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ミニバイク24時間耐久レースを観て来た

レース終盤にドラマが待っていた

まさに次の瞬間!
さてレースも残り1時間が近づいてくるとそれまでとは違う展開が見られる様になってきた。それまで快調に飛ばしていたチームは既にガソリン残量が怪しくなっており、ストレートでもアクセルを開けないエコラン状態となっている。一方トラブルなどでパドックに長く入っていたマシンが最後の最後でコースに復帰、こちらは失う物もなければガソリンの心配もない、と猛然と飛ばしていたりして、これまでにない追い抜きが見られたりして興味深い。
そうした中で神経戦とも言えるギリギリの戦いを続けていたのが1位の「キャミ宮殿☆我夢超大☆POINT-ZERO」XR100モタードと2位の「クレイジーマウンテン&PJ1」TT-R125で、すでにこの時周回差は2周を切っていた。猛然と追い続ける「クレイジーマウンテン&PJ1」TT-R125はベストラップを更新しつつ「キャミ宮殿☆我夢超大☆POINT-ZERO」XR100モタードを追う。追われる「キャミ宮殿☆我夢超大☆POINT-ZERO」XR100モタードは燃費のことがあるのか、岩本選手は昨日のような走りは見せていない。
逃げる「キャミ宮殿☆我夢超大☆POINT-ZERO」
皆、ひたすら"前"のマシンを追い続ける。
ついに「クレイジーマウンテン&PJ1」TT-R125が「キャミ宮殿☆我夢超大☆POINT-ZERO」XR100モタードをパスし同一周回に戻す。タイム差からするとギリギリ追いつけるかどうかくらいで、その後も「クレイジーマウンテン&PJ1」TT-R125は去年のガス欠の悪夢ももろともせず、プッシュし続ける。すでに3位を走る「グッピー三枚下し」DF125は残り時間からしてトップの2台に追いつく事は不可能となっていて、完全に2台での一騎打ちだ。
10周もすると「クレイジーマウンテン&PJ1」TT-R125は「キャミ宮殿☆我夢超大☆POINT-ZERO」XR100モタードを前方に見られるところまで追い上げて来ていた。
そしてドラマが起きたのがまさに「クレイジーマウンテン&PJ1」TT-R125が「キャミ宮殿☆我夢超大☆POINT-ZERO」XR100モタードに追いついたときだった。5コーナー6コーナーで背後についたTT-R125は一気にXR100モタードを抜きにかかる。この時XR100モタードを駆る岩本選手、一瞬ブレーキの操作を誤り7コーナー手前でフロントからスリップダウン!
左:ああっ?!    右:痛恨のスリップダウン。このあとなかなか再始動出来ず、2周のビハインドを背負ってしまう。
急いでマシンに駆け寄り再始動しようとするものの、キャブのオーバーフローか水を吸ったのか、エンジンが息を吹き返さない。その横をチラッと見ながら駆け抜ける「クレイジーマウンテン&PJ1」TT-R125。ここに来て初めて大きなアドバンテージを得ることとなった。
結局再始動してコースに復帰するまでに2周のビハインドを背負ってしまった「キャミ宮殿☆我夢超大☆POINT-ZERO」XR100モタードの岩本選手、ここでキレた!もうガス残量とかそういう事は関係なし、全開で行くしかない!という、それまでから7秒以上速いオニの様なペースで、雨だって事を忘れているんじゃないかと思うほどのフルバンクでスライディングパッド当てまくり、前後タイヤも流れまくりで周回を重ねる。
左:これでキレた岩本選手、イクかトブかの激走! 右:立ち上がりで振られまくっているんだけど全くお構いなし。漢だ。
しかし追われる立場となった「クレイジーマウンテン&PJ1」TT-R125もアクセルを全く緩めずに、全く互角のタイムで周回を続けている。2周のアドバンテージを活かしてゆっくり走ってガソリンを節約するとかそういう考えは、恐らく持ってはいなかっただろう。場内MCが「これ2台ともホントにガソリン大丈夫なのかぁ?」と絶叫したくらいだ。
しかしどちらもガス欠で止まってしまう事なく、ほぼその差を保ったまま最後まで走り切り午後3時に遂にゴール!したのだった。
左:表彰台の準備も完了! 右:最後まで接戦のまま遂にゴール!

やっぱレースは面白い

予選を除いてずっと雨が降り続くコンディションだったので難しい点もあったと思うが、最終的に怪我人やリタイアが出る事なく全員で走り切れた事を含め、今回のレースは見ていてとても楽しかったし、レース以外の「Game of Gas Getting!」の取り入れ方など、みんなで楽しむためにあれこれ知恵を絞る難波さんの姿が見える感じでとても良かった。
最初にも書いたが、レースとしてスピードを追求し過ぎないこうしたイベントは貴重だ。もっとたくさんの人に知ってもらい参加して欲しいと思う反面、この規模だからこその和気あいあいな感じもあるのかも知れず、その辺りのバランス感覚も必要なのだろう。出来れば来年、TT-R110Eあたりをいじって参加してみたいものだとちょっと思った。う〜ん。
左:やった〜!と大抱擁中。 右:ポディウムで嬉しいシャンパンだ!
10月11日追記
ところで去年発表されミニモト好きの間で話題になったYZF-R125と、最近発表されこちらも一部で注目を集めているWR125R/X、これあたりを輸入してくれればこうしたイベントにはさぞ楽しかろうと考えているのだが、皆さんはどう思われるか。
特に個人的にWR125Xには魅力を感じていたが、先日当ホームページのニュースに「2009年取扱終了・未取扱モデルのご案内」としてYZF-R125とWR125R/Xが一瞬掲載されすぐ消された。これはまだ脈があるのか?と喜んで担当者に尋ねてみたところ、残念ながらそういうわけではなく、まだWR125R/XはEUでも生産が始まっていないため、規制値適合の可否確認以前の段階なのでここに掲載するのを取りやめた、ということらしい。
YZF-R125についても生産しているMBKが出したがっていない(生産余力がないという事らしい)とのことで、こちらは調達自体にハードルがあるようだ。
そして何より、どうやら「高くて売れないだろう」と考えている模様。あちらのサイトを調べて見ると、YZF-R125の現地価格は3,990 €(ユーロ)、2,999 £(ポンド:ヤマハUK)という記述を見つけた。円に換算すると50〜53万円、輸送費などを加えれば60万円は下るまい。WR125R/Xはまだ価格が発表されていないが恐らく大きな違いはなく、国内のWR250R/Xと競合する価格になってしまう。どうだろう60万円超の125ccバイク。この価格では確かに需要があるとは思えないのだが…。
非常に残念だが導入は結局見送られると思った方が良さそうだ。

