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「恒例PRESTO CAFÉに、R1を見に行ってきた」プレストイベントリポート | プレまぐ!
昨年、桜吹雪を楽しみにツーリングで行ったものの、突然の本物の吹雪に翻弄されたPRESTO CAFÉ in 大観山パーキング。
残念ながらまたしても天候には恵まれなかったが、今年は会場に話題のニューモデル、YZF-R1/YZF-R1Mが展示されるとあったので、機材も必要かもだし取材優先で…と言い訳しつつクルマで行くことにした。
[弓削 時保:2015.4.17]
昨年は雪、今年は霧雨…

本当はツーリングの予定だった

 実は前回同様、当初は真っ当にバイクツーリングで行くつもりで、いつもの足付きリポートのU子さんからもお誘いがあったのだが、当ホームページの管理その他、年度末で諸々の業務が重なっていた筆者は、完全にテンパった状態だったためにきちんと約束が出来る状態ではなく、結局ちゃんと行けることが決まったのは週末になってからだった。
 長期休車中の愛車はキャブの不調ですぐに動かせる状態ではない。すでにあまり芳しくない天気予報が出ていてレンタルバイクを使う気もなれなかったため、クルマで行くことに決定。

 自宅を出発したのは8時半を少し過ぎたくらいだったが、この時点ですでに雨。今回は首都高速を使って向かうことにした。約1ヶ月前の3月7日に首都高速中央環状線が全線開通した影響で、3号渋谷線との交点である大橋ジャンクションは一層渋滞がひどくなっている、と云うネット情報を読んでいたので若干怯え、早めにスタートしたのだが、逆にいつもならば必ずつかまるジャンクション手前の詰まりは皆無で、拍子抜けするくらい簡単に通過、厚木ICに到着したのは何とまだ9時ちょっと過ぎで出発から1時間かからないスムーズさである。
 が、これに気を良くしてちょっと寄り道したのが失敗だった。寄った先からの一般道で渋滞にハマり、小田原に着いた時には11時過ぎ。さらに「ターンパイクを小ちゃいレンタカーで登ってもな〜、久しぶりに旧道を走ってみようかな〜」などと、より間違った選択をした結果、会場に着いたのは1時半になってしまっていた。
左:平塚市に入ったあたりは雨は上がっていた 右:が、小田原では前方の山が完全に雲の中

人出のピークが過ぎてしまった会場に到着

 厚木の時点では雨は止んで少し明るさも増しており、期待して先に進んだものの、小田原の少し手前から再びポツリポツリと雨粒が落ち始め、また山の上は完全に雲で覆われた状態。
 旧道を登っていく途中で完全な雨模様となってしまい、そんな中をすれ違う少なくないバイクツーリンググループを案じつつ到着した会場は、雲海の中か?というくらいの霧雨がけむる状態だった。傘をさしてPRESTO CAFÉを訪れるのはさすがに初めてだし、なんか申し訳ない気がしてしまう。
左:箱根湯本を過ぎると… 右:完全な雨模様に。上は厚い雲に覆われている
 少しでも濡れないようテントの下に並べられたYZF-R1/R1MとXJR1300Cには、いつものように来場者が跨がってポジションや足着きを確かめてみたり、メーター表示の説明を受けたりしている。
    「ほんの少し前にいくつかのツーリンググループが帰られて、ピークが過ぎたなぁという感じです。」

    「オープンした午前中から雨でしたが、悪天候にもかかわらずかなりの数のライダーの方々に来ていただいて盛況でした。」

    「大阪からはるばる来られた方もいたんですよ!」
と聞いて「この天気ではなぁ…」と道中あまり期待できずに、道が混んで遅れても特に急がなかった(ので旧道に回ったのだ)ことを悔む。
 さらにスカイラウンジでのYZF-R1Mの常設展示のオープニングセレモニーでは、社長の挨拶に取材陣からのフラッシュの雨あられが飛び
    「テレビで見るちょっとした会見の場みたいでした♪」
とも聞き、注目度が高いことを実感しつつ居合わせられなかったことを激しく後悔したのだった。
左:霧雨にけむるスカイラウンジ… 右:テントの中はそれでもニューモデルに跨がる来場者が!
左:IXOのミニカーでこんなケースに入っているのがあるな 右:YZF-R1Mが置かれているのはスカイラウンジ入口正面

