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難波恭司のズバッとインプレッション2010 / FZ8
「FZ1の廉価版でしょ? 」確かにその通りのポジションだという事は想像がつく。今回は予備知識を持たずとも、ある程度の予想が付いた事から変な先入観が存在したのも事実だ。ところが、そんな先入観を良い意味で覆されたような心境となった。
[難波 恭司:2010.8.23]
軽快なフォルム

侮っていた・・・

まずエンジン。779ccという、かなり中途半端な排気量だが、エンジンのベースはひとつ前のYZF-R1である事は見た目で分かる。もちろんFZ1とは直系の兄弟だ。しかし安易にボアだけとか、ストロークだけとかじゃなく、双方を変更し、排気量に見合ったエンジン特性を見出してあると予想される。
エンジンをスタートすると、やはりR1より静かで荒々しさは感じさせない。当然だがアイドリング付近のトルクも若干弱く感じる。これは仕方のないところだろう・・・やはりな・・・と、思ったのだが、いざクラッチを繋いで発進してみると、意外な展開が待ち受けていた!! そう、3,000rpmmも回っていれば思った以上のトルクがあり、スロットル操作に見事に反応するのだ。これは国内バージョンのFZ1 に近い特性で、むやみに高回転型に振らなかった恩恵だと思われる。ギアレシオなども適切で、高速巡航からの追い越し時、何のストレスも感じさせない。とても好ましい。
左:大切な顔もリメイク 右:定評のあるブレーキシステム

操る楽しみ

ワインディングで少し回転数を上げてみる。これまた予想以上にパワフル! 本当に800シーシー?? というより、国内FZ1のときにも感じたが、150馬力や180馬力って本当に必要?? 本当に必要なのはピーク馬力じゃなくて、トルク特性なのだと。たとえば年に何度もサーキット走行を楽しむならば、日常の使い勝手を犠牲にしてもハイパワーを求めたくなるが、サーキットは年に数回、殆どはツーリングやワインディングという使い方ならば、「主」となる用途をもっと快適に楽しませてくれるヤツの方が満足度は高いと思う。これはもちろん価値観次第だが・・・そういった意味では、フェアリングをもたないコイツは気軽に乗れてハンドリングも軽快なことから、最も操る楽しさをも提供してくれる。
そしてこの軽快さを演出しているもうひとつがタイヤサイズ。リアタイヤは1サイズ細めで180/55-17 をチョイスしている。これも個人的にはGood ! XJ6 のときも触れたが、ストリートからワインディングのようなスピードレンジでは、太すぎるタイヤは接地感を感じにくい。これはタイヤのトレッド面圧が関連する。太いタイヤはカッコ良いんだけどね・・・個人的にストリートでは「実」を取りたいと思う。タイヤを路面に押し付ける力は、重量やスピードに大きく依存する。同じ接地加重(タイヤを路面に押し付ける力)ならば、少ない面積で受け止めるほうが1平方センチメートルあたりの接地加重は増える事となり、グリップ力が高めやすい。この「高めやすい」が重要で、タイヤが路面に「食いついている」感覚としてライダーは感じ取りやすくなると考える。結果的にこれが安心感となり、より積極的な操るライディングへと誘ってくれるのだ。グリップ限界ギリギリのライディングをしない限りは・・・