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難波恭司のズバッとインプレッション2008 / XVS950A

カリフォルニアに憧れて
またもうひとつ、エンジンの鼓動感が心地良かった。コイツはビッグツインには当たり前のバランサーを取っ払ってしまっている。もちろん技術的な面を全てクリアーしているからこそだが、これがGood バランス。950ccという排気量から発生する爆発エネルギーは、荒っぽい乗り方をすればホイールスピンだって誘発するほどだが、クルージング領域ではとってもスムーズで、そこから僅かにスロットルを捻ると心地良いパルスとともに路面を蹴るタイヤの感覚が伝わってくる。この心地良さをバランサーで打ち消してしまうにはモッタイナイ!! 良い判断だと思う。
左:Vツインの鼓動 右:2in1の結合部
 以前試乗したXV1900CUの場合は、ブレーキやクラッチレバーの調整が存在しなかった・・・これはある意味乗れる人をバイク側が選別しているからなのかもしれない。それだけの体格と体力、そして自分からバイクに合わせていく技量も要求しているとも取れなくはない。しかしこのXVS950Aは違う。見慣れたレバー調整機構も備えていて、ビッグクルーザー初心者でも肝要に受け入れてくれる。どんな小排気量でも、またハイパワーなスーパースポーツであろうと、どんなシチュエーションでも操作しきれるライディングポジションは最も重要であり、不適切では不安感が伴ってしまうのは当然。
じっくり時間を掛けてバイクに慣れ、そして自分なりに手懐けていく様こそが「ライダー」なのは、何時も言う「馬とライダーの関係」と同じだ。
左:調整ボルトがありがたい 右:見果てぬ街まで走り続ける
このXVS950Aには一度も脅かされる事が無かった。それは乗り手の気持ちを察してくれる賢い馬のよう。飛びぬけたポテンシャルではないが、ライダーの意思に忠実に反応する。それでいて「世代を超えた同じ趣味」を持つ仲間との時間をもたらせてくれたり、遥か遠い街まで夢を乗せて走れる。
ギスギスした時間から開放してくれる不思議な存在は、クルーザーというカテゴリーの持つ特別な世界なのかも知れない。コイツともっと走ってみたくなった・・・ずーっと続く見果てぬ道までも。
左:潮騒に誘われて 右:そしてたどり着いたのはヤマハ本社