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ニューモデルRSZ100Fiに乗ってみた
RSZ100Fiは今年からプレストコーポレーションが台湾から輸入を開始したニューモデルスクーターだ。
大型免許が必要な400cc以上のビッグバイクを取り扱うイメージの強いプレストにあって、100ccのRSZ100Fiはちょっと変わった存在に思えたのだが、話をきくと「売ってて言うのも何ですがなかなか良い走りをしますよ。乗ってみます?」とのこと。そう言われれば乗らずにはおれまい。
[弓削 時保:2009.7.17]
シャープな印象のフロントマスク

コンパクト&ライトウエイト!

そういうわけで6月のある日、RSZ100Fiの広報車両を借り出して来た。初めて見た実物はブラックボディーでライト廻りなどはオーソドックスな造形ながら、フロントフェンダーにビルトインされたフラッシャーランプがシャープな印象を醸し出している。
跨がってみた第一印象は「コンパクト!それに軽い!」というものだった。以前プレストで扱っていたフルサイズのYP125Fi(いわゆる小マジェ)やXC125Fi(CYGNUS X)の感触からすると、一廻り以上車体が小さく感じられる。国内モデルのJOG(50cc)と比較しても、全長で55mm、ホイールベースで30mm長いだけなのだ。
但し実際はコンパクトと云っても窮屈な感じはしない。シートは滑り止めの効いた表皮で幅も前後長もあってホールド感も良いし、フットスペースにも原付一種とは違う充分な余裕があって膝の曲げがつらくなるような姿勢にならず、居住性は快適だ。
そしてサイズ以上に強く感じるのが車重の軽さで、調べてみるとRSZ100Fiはオイルなどが注入された車両重量で95kg、乾燥重量なら90kgと、100kgのラインを余裕で切っている。
これは小マジェの乾燥重量136.5kgに言うに及ばず、シグナスXの車両重量122kgと比較しても27kg、他社モデルと比較してみても3〜19kgは軽い。車格も異なり数字だけ比較しても大して意味はないのだが、停まっている時に足で蹴ってバックするなどの取り回しの際のしやすさはコンパクトボディと相まって、同クラス及びフルサイズ125にはない容易さを実現していると云える。
クリアレンズもいい感じにエッジの立ったスタイルを演出している
左:ブラックは精悍さを感じる 右:某駅前駐輪場。隣の50ccと比べると車格の違いが分かる。

ライトウエイト&バワフル!

さて、何はともあれ走ってみないことにはパワーもフィーリングも分からない。久しぶりに乗るスクーターとなったRSZ100Fiはかなり興味深い印象があった。
キーをオンにしてブレーキを握りスターターボタンを押すとやけに静かなエンジンが回り始める。軽くアクセルを吹かしてみると回転に渋さのないツキが感じられ、さっそく軽い車体を翻して大通りに出た。
シグナルスタートではアクセルを開けるとぐっと回転が上がって一気に加速を始める。そのスタートダッシュは他のフルサイズ125に決して引けを取らない鋭さを見せ、信号待ちで他のクルマに遅れをとることなく流れを余裕でリードしていける。
この点は他社の100ccスクーター(現行の1コ前)に乗ったことのある人に試しに乗ってもらってみたところ「スタートダッシュは全然比較にならないくらいいいね!」との感想を貰ったから、同じピンクナンバーの中でも比較的上位に位置しているようだ。
その反面トップスピードは、試乗車がまだ100kmも走っていない新車だったこともあってやや控えめで、試した限りでは90km/hちょっと。もちろん一般幹線道路の乗用車の流れなら充分ついて行けるスピードだし、調子に乗ってこれ以上出すと免許証がどんどん危ないことになるからこれはこれで良いのだと思うが、バイパスなど都市間の幹線道を走るより、信号の多い都市内を走る方が得意そうに思える。
これは想像なのだが、エンジンが100ccである分、フルサイズの125ccスクーターと比較すれば動力性能的にはどうしてもかなわない。だからRSZ100Fiでは最高速度の伸びはある程度捨てて、瞬発力に重点を置いたのではないかと思う。
そういう意味では大昔にいじり倒していたCHAMPに、軽量ウエイトローラーを入れてクラッチミートの回転数を上げながらもハイスピードプーリーは組まず、パワーバンドとなるやや高めの回転域で半クラから一気に吹け切って最大限瞬発力を発揮する設定、みたいな感じを思い出した(古い話ですみません)。
もちろん軽い車体は少ない排気量を補い、瞬発力に対してプラスに働いている。ハンドリングも低中速域での瞬発力を活かす設定とされているようでとにかく軽快でクイック。交差点などで意識的に高めのスピードで入ってみても(もちろん安全を確認した上でです)、思っているよりフロントが逃げることなく、タイトにクルッと旋回してくれる。タイヤサイズがこのクラスで一般的な12インチではなく10インチであるのも、たぶんこうした特性を意図してのことではないかと思われるが、とにかく街中を走らせると軽快で、針の穴を連続して通して行くような気持ちの良さがあるのだ。
公園脇の道を駆け抜ける。