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往復1,330km!TMAX530で八戸に行ってみた(前編)
TMAX530スペシャルサイトで始まった「TMAX530のある風景投稿フォト募集!」企画。6月の初め、この企画のサンプル用として「フォトジェニックな写真をTMAX530に乗って、どっか行って撮って来ない?」とプレストから打診があり、TMAX530で長距離とは面白そう、それならば!と八戸に行ってみることにした。
[弓削 時保:2012.7.13]
こんなにある

片道655kmもある

 なぜ八戸に行こうと思い立ったのか、まずはこの季節なら新緑の美しい東北だろう、途中に様々な景勝地があって撮影場所には事欠かないし、と思ったのが第1。第2はただ今全国で絶賛開催中、身近なショップで最新モデルへの試乗ができると好評を博している「プレスト試乗車キャラバン2012」の開催がYSP八戸で予定されていたのでそれを覗いてみたいと思ったこと。そして第3が別の仕事での関係なのだが、当地で290年の歴史を誇る「八戸三社大祭」という大きな祭りの準備を見に行ってみたかったからである(何故「準備」なのかは後述)。
 「じゃあ八戸に行って来ます」と軽〜い気持ちで予定を伝え、改めてGoogle Mapsでルート検索をしてみると、行程655kmと出た。655km?655km…。655km!平均時速100km/hで走ったとしても6時間半…。最近、一気にそんな距離を走ることなんてないぞ…といきなり弱気になる。
 まぁ早めに出発してのんびり向かえば…と楽観的になりかけた時に更なる追い打ちで、土曜日から日曜日にかけての週末の天気の予報が、関東から東北地方にかけて広い範囲で曇りから雨に、ときた。
 しばらく好天が続いていたので油断していたが、すでに関西方面に梅雨入りのニュースも出ているし、ちょっと考えればこの時期のバイクでの遠出は、結構雨のリスクが高かったのだ。しかしこちらから提案した以上後には引けない。まぁ何とかなる…、前向きに考え、準備を進めることにした。
 広報車のTMAX530 ABS は出発前日の金曜日に、神奈川のデポで借り出すこととする。デポまでの道中は快晴、これが明日だったら良かったのに…。

梅雨レベルではない豪雨に逡巡

 さて明けて土曜日。移動で費やす時間を考えると、途中の風景など撮影しながら向かったとして東京を発つのは5時には出ないと余裕を持った行動が出来なかろう、ならば起床は4時!と頑張って起きてみると…。
 家の外はちょっとシャレにならないくらいの雨である。梅雨のシトシト…ではなく真夏の夕立が降るドザ────!という感じだ。東京は曇りで北に向かうにつれ徐々に雨の領域に突っ込んでいくイメージだったのに、最初っから豪雨って…(絶句)。
 出発したら最後、7時間以上ず〜っと雨の中を走ることになるのだから、これでは出発する気になれない。途中で撮るつもりだったフォトジェニックな撮影は雨の中では限りなく難しいし…。一瞬「クルマにTMAX530を積んで行っちゃおうかなぁ」と日和りそうになるが、さすがにそれでは何のために行くのか意味が分からなかろう。
 結局SAで摂る予定だった朝飯を家で食べたり、雨対策で荷物のパッキングをし直したりして9時過ぎ、だいぶ雨が弱まったのを見て出発を決心。4時間遅れで出発となった。現地到着予定は午後5時過ぎ、厳しいシチュエーションでの長〜い試乗がスタートした。
 ルートは美女木JCTより外環道に入り、川口JCTで東北道に入ってあとはひたすら北上、安代JCTで八戸自動車道に入って終点八戸ICまで。カーナビ要らずのシンプルさである。途中で高速を降りて撮影する計画はキャンセルし、真っすぐ八戸を目指す。TMAX530 ABSに乗るのはフォレストレースウェイで開催されたメディア向け試乗会の際に、これまた豪雨の中コースを3周ほど走って以来だ。
左:出発前のTMAX530。ちょうど雨が小降りになった。 右:美女木ランプで外環道に入る。前方の雲が不穏。

抜群の安定感

 まずはマシンのご機嫌を伺いながら東北道3車線の真ん中を、100km/h程度で走る他のクルマの後ろに付いて走ってみる。
 当然ながら、このペースではTMAX530に何の不安感も感じることはない。路面からのインフォメーションをきちんと伝えつつ、見事にビタッ!と安定している。ユニットスイング式の大型スクーターにありがちな、ふわつく様に車体をくねらす蛇行は全く感じられない。
 これはTMAX530の車体構造を見てみればすぐ分かることで、フルカバードの車体に隠されたフロントフォークや、フレーム、スイングアームの剛性の高そうなゴツさときたら、スーパースポーツYZF-R1やFAZER8のそれと見紛うばかりである。羊の皮をかぶった狼、スクーターの皮をかぶったスーパースポーツ、という表現は比喩ではない。本当にスーパースポーツそのものの造りなのだ。
 もちろんTMAX530は長距離を快適に移動することを最大の目的としてこの様な構造に行きついたのであって、サーキットを攻めるように考えられたマシンではない。が、結果としてサーキットでも通用すると思えるほどの走りのスピリッツは、他の大型スクーターとは一線を画していると云えるだろう。
 反面、ラグジュアリーさは控えめである。各部の作りの質感は高いがそれらは全て「走り」のため。「楽ちん」「便利」にするための過度に豪華な演出は感じられず、むしろ抑え込まれているように思う。
左:外環道から東北自動車道へと進む。雨は小降りだったが…。 右:いくらも行かないうちに雨脚が強くなる!
 出発から1時間、都賀西方PAで最初の給油を行なう。TMAX530の液晶のマルチファンクションメーターには燃料消費について「X.Xl/100km」という表示が出ている。日本では燃費と云うと「Z.Zkm/l」と表示するが、海外ではこれが一般的な表示方法らしい。
 ボタンで切り替えられるのかも知れないが、雨中走行ではそこまであれこれいじる余裕がなく、ずっとこの表示方式を見ながら走っていたのだが、表示はおおよそ5.1l/100kmから4.7l/100kmの間を推移していた。
 フルタンクで15リットルのTMAX530は、だからおよそ300kmの航続距離となることが分かる。ガソリン残量を示すインジケーターと照らし合わせると、あと何キロ走ったら給油が必要になるか、はこの方法の方が分かりやすい気がした。
 東京で満タンにせずに出発したのと、インジケーターがどういう表示になっているのか把握していなかったので、表示が残り1つになったところで給油を行なったのだ。出発から約90km、給油量は11.3リッターと、次のSAまで足を伸ばしても問題ないレベルだったが、以降、ここを給油計算の起点として考えることとなる。
 次は300km先、地図によれば長者原SAになる。淡々と走ったとして3時間後だが無理は禁物、2時間で一度休憩を入れるつもりで国見SAを次の休憩・給油ポイントと定め、都賀西方PAを後にした。
左:ずっとこんな調子。トラックを抜く時は充分注意が必要。 右:寒さ対策で重ね着するために立ち寄ったPA。場所失念。