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難波恭司のズバッとインプレッション2008 / FJR1300AS
ABS(アンチ ブレーキロック システム) は、4輪の世界では当たり前の安全装備として定着してきたが、モーターサイクル用においては開発が遅れていると言わざるを得ない。
これには幾つかの要因があると考えられるが、4輪の場合でも、初期の頃は「どんな状況でも短い距離で停止できる」という理想的な制動をもたらせてくれる画期的なシステムとされていた。が、今は認識が違ってきており、効率的な停止に加え、「危険回避」という重責も加味されて開発が進められている。要するに安全性に関しては常に進化を続けているということだろう。

[難波 恭司:2008.4.16]
スポーツツアラーの性能を堪能する

ただのABSと思うなかれ

モーターサイクル用に関しては、ブレーキシステムそのものが前後分別されたシステムとして構築されており、それらをそれぞれ制御するのか?また4輪のように足で操作するだけでなく、殆どが右手の指による繊細な操作であることなど、コントロールする上で求められる要求がシビアであることは容易に想像が付く。
今回 ’08 FJR1300シリーズに採用されている「ユニファイド・ブレーキシステム」は、減速時のABS機構に加え安定した姿勢制御までも可能とする頼れるシステムだった。

そうだとは知らずに

もともとブレーキコントロールに絶対の自信がある?私の場合、「ABSなんて・・・」という堅物な頑固者の考えだ。だが考えて見ると、私のブレーキングのテクニックは何度も転倒し、痛い思いをして得たテクニックであり、誰もが達成できるレベルではない。(ここでは自慢している訳ではないが・・・)
話を戻そう。私は今回、この「ユニファイド・ブレーキシステム」の存在を知らずに試乗を開始した。ストリートからワインディング、そして快適なスピード域でのタンデムなど、こいつのテリトリー全般で走り回ったのだが、そのうち初めて走るワインディングでこのことは発覚した。
その時はタンデムだったのだが、コーナーの後半で更に回りこむシチュエーションだったことから、コーナーへ倒しこんでからバンクしたままスピードコントロールを余儀なくされた。普通ならばフロントブレーキを使いたくなるのだが、フロントだけだとノーズダイブ(フロントフォークが縮み、リアが延びる)傾向になり車両姿勢が乱れるのと、パッセンジャーが少し怖い思いをすることもある。これを瞬時に判断し、リアブレーキでのスピードコントロールを試みたのだが、これがエクセレント!! 何と足で踏んだはずのリアブレーキ・システムは、適度な配分でフロントブレーキも連動し、不用意なノーズダイブを感じさせず、あたかも前後が路面に張り付くような感覚とともに適切なスピードへと減速を完了した。はっきり言って私のテクニック以上だった。

まさにこんな感じで走っている時だ