ホーム > プレまぐ!
極私的モーターショーの楽しみ方
26日から開催されている第40回 2008東京モーターショー。僕は最初は25日のプレスディに仕事で、28日の日曜日はプライベートで、自分の子供たちとその友達のA澤さん父子という、男ばっかり5人の編成でと既に2度足を運んでいる。
 小さい子供がいるとだいたいが自動車メーカーのブースに行くことになるのだが、個人的にはあまりそちらには興味がなく、もっぱら別の所ばかりみている。それは二輪に関係する部品メーカーのブースだ。

[弓削 時保:2007.11.3]
お約束な一枚。日曜日はカメラ・ビデオ小僧が多くて同行のA澤さんは「何がいいの?」と始終首をひねっていた。

部品メーカーは北ホール

実際には東ホールを除く全てのホールに大小さまざまな部品メーカーのブースがあるのだが、二輪車に限って云えば北ホールに集約されており、普段接していても意外に気づかない色々な部品を見つけたり、その機能や構造が判ったりとあまり混まないこともあってじっくり見られるのが楽しい。
今回はそうしたブースのいくつかを紹介してみたい。

KYBで見るショックアブソーバーの技術

世界的な総合油圧メーカーとして、バイクに乗る人ならその名前は一度に聞いたことがあるはず。僕らにとって最も馴染みがあるのが前後のサスペンションだろう。JSB1000を戦う「YSP & PRESTOレーシング」の中須賀選手が駆るYZF-R1も前後KYB製スペシャルサスペンションを使用していて、ブースでもそのアグレッシブに攻める走行シーンが流されていた。
ブースの中には四輪用と並んで二輪用の前後サスペンションが2セット展示されている。1つは「モトクロスレース用フロントフォーク&リアクッション」、具体的な機種は聞き忘れたが恐らくカワサキKX用ではないかと思われるもの、もう1つは「ロードレース用フロンとフォークアンドリアクッション」で『2007年度スーパーバイク仕様』と説明があるが恐らく国内の、前述の「YSP & PRESTOレーシング」のYZF-R1用だろう。
なおフォーク表面が黒光りしているのは新開発の「KYB NEW DLC」皮膜によるもの。DLCとはDiamond-Like Carbonの略称で、硬質アモルファス炭素皮膜によりこれまでの硬質クロムめっきや窒化チタン皮膜よりも約30%と大幅に摩擦力を低減することができるもので、従来型のDLCよりさらに30%…ってことはどうなのよ、30パーセント減のさらに30%減でクロムめっきの場合の半分くらいの摩擦抵抗になるんだろうか、とにかく地味な部分で大きな性能アップが図られているわけだ。
撮影状態が悪くて申し訳ない、左からスーパーバイク用、モトクロス用、SBK用のアップ。
そしてサスペンションに横にあったのが電子制御ステアリングダンパーの体験機。説明スタッフに促され、ハンドルを握って左右に動かしてみると、まぁ普通に抵抗なく動く。次に左ハンドルのホーンボタンを押すと、ステアリングの前方に取り付けられていた六角形の装置の中で何かがぐるぐると回り始めるのだ。
回っているのは偏芯したカムで、次第にハンドルはブルブルと振動し始める。シミュレーターなのだから当たり前だがこの振動の仕方が妙にリアルで怖い。ずっと昔、CB750FBで東北道の栃木インター手前の左カーブでこれが出てエラい恐ろしい思いをしたのを瞬時に思い出したほどだ。
なもので本気になってハンドルを押さえつけていると、今度も右ハンドルのスターターボタンを押せとのこと、押してみると…止まるのだブレが。ピタッとだ。
これは前方に取り付けられた電子制御式のレシプロ式ステリングダンパが作動して振動を抑止しているからで、車体に設置されているセンサで加速状態やバンク角などを判断しているのだそう。ちなみにこれは'07 GSX-R1000の物だそうで、他にはロータリー式のCBR1000RR用ステアリングダンパーも展示されていた。本当に今や電子制御はこんなところにまで及ぶのだ。
左:これがシミュレーター。上がGSX-R1000用、下がCBR1000RR用とのこと。
 他にもすぐ隣はD.ペドロサ仕様のRC211Vがさりげなく置いてあるショーワのブースで、ここにはカートリッジ式を進化させたBPF(Big Piston Frontfork)が、2ブロック離れた所にはオーリンズのブースがあってMotoGPマシンにも使われているTTXテクノロジーの投入された製品が展示されていたりと、比較してみて歩くのもまた面白い。
ヤマハに縁が深いオーリンズ。カロッツェリアジャパンが窓口。

やけにきらびやかなakebonoのブレーキ

サスとくれば次はフレーキだ。前回のモーターショーでもそうだったが今年も目立っていたのが曙ブレーキ工業で、展示してあるバイクはビモータのTesi-3D、この前後ブレーキをakebono製に換装している。ご存知の通りTesi-3Dはセンターハブステアリング方式を採っていてフロントブレーキも独特な位置にプレ-トを介して取り付けられているのだが、このakebonoのカスタムモデルはそのプレートとキャリパーが一体化しているのだ。他にも一般的な車両用としてなんか、オーリンズの倒立フロントフォークのボトムエンドと一体化したキャリパーがあった。こうなってくるとラジアルマウントなんてもんじゃない。それも三次元曲線で構成されたアルミのポリッシュ仕上げに青の「akebono」ロゴに赤アンダーラインだもの、妙〜に艶っぽいのである。
元々凄いTesi-3Dの造形をさらに拡張している感じのブレーキ。
曙ブレーキは確か去年だったかはJSB1000で伊藤真一選手が開発を担当していた様に思うが、四輪社用のブレーキメーカーのイメージが強い僕にとって、すごく気になる。ここに展示されているのはコンセプトモデルだろうが、二輪車用としてこのままの美しい形で公道に出て来るのを是非見てみたいものだ。
また、これまたえらい繊細な造りの自転車用のディスクブレーキや、高性能SUV用と云う対向12ポット(!)キャリパーとか、やたらとハジけまくっている感じがあって楽しいブースだ。
左:Tesi-3D用のこれ。左側のフロント用はあれで一体 右:こちらは自転車用。えらい繊細な造り
他にも、ブレーキと云えばこれ忘れちゃ話にならないだろうブレンボのブースには、カーボンディスクに削り出しのワンピースラジアルマウントキャリパーや、ハイパフォーマンスな四輪車のOEMを含めたブレーキシステムの展示が、国産勢では日信工業(NISSIN)ブースも、曙ブレーキとは違ってレース用のブレーキシステムなど、地味でやや素っ気ないほどの感はあるが迫力ある展示物が並んでいたりでこれもまた興味深い。
左:ブレンボのブースは幻想的な雰囲気だった 右:対するニッシンは至って普通。但し展示物の迫力は同等