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YZF-R1との日々
昨年末 ’07 YZF-R1に試乗したとき、私は心を揺れ動かされる心境に至っていた。それはスタイルから受けるインパクトだけでなく、実際にコイツと過ごすバイクライフが具体的にイメージとして沸いてしまったからだ・・・。それは以前の試乗記事の最後に触れている「この娘(こ)なら・・・」というフレーズに凝縮されているが、要するにサーキットでのスポーツライディングに最も適したアイテムであり、意のままに操る楽しさを最高のポテンシャルで味わうことが出来る → レースへの誘い(いざない)?として心が躍ったのだった。【Vol.1 | Vol.2 | Vol.3

[難波 恭司:2007.11.24]

Tokachi Road race Special round KUSA race 4hours Endurance

最高の笑顔で。

そして立ち上った

小牧空港からそのプロローグは始まった。(って、そこから話は続くのかよ? という苦情は一切受け付けない) 向かった北の地、北海道は帯広平野に位置する十勝インターナショナルスピードウェイ。週間天気予報では日曜日の決勝は「雨」だったのだが、私はあるルートを通じて1日遅らすよう要望しておいた。(??)
到着した帯広は快晴。日中の気温は過ごしやすく17〜8℃で、空気も乾いている。これなら北海道に住みたい!と思わせる絶好のコンディションだったが、それを現地の人に話すと「今月一杯だね〜。もう直ぐ凍て付く季節が来るんだ〜」という。私はバイクに乗れない期間が存在する立地条件では生活できないだろう…残念だ。
今まで何度か仕事で訪れている北海道は、何度来ても特別な時間を提供してくれる不思議な魅力がある。それは日常的に忙しさを感じるプレッシャーや、圧迫感を感じる人ごみ、そして隙間無く永遠に建て並ぶかのような建築物などがなく、人間らしい気持ちにさせてくれるからかもしれない。毎年長期休暇をとってツーリングに行くという人達の気持ちが良くわかる気がする。

走る(前日スポーツ走行)

いよいよ今回招集してくれたチームと合流。そしてチームオーナーでもありライダーである「安孫子 勝利」さんとの初ジョイント参戦となる。
実は心配していた事が幾つかあった。それはギアシフト。難波は過去の転倒で足にダメージを負い、それが原因でギアシフトはサーキットでもストリートパターンである。通常のレーシングマシンは1UP→5DOWNの逆シフトパターンになっている場合が多いが、今回の難波は長時間のライディングで動きが悪くなってしまう左足首を、どうやって4時間持たせるか?レースは自身のとの戦いでもある事を予想していた。また長年のレース、テストにより全身はポンコツ状態で、首や腰のヘルニアや、ウサギのようにやたらと寂しがる性格、暑がり、人のあげ足取りだけでなくオヤジギャグなど、周囲に迷惑を掛けてしまう恐れがあることも危惧していた。
前日のテストではマシンに慣れ、コースに慣れ、そして耐久レースを走りきるためのライディングスタイルを確立しなくてはならなかったが、この十勝のコースレコード・ホルダーである「安孫子YZF-R1」は、何のセッティング変更もいらないほどセットアップされており、若干のポジション変更のみでライディングに集中する事が出来た。もちろんタイヤに優しく、ルーティン・ピット作業計画を練るためのデータ取りも綿密に行った。
左:ピット作業の打ち合わせ 右:素早い作業へ向けて綿密に
この日は耐久レースに大切な給油、タイヤ交換などのピット作業をスムーズに行うための最終確認を夜遅くまでガレージで行った。それは我々のチームだけだった…というのも、このレースはハンディキャップが設けられており、通常ライダーは自分のマシンで走り、ライダー交代時はマシンも変えて良いことになっている。要するに参加ライダーは全て自分のマシンで参戦でき、ピットインしても給油もタイヤ交換もなしで直ぐスタートできる。本当にKUSAレースとは良く言ったものだ…。だが我々は一台のマシンで2人のライダー編成チーム。当然給油、タイヤ交換のタイムロスは否めない。このロスを如何に克服するか? チーム監督である安孫子勝利氏の手腕が問われるのだった。

レース当日

一夜明け、霧に包まれた中を若干不安な気持ちでサーキットへ向かった。みんなは私を「雨男」呼ばわりするが、それは濡れ衣だと…。しかしサーキットに付くと快晴!雨予報を「私のパワー」で覆す行為は過去何度もしている。今回も「私のパワー」であることを、ここで新たに強く印象付けた。(そんなにここで力説しなくても…)
レース前の車検は、かれこれ20年振りくらいだっただろうか? 妙に新鮮だった。グランプリなどではシーズン前に一度行われるだけで、後は基本的にない。長い列の後ろに付き、同じく今回レース復帰してきた「武石伸也選手」と挨拶を交わす。彼もホンダ、カワサキとファクトリーで活躍してきたライダーだが、同じカテゴリーに参戦するのは初めて。懐かしさと楽しみと色々な気持ちが工作していたが、レースを楽しむスタイルはみな同じ。参加者の人達も「我々と一緒にレースを走れる」ということで楽しみにしていてくれたようだ。
それよりも一番驚いたのは車検で私のヘルメットを「被るんじゃないか?」と思えるほどの勢いで覗き込む車検員だった…。今回のために新しくペイントしてもらった新品なのに?! 「なにしゃがるんだ!」という思いも沸いたが、ただ単に内装側に貼られている製品ステッカーの確認だったようで、ここは大人なので我慢した。
早朝車検は長い列