![]() 能ある鷹は爪隠す![]() 和と美の融合
エンジンも強力だ。馬力こそ72.4kw (97PS)だがトルクが凄い!167.2N・m(17kgf・m) もあるのだ。加速力はトルクが全てであり、最大出力ではない。このトルク数値が何を意味するか?だが、最大トルク値は排気量で概ね決まってくるもので、1000ccクラスだと10kgf・m〜11kgf・m程度なのが今の主流。レーシングエンジンでもここから大幅なトルクアップは技術的にも困難(過給すれば別だが)なのだが、要するにモーターサイクル最高峰である motoGP マシンYZR-M1よりも大きなトルクを発生しているということなのだ。また同じ形式のエンジンを搭載するXV1900シリーズの中でも、このCUがトルク最高値をマークしていることから、私は乗る前からワクワクだった。
大きなトルクは、競技用に排気量アップしたマシンに乗ると良く分かる。ライダーの意思に対するエンジンの反応は鋭くなり、爆発力が明らかに増大していることが体感できる。またXV1900のように大きな排気量を持つエンジンではクランクが持つ回転エネルギーも大きくなるので、1回1回の爆発を右手でコントロールしているような感覚になり、暴れ馬を宥めながら乗りこなすような充実感が宿る。
また右側に2本揃って出ているエキゾーストは若干後方「下」側へ向かっており、1リットルのオイル缶サイズのピストンが「ドカンドカン」繰り出す排気圧力が、リズム良く地面を叩きつけているような迫力が乗り手に伝わってくる。間違っても排気圧力で推進力は得ていないと思うが・・・。
17kgf・mというトルクが一体どんなものか? 高速道路へ繰り出し、5速ギア80km/hでスロットルを全開にしてみたのだが、それは凄まじいエネルギーで加速を始め、ライダー込みで400kg弱の車重を簡単に別世界へ連れ去った。
まぁ普通はこんな乗り方はしないだろう。有り余るパワーを手なずけ、どんなときも余裕シャクシャクで往なしていく・・・そんな大人な乗り方をしたいものだ。 余裕だが油断は禁物大柄なライディングポジションはある程度の体格を必要とするし、クラッチやブレーキレバーも大きな手を想定したサイズながら調整機構が無い。小柄な日本人には決してベストとはいえないかもしれないが、何故か走らせていると気持ちを楽にしてくれる。こいつの魅力は特別な能力を秘めていることを隠し持っているような気分にもさせるが・・・独特の鼓動感が日常的な「忙しなさ」から開放させてくれるのかもしれない。
だが、ひとたびスロットルを捻れば強力なトルクが鋭い加速をもたらす。ワインディングなどでは決して気を抜いてはならない。というものライダー込みで400kg近い重量が現実である。もしコーナーにオーバースピードで進入してしまったら減速することは容易くない。そして無理矢理ターンさせようと更に深いリーンアングルに持ち込もうとしても、簡単に接地するステップは軽快な旋回を許容しない。
それから狭い路地や獣道?に迷い込まないこと。小回りが利かないのと充分な車重により押して戻るのは困難だ。しかもその道が坂道だったとしたら、バックで押して登るのはひとりでは不可能だ。まぁあたりまえだが・・・。
とにかくワインディングでは焦らず常に気持ちにゆとりを持ってこいつと楽しんでもらいたい。本来は相当な暴れ馬・・・それら全てを知り、全て自分に手懐け済み。そんな付き合い方がこいつには似合っているじゃないかい?
![]() 左:ずっと彼方へ走り続けたい 右:今度はこいつと何処行こう
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