私的2015年モデルファーストインプレッション

 さて展示されているYZF-R1とYZF-R1M、それにXJR1300Cだが、当然ながら筆者も実物を見るのは初めてである。会場はエンジンをかけることができないので、純粋に見たままの印象(インプレッション)だが、感じたことを書いてみたい。
 まずYZF-R1とYZF-R1Mだが、最初の印象は「随分コンパクトだな…」であった。実際、先代と比較すると全長で15mm、全幅で25mm、軸間距離で10mm短く、装備重量で7kg軽くなっている。  2008年のYZF-R6と比較しても、全長で15mm大きいものの全幅は逆に15mm狭いので、むしろR6に近いくらいの車格と云える。
 しかも、伝わってくる凝縮感が凄いのだ。マスの集中化は云うまでもなく以前から図られているが、センターアップマフラーをやめ、リヤ廻りがシンプルになったことの視覚的影響が大きいかも知れない。本当に寸法分ギュッと押し縮めた様な密度の高さを感じる。
左:減ったとは云えテント下で跨がる人は多く、合間を縫ってやっと撮った1枚 右:広報撮影用の車両もあったのでこちらも撮影。しかし霧が…
 跨がってみた時に見える、ステアリング周りの景色も同様で、カウリング内にスカスカな部分が殆どない。短いハンドルバー、肉抜きされたトップブリッジとフォークトップのアジャスター、そして中央に鎮座する大画面の液晶デジタルメーター。またパッと見たときは目立たないが、メーター下に垣間見えるフレームと一体化された太いインテークエアダクトが存在感を放っている。
 そしてカウル裏の左サイドにはメインハーネスが通り、右側は唯一の収納スペースである書類入れで、無駄な隙間はほぼない。
左:眼前に広がる景色は密度感に溢れる 右:見づらいがメーターの下のエアダクト。図太い
 前から見ると、フロントカウルはゼッケンスペースそのままに、下方にまとめられたポジションライトとヘッドライトが独特の表情を形作っている。
 灯火器は全てLEDとなっている。ヘッドライトもそれがゆえに発熱は従来のハロゲンライトやHIDの比ではなく、消費電力の削減とともに配置の自由度も増したのではないだろうか。
左:ゼッケン部分が印象的 右:ダクトの中を撮ってみたが、このアングルだと妙に有機的な顔だ
 印象的なライトの下を覗き込めば、大きなラウンドラジエーターと、オイルクーラーが一杯に配置されており、受け止めた風は少しも逃さない、としているかのようだ。
 跨がってみるとシートはかなり高く感じる。実際、先代と比べ20mm高い855mmで、身長170cm弱の筆者にとって足着き性は良いとは云えない。
 これには別の理由もあって、歴代のR1が公道での使用を前提に、足を着きやすくするようシート前部を細く絞り込むなど工夫していたのに対して、このモデルではサーキットでの使用に重点を置いていることも大きく影響しているようだ。
左:来場者が打ちひしがれていたのが唯一と云う書類入れスペース 右:フロントカウル右サイドのここに納まる                                                    
 1998年に登場したYZF-R1は「ツィスティロード最速」のキャッチコピーが表す通り、長いリヤアームに「ネコ足」と評された良く動く前後のサスペンションなど、サーキット走行は敢えて重視せず、あくまで公道での走りの楽しさを追求した、明確な開発者の割り切りが伺えるモデルだった。
 しかし人気の高い世界スーパーバイク選手権への参戦など、ユーザーの要望もあって徐々にレースへのコミットも増えていき、「公道も、サーキットも」というある意味「普通の」マシンになっていったのではなかったかと思う。
 しかし今回のYZF-R1とYZF-R1Mは、そうしたこれまでのコンセプトから決別し「サーキットで競り勝つことを命題とする」と完全にレース指向となった。
 加えてMotoGPで活躍するYZR-M1の存在、その設計思想も取り込んで生まれ変わったこのマシンは、名前こそ引き継いでいるが全く別のモデル、と考えるべきなのだろう。その上でこの「開発者の明確な意思」が感じられることが、向かうベクトルこそ違え、R1らしさなのではないかと思うのだ。
左:問題はシートカウルに収納スペースが皆無なこと。ETCどうしよう?の声多数 右:全カラーがテント内に並ぶ