反省を踏まえ、早目の準備としっかり疲れを取る為に木曜日に移動開始!仙台から青森まで曇り・所々雨が降って怪しい雰囲気である。青森—函館のフェリーは大揺れで、波に船体がドッカーン!ドッカーン!ダイナマイトでも爆発したかのようなもの凄いショックと音で、目の下にクマが出るほど疲れた。雨と霧の函館に着き大沼公園の温泉宿へ直行!見えるはずの駒ケ岳もまったく見えず、トホホ。天気予報は明日も雨。明日は車検、受付。やっぱり雨はやだなー。それよりコースはどーなってんだろう?まっ、明日は、いろんな仲間たちと会えるので楽しみ楽しみ。(昨年同様仮エントリーで半数がふるい落とされ213名が受理され参加となっている)今回はチームエントリーもしているので作戦会議でもするか。

6月21日(金)雨

 受付、車検の日で、チームのメンバーも木古内に集合だ。いつもの宿に雨具を買いあさり、到着。運の良いことに大きな倉庫を借りることが出来(チーム員が既に借りていた)軽く整備をして車検に備える。
 ここ木古内のレースはいわゆるオープンエンデュ—ロで、一般公道仕様、保安部品が付いて動かないと走れない。いつもは保安部品を外してほかのエンデューロに出場しているライダーは緊張する一瞬である。整備してチェックして車検に持って行くと動かないことが多々あったりする。結構落ちているのを見かける。もちろん修理し再車検で合格させるのだが。
 WR250Fの保安部品のキットは年々信頼性が増してきており、安心できる。私の場合は念のため、ホーンをACホーンに変えている。(狭いスペースに無理やり付けられる。つぶれて音が出なくなることがない)それとリアウインカーを小さいタイプに変えている以外変更していない。変更していないと言うより、する必要がない。
 合格後マシンプールとなり、明日のスタートまで触れないのである。そして夜は宿で豪華な料理で(地元では当たり前の料理らしい)・・・ 幸せだー

6月22日(土)朝まで雨のち曇り

レース初日
開会式は町のど真ん中の木古内町役場で行われる。開会式典前に雨も上がり、ほっと一安心である。選手宣誓は前年度優勝者が宣誓する。今年は渋谷君だ。
 今度は僕が・・・と思っているのだが・・・。
 式典後、会場まで交通安全パレードが参加者全員で行われる。約20km白バイ先導でパレードだ。町内の皆さんが手を振って歓迎、応援してくれる。どんどん山の中へ入っていくのだが、一軒一軒家の前に出て、子供からおじいちゃん、おばあちゃん、みんなで手を振って歓迎してくれる。他の大会ではどうなのだろう?そういった意味に於いて日本一地域に浸透しているイベントと思う。これに感動するライダーも多く

“俺はもうこのパレードで充分だ。感動した。走んなくていい”

 そう言うライダーもいるほどだ。それほど歓迎してくれる大会である。今年で18年、18回を数える。20年を一区切りに、なんて噂もあるが、ずっと続けて欲しい大会である。日本一の大会なのだから。
 会場に到着後、ライダーズミーティングでルールやコースの説明が有り。雨でコースカットとの予想に反して一部のコースカットのみで、ほぼフルコース1周約60kmの2周が初日のレースとなった。
 スタートは1分間隔でゼッケン順に5台づつの、キックスタート。(フラッグの合図でエンジンをかけスタートとなる)1列目のスタートは過去5年間の実績順上位5名(渋谷、私、池田、宮下、三橋)つわものぞろいである。渋谷君、三橋君は先行逃げ切り型なので、あわてず、徐々にペースを上げ、2日目の3〜4周目勝負の作戦で行くことにする。昨年はその勝負する周に崖下転落をしてしまったので・・・気をつけよーっと。
pic いよいよスタート!
2人が逃げ、僕が追う形で予定通りなのだが、自分の走りが予想外に全然まともに走れず、林道なんて、お話にならないくらいスピードも乗らない。1分遅れでスタートした高橋君や博田君にも追いつかれてしまう有様だ。高橋君と池田君を前に出し、ペースメーカーとし、追いながら、徐々に自分の走り、リズムを取り戻しつつ博田君と抜きつ抜かれつ1周目終了。しかしトップと2分半も開いてしまった。イカンイカン。でもいいペースになりつつあるので、2周目はちょっと頑張ろう。 5分のピットタイムをはさみ、2周目はしぶとい博田君と同時スタートだ。この間、池田君はフロントブレーキトラブルで遅れてスタート。
時間が立つにつれ、結構いいペースで走れるようになってきた。林道やウッズなどで博田君を突き放し、川で転倒したりミスコースなどで追いつかれの繰り返し、結構面白かった。結局10秒負けたのだが、満足する走りができたので、充実充実!三橋君はクラッチトラブルで順位を下げた。

