![]() 予選
予選は手短かに、僅かなアタックに留めた。これも作戦。マシンの温存もあるが、今回のレースではグリッドポジションが結果に大きく影響する事はないと踏んでいた。が、本当はこのとき一番肝心なのは「ライダーの体力温存」だとは言えなかった。(1'25”456 = ライダー*安孫子 予選2位)
いよいよレース![]() 右:グリッドではなぜか他のチームまで 左:いよいよスタート進行
レースは予定通りAM11:15にマーシャルカー先導のローリングスタートで始まった。スタートライダーは難波。このスタート方法はビギナーを含むレースでは正しい方法だと思う。レースシーンでのハプニングは、スタート直後の1コーナーに集中しやすいのはご存知だろう。また耐久レースに付き物の、コース反対側から走ってマシンに駆け寄る「ルマン式」もイメージしやすいだろうが、どの場合もやはり危険性は否めない。既に隊列で走っている状態からスタートするローリングスタートは、ある意味一番安全性が高く、しかもレース初心者にありがちな恐怖感も和らぐはずだ。
さてレース、トップを行くボールシッター#539はハチャメチャなライディングが目に付き危なっかしい…難波はレース勘を身体の中から呼び起こすようにマイペースを維持し、トップが常に見える位置で2番手キープの作戦を取った。これはタイヤがどのくらい持つのか? 予想は出来ていても交換の回数を増やすわけにはいかない事から、無理をせず走りきる事を優先したからだ。いやそれだけでなく、ピットインの回数など仲間のチームから聞かれても「嘘の情報」を流してライバルに安心を与えるという「大人気ない作戦」も立てており、これも全てチーム監督の策略…。恐るべし勝負の世界。
![]() マイペースでリズムを作っていく
中盤以降、体力よりも古傷たちが目を覚ましてきた。何とかこれらを阻止するライディングフォームに切り替え、予定している50分間のセッションに集中するが、ピットイン予定の4周前に燃料警告等が点灯してしまった。前日もこんな事を想定してガソリンタンク内の残量と走れる周回数をチェックしていたのでギリギリ持つはず…と信じ、予定通りのピットインとするため安全策を取り、ややエンジン回転数リミットを下げての走行に切り替えた。そのときトップの#539がピットイン。どうやら我々のR1よりも燃費が悪いようだ。これで予定通りのトップ浮上!! その後予定通りの周回数で難波もピットへ向かい、準備万端で待っていた安孫子さんにバトンタッチ。チームクルーにより給油も確実にこなし、トップのまま安孫子さんがコースへ復帰となった。
安孫子さんは順調に周回を重ね、このまま予定した「4回ピット160周」を目指せる…と思っていた時だった。「帰ってこない!!」サインエリアから悲痛の声が上がった。最終コーナー側、ピットロード、そしてコースモニターへとチームクルーの目が集まる。するとモニターに小さく「蟻んこ」のように映る#70安孫子さんと思われる映像が映し出された。「怪我は?」「マシンを押している?」「動くのか?」蟻んこ映像では何も見えない…そのうちコース外のエスケープロード側にマシンを運んだように見えた事から、チームクルーのひとりが現場へ走った。そして数名のクルーとともに難波も走った。
![]() 左:ここまでは順調だったが… 右:こんなことになっていた
コースの奥から肩を落とした安孫子さんとマシンを押すクルーが戻ってきていた。「怪我は? 」大丈夫のようだ。「マシンは?」なんとドライブチェーンが切れ、マシンコントロールを失ったままグリーンで転倒してしまったらしい。
何より安孫子さんの怪我がなかったのが幸い。マシンを皆でピットまで押し戻している時にマシンのダメージを確認する…チェーン、クラッチレバー、シフトへダルとリンケージ、左側サイレンサー。「直せる」と判断した難波は、「直して走ろう !」と、肩を落としている安孫子さんに発すると、チームクルーは走ってマシンをピットへ戻していった。
ここからは借り物競争。ドライブチェーンのスペアがないので、他のチームのスペアを借りてくる、ダメージのあるパーツの取り外し、泥まみれになっているマシンの清掃…指示が飛ぶ。「残り時間は?」急いでいながらも確実なマシン修復を心がける。
いつの間にかピットは人が増え、手伝う者、心配そうに見入るもの、あれこれパーツを調達に走る者など、いつの間にか本来のスタッフ以上の人数による強力なサポート体勢が確立されていた。「スゲー!」
![]() 大修復作業中!
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