ホームプレまぐ! > 藤原広喜のエンデューロ参戦記
北海道で唯一の2日間にわたるこの大会は、昔ながらのサバイバル系をスタイルを崩さずに運営されているところが、人気となっている点だろう。
今回は仮申込が約400名にも達したため、審査落ちあり、有名ライダーといえども本申込が遅れて出走が認められなかったりと、別のところでのサバイバルもあった様だ。
真夏のような天気でコースも過去にない程のドライコンディション。完走率が低いこの大会も、今回は初日が95%、2日間通して80%が完走と、過去に例を見ない結果となった。
一周約50Kmのコースをトップグループの選手は1時間前後でラップ、平均速度はほほ50Km/hとなる。国内でエンデューロレースの平均速度はおおよそ30Km/hくらいなので、このレースがいかにハイスピードなものか分かるだろう。

初日(2周)

ゼッケン順に5台づつ1分おきにスタート。ゼッケン2番の私は、昨年優勝者の渋谷選手(ゼッケン1)と、同時スタート。いつもの様に、前に行かせ、様子を見ながらの走行。1周目トップと1分21秒遅れで2位。2周目、少しペースを上げ、追い上げ途中トップに追い付き、2人で、壮絶?バトル開始!走っていても、面白く、ギャラリーは、かなり盛り上がっていた。
結局1周目より1分11秒速いラップで周り、トップでゴール!渋谷選手より、1分03秒速いラップを刻むも、トータルで18秒足らず、本日は2位となった。

2日目(4周)

2日目のコースは前日とほぼ同じだが、逆回りとなる。昨日よりさらに天気が良く、気温も上昇。私にとってはベストな状態と言える。
今日のスタート順は昨日の成績順になるのでトップ5からスタート。スタート直後の数十メートル、目の前で転倒した先行ライダーに巻き込まれてしまい、私以降の選手はホールショットを取ったNo1.渋谷選手に大きく先行されることになる。ハイスピード林道は埃がひどく、とても危険で追い付くことが難しい。このままでは逃げられる一方だ。結局1周目は1分09秒遅れの3位でゴール。
2周目はこの2日間での最速ラップを叩き出してトップに追い付く。これで予定通り、3〜4周目に賭けて一気に勝負に出る。しかし! 埃でちょっと視界が悪くなった瞬間、コーナーに気付くのが遅れてコースアウト!崖から数メートル落ちたが運良く倒木にマシンが引っ掛かり、危ういところでセーフ。周遅れの後続のライダーに助けられ、5〜6分のロスで何とかコースに復帰する事が出来た。
ここまでで3位以下をかなり引き離していたので、順位は一つ落とした3位だ。
残り1周半、必死で追い上げるもトップと3分25秒、2位と2分8秒遅れまで詰めたところで3位でゴール。2日間トータルでも2位と1分33秒遅れの総合3位の結果となった。
クラス別ではスーパーエキスパートBクラスで、優勝候補の池田選手に約10分の差を付け、ブッチギリの1位、優勝!となりました。

WR250Fレースインプレッション

毎度同じ感想で恐縮だが、やはり軽さが活きていて、とにかく乗っていて楽しいマシンだ。パワー的にも振り回される事なく乗りこなす事ができて、ベストに思える(もうちょっとパワーは合っても良いかも。これについては後述)。
気になるところは400同様、シート高と重心が高いこと。ガソリン満タン時と空の時では、重心が大きく変化するために全く違うマシンになる。
今回のアクシデントも、給油の際に7分目の指示だったがピットクルーのミスで満タンにされてしまったことも原因の一つで、姿勢制御で一瞬マシンが遅れたために慣性でアウト側に押し出されてしまい、崖下転落につながったと思われる。
今後はタンクの位置やシート高を含め、低重心化を進める方向への改良が望まれるのではないだろうか。

エンジンについて

モトクロスには良いのだが、エンデューロには中低速がやや不足ぎみ。昨年スペインで行われたISDEで見かけたオーストラリアチームは、ベースパッキン部に分厚いプレートを噛ませるなど色々低速が使える様な改造を施していた。
競技車両なのだからあくまで素材であって、それぞれの方向性で改造すればいいのだろうが、出来ることならもう少しベースとなる力強さはあっても良いと思われる。

保安部品について

レースに出場してみると意外に保安部品が華奢なのが気になる。特にウインカー、ウインカーリレー、ホーンは壊れやすいようだ。
まずは5月の定義で行われたレース、この時は保安部品を付けたままレースに参加したが、スタート後に調べてみると外観には異常はないが中ではバルブが根本から折れ、割れてしまっていた。どうやらラバー製のステーが長いために、ライトユニットに過大な振動や衝撃が加わってしまい壊れてしまう様である。次の木古内のレースではステーを短いタイプに変更してみたところ、トラブルは発生しなかった。
その木古内ではホーンにトラブルが発生、レース開始後すぐに鳴らなくなってしまった。原因は不明だが社外品に交換したところこちらは問題は発生していない。
他にもヘッドライトやテールライトなど、重さが気になる事は少なくない。ヘッドライトは社外品のアシャルビスなど、軽いものが数多く発売されているのでこれらと交換してしまった方がフロント回りの慣性も減るし良い様に思う。またテール回りは重さによるガタが出やすいため、YZタイプのフェンダーに換え、後付けタイプのライトに交換した方が軽量化出来て、しかもスタイルがいい。またYZフェンダーは前後に短いので、WR標準よりも泥の付着が軽く済む利点があり、お薦めの改造である。

藤原広喜プロフィール

1962年1月29日生まれ
岩手県一関市出身。'78 高校1年の時にミニエンデューロに初出場で初優勝!トライアルでジュニアに昇格/'82 にモトクロスデビュー/'83 全日本で2回優勝しノービスクラス東北チャンピオン/'84 全日本で2回優勝しジュニアクラス東北チャンピオン/'85〜'90 5年間で国際B級として東北チャンピオンを3回獲得。この間出身地に近い藤沢スポーツランド設立に協力/'91 国際A級昇格。エンデューロに初参加し「日高2Day'sエンデューロ」3位入賞/'93年からヤマハと契約し「日高2Day'sエンデューロ」で優勝。USA BAJA1000に出場するも残念ながらケガの為リタイヤ。しかしロサンゼルスで楽しい入院生活を送る。他にもエンデューロスクール、マーシャル、デモンストレーション等で活躍しながら、ヤマハ発動機販売(株)の普及活動、ライディングスクール藤沢スポーツランドの運営に協力/'95 「ISDE(インターナショナル6Day'sエンデューロ)ポーランド大会」に初出場し175クラス95位で完走/'96 「ISDEフィンランド大会」に出場し昨年同様日本人2名完走、125クラス46位でシルバーメダルを獲得。またアメリカ・ネバダ州で開催された「ペガスTOリノ」では5位入賞を果たす。/'97年、「ISDEイタリア大会」に出場し、125クラス86位でシルバーメダルを獲得/'98 WR400Fの普及の為、(株)プレストコーポレーション及びヤマハとライダー契約を結ぶ/'00 「ISDEスペイン大会」に出場、175クラス65位でシルバーメダルを獲得/'01からはWR250Fの普及の為(株)プレストコーポレーションと契約。またスポーツランドSUGOのオフロード部門に社員として在籍しSUGO 2Day's ENDURO などの運営に携わる/'06 初の日本代表チームとして「ISDEニュージランド大会」に出場、22カ国中15位、個人としてE1クラスで63位シルバーメダルを獲得