初日終了して1位渋谷2位高橋3位博田4位藤原トップとの差は2分6秒、明日は4周十分逆転できるタイム差である。いつも2日目は調子良いので行けそうな感触である。

そして毎年恒例、ウエルカムパーティー!おー!
ジンギスカンと海の幸てんこ盛りのパーティーだ。ビールも飲み放題!太鼓に、よさこい、我々のトークショー?しかし楽しみであったよさこいは、札幌で大会があって、今回登場せず。みんながっかりだ。でも地元大物演歌歌手登場でいつもの様に盛り上がっていた。♪大ちゃん音頭で♪スッチャカチャン♪大物歌手?
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6月23日(日)朝方雨のち曇り一時大雨?

レース2日目
初日の順位で1分おき5台ずつスタート。朝のミーティングで3周と発表があり、勝負を1周早く仕掛けなければならない。今日は渋谷君と一騎打ちだ!そしてスタート!
 一発でエンジンがかかり、ホールショットで1コーナーを抜け、川のストレートへ、パワーの差で抜かれはしたものの、ここからバトルが始まる。バトルといってもぴったり後ろについて走る、いやらしい心理作戦だ。ここで渋谷君の早い部分と、遅い部分が良く見え、仕掛けるところ決定!途中チェックポイントでゴーグルを変え、一呼吸置いて追従。 2周目、ゴーグルのロールオフの引っ張る紐が切れ、大変な目に合いながらもフィルムを手で引っ張りピロピロピロー、ヒラヒラーと、キラキラフィルムを流しながら、何とか中間チェックポイントへたどり着き。カードチェックの間に交換(ウエストバックにゴーグルを入れているんだよー。コンタクトなので外せません)!
 そして、いよいよ勝負の3周目スタート!渋谷君のミスに付け込み、思いっきり逃げる逃げる!かなりいいペースで、だれも追いついてこれない自信があった。とにかくブッチギッタ!途中スタックしていたライダー(渋谷君のチームメイト)は“藤原さんが行ってから5分は誰も来なかったし、渋谷君もそこでスタックしていたから、今回は藤原さんが勝ったんだなーと思った”と言っていたほど、本当に気持ち良いほど乗れてブッチギッタ。来年の選手宣誓の中身を考えながら走行。それ程乗れていた。
 が・・・全18ポイント中(コース内に18箇所あるチェック地点)あと3ポイントでゴール付近でガスが薄い状態になり、シュパパパパンパンとオーバーヒートでも起こしたかの様な症状になった。ペースを落としながら、様子を見ながら走行する。ウッズに入りコーナーでエンスト転倒!なかなかかからず、ラジエターをチェックしたりガソリンタンク開けてみたり、原因見当たらず。100回キックで何とか始動した。かなり時間を要した(いつもは1〜2回のキックで始動する)でも、キャブの中に入ったガソリン1個分だけ走り(後でわかったことだが)林道に出たところで完全にエンジンストップ。万事休す!終わった。終わった。諦めた。 きっとエンジン、バルブか軽い焼きつきだろうと思った。少し間をおいてキックするもかからず。気を取り直し、キャブに水でも入ったのかなと思い、キャブ下部のドレンを開けてみると水どころか、ガソリンが流れてこない!これだ、これだ!
 原因を探り、タンクキャップのホースを外したらガソリンが流れてきた。エアーが入るホースが泥で詰まっていたのだ。“よっしゃー!”ドレンを閉めている途中、渋谷君が駆け抜けて行くのを手を振って見送った。悔しい瞬間だ(前のエンストもこれが原因。あの時分かっていれば・・・)。
 残りもうわずか、優勝は逃してしまった。でもこの日2番目でゴールできた。昨日は4位。前の選手とのタイム差が気になるところだ。悔しいけど、あきらめないってスバラシイとあらためて思った。
 昨年も勝てるところで崖下へ、今年はホース詰まりか・・・勝ってムズカシイナ。
 チーム対抗戦は高野先生が初日リタイヤとなったが、内山君の頑張りで5位入賞だ。