帰りも恐怖の耐久レースだった

さて表彰式も済んで各チーム撤収作業が始まった。こちらも再び300km走って東京まで帰らねばならない。荷物を取りまとめ防水対策をしてバイクに括り付け、難波さんとお世話になった運営スタッフにお礼を述べてその場を辞す。
時刻はすでに午後5時過ぎ。天気が良ければ途中温泉に立ち寄ってひとっ風呂浴びることも考えられたが、この雨ではそれも無理。それに往路に比べると日が暮れて行くし混雑する方向に向かうので、真っすぐ家に帰ることにして、帰宅の目標は午後9時としていよいよ出発した。
左:難波さんから総評。ホントにお疲れさまでした! 右:てな訳で帰る。間もなく村田IC。
スポーツランドSUGOから山を下り、6時に村田ICを通過した時には既に周囲は薄暗くなってきていた。そしてここからが恐れていた夜間耐久レースになったのだ。
昨晩のファミレス迷走で発覚した役に立たないほど暗いヘッドライトは、雨に濡れた高速道路の路面をロクに照らしてくれない。ヘルメットのシールドには裏側にまで水滴が付いていて先行車のテールライトが色とりどりに光ってしまい、殆ど前が見えない。たまらず距離を取ると追い越し車線から他のクルマが前に入ってきてまた前が…の繰り返し。
離れれば見えない、見える様に走ると車間が取れずに追突の恐怖にさらされる、という最悪状況。また追い越し車線がこの雨の中、結構な速度で流れているんだもの。
さらには眠気まで襲ってくる始末。バイク乗ってて眠くなるなんてことはまずないのだが、アドレナリンが出ないタイプの緊張を強いられるとダメみたいだ。
必死に眠気を振り払い、安達太良SAに着いたのが7時ちょうど。ここまでロクに何も食べていないことに気づいて食事をとり、ベンチでしばし休憩することに。
左:村田ICではまだ明るかったが…。 右:安達太良SAでは周囲は闇。
屋内にいるには濡れたレインウェアのままなので浮くし迷惑だし、外じゃ雨だし、で結局大して休めはしなかったが、それでも身体は随分楽になった。
またこのSAでガソリンも補給するが、ここからではノンストップで帰り着けるか微妙な距離だが、レースで難波さんが言っていた「雨の走行であれば全体にペースは落ちるしアクセルワークも穏やかになるのでガソリン消費量は少なくなる」というのを信じて走ろう。
何か問題が発生しない限り途中で休む事なく一気に走り切ることにして出発したのは7時40分。追い越し車線での近接走行は神経がすり減るので、ここからは出来るだけ先行車との距離を取りつつ、走行車線を前に割り込まれない程度の速度で走る。これだとハイビームが使えガードレールのマーカーで道が分かるのだ。そして90km/hのスピードリミッターがある大型トラックに追いついた場合は、追い越し車線から一気に抜いてまた走行車線に戻る。追い越しは制動距離を考えるとかなり怖いけど、ついて走ったのでは遅すぎるし眠くなるしで他に方法がない。
ここからの淡々とした走行はホントつらかった。さすがに23年前のバイクは現代のYZF-R1みたいに路面に吸い付く様な安定感は出してくれない。新車欲しいぞ〜!とか考えながら、馴染みのある白河ICが出てきた時には心底ほっとした。
安達太良SAで長めに休憩したこと、栃木ICを過ぎる辺りから交通量が増えたこともあって、自宅に帰り着いたのは予定より1時間遅れの10時ちょっと前。走行距離は往復でほぼ800kmだった。
今はFZ750のヘッドライトの暗さをどうするかで頭を悩ませている。帰宅して調べてみると2灯式ながらバルブは35Wでしかなく、これでは最近の125スクーター程度でしかない。しかもプレストのYさん曰く「ジェネレーター容量がギリギリだからね、下手すりゃ車検に落ちるレベル」だそうで、大きいバルブに入れ替えることも出来ない。いっそ小排気量用に出ているHIDキットでも組んでやろうかと考えているが、プレストの人には「新車買え」と言われるだろうな。

でもまた行きたい

雨、という条件の悪さはあったが、「2008 SUGO“24hours”Enjoyment in Race」はとても楽しかった。難波さんにも色々良くして頂けたし、何より皆あまりカリカリせず、楽しんで走っている感じが良い。願わくば「観る」だけでなく「やる」方に回りたい…そう思わせてくれるイベントだった。
遅くなりましたが難波さん、運営スタッフの方々、そして参加者の皆さん、どうもありがとうございました。
左:安達太良SAを出がけに撮ったのが最後の写真。 右:走行中に何か撮ったっぽいが何も写らず。これにて終了。