結果総合4位(2位と19秒差)
 クラス2位。トップは高橋君(13秒差)WR250Fワンツーフィニッシュである。これは満足満足!
 内山君もクラス優勝!チームプレストとしては完璧なレースとなった。
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WR250F今回の仕様とレースインプレッション

今回の仕様はマフラーがトムスチタンコンポジットマフラーを使用。長距離なので軽量化を計り、体の疲れに気を遣った仕様とした。約2kgの軽量化となり、リアサスペンションのセッティングも変えなければならない。(特に1G)マシンの動きも軽くなり、大きなギャップなど気にせず突っ込める。また良くトラクションを得ることができた。
 パワー的にはノーマルよりは良いかな?といったぐらいで、エンドキャップの大きさの変更テストが必要だ。今回初日の途中でエンドキャップが飛んでしまったが、その後は回転の頭打ちは早いがノーマルとYZの中間より、ノーマル寄り程度のパワーを感じた。
 このマフラーはパワーより軽量化重視のマフラーであり、パワーを求めてはいけないマフラーである。静かである。オープンエンデューロのサバイバル系に使用し、モトクロスコース主体のレースはYZを使うことにしようと思う。

フューエルタンクキャップホース(今回はこれに泣かされた)
 '01は短かったが'02が長くなりアンダーブラケットにホースを入れていると、フロントフェンダーに届き、泥を吸って詰まる様だ。チームメイトの吉田君も同じ症状でストップした。カットが必要!斜めにカットが良いようです。 '03は短くなっているのでOKです。
ついでに'03情報!
各地でヤマハ'03試乗会を行っており、私も試乗したがコンパクトになっており(タンクが低く小さくなった)とても軽く感じられ、私のレポートで開発したかの様なマシンに仕上がっていた。ウレシイ。

●タンクが低くコンパクトに(容量も1リッター減の7リッター。木古内1周5.5リッターなので問題なし)
●オートデコンプに(連続キック可能!)
●ホットスタータが手元に(オートデコンプとのコンビで始動が簡単で楽になった)

以上、YZ250F450F(450も乗りやすく、今までの400、426の重い感覚がない)来年はどっちにしようか迷うぐらい450Fが良い。9月発売。
WR250Fは'03はどうなるかと言うと、すでにアメリカで発表されたように、どうやらボタンだけでエンジンがかかるらしい。

藤原広喜プロフィール

1962年1月29日生まれ
岩手県一関市出身。'78 高校1年の時にミニエンデューロに初出場で初優勝!トライアルでジュニアに昇格/'82 にモトクロスデビュー/'83 全日本で2回優勝しノービスクラス東北チャンピオン/'84 全日本で2回優勝しジュニアクラス東北チャンピオン/'85〜'90 5年間で国際B級として東北チャンピオンを3回獲得。この間出身地に近い藤沢スポーツランド設立に協力/'91 国際A級昇格。エンデューロに初参加し「日高2Day'sエンデューロ」3位入賞/'93年からヤマハと契約し「日高2Day'sエンデューロ」で優勝。USA BAJA1000に出場するも残念ながらケガの為リタイヤ。しかしロサンゼルスで楽しい入院生活を送る。他にもエンデューロスクール、マーシャル、デモンストレーション等で活躍しながら、ヤマハ発動機販売(株)の普及活動、ライディングスクール藤沢スポーツランドの運営に協力/'95 「ISDE(インターナショナル6Day'sエンデューロ)ポーランド大会」に初出場し175クラス95位で完走/'96 「ISDEフィンランド大会」に出場し昨年同様日本人2名完走、125クラス46位でシルバーメダルを獲得。またアメリカ・ネバダ州で開催された「ペガスTOリノ」では5位入賞を果たす。/'97年、「ISDEイタリア大会」に出場し、125クラス86位でシルバーメダルを獲得/'98 WR400Fの普及の為、(株)プレストコーポレーション及びヤマハとライダー契約を結ぶ/'00 「ISDEスペイン大会」に出場、175クラス65位でシルバーメダルを獲得/'01からはWR250Fの普及の為(株)プレストコーポレーションと契約。またスポーツランドSUGOのオフロード部門に社員として在籍しSUGO 2Day's ENDURO などの運営に携わる/'06 初の日本代表チームとして「ISDEニュージランド大会」に出場、22カ国中15位、個人としてE1クラスで63位シルバーメダルを獲得