![]() ![]() プラリペアの基本セット。クリアー、ホワイト、ブラックがある。
プラリペアを使ってみる。今回フェンダーの修理に使うのは「プラリペア」だ。バイク雑誌でも随分数多く紹介されているのでご存知の方も既に使っている方も多いと思う。ただ僕は何となくこの手のケミカル用品を敬遠している部分があって、今回が始めての使用だ。ちなみに同じ様な修理もこれまでどう対処していたかと云うと、同じ材質の欠片を用意して棒状に切り、ハンダゴテで母材とともに溶着していた。これは昔解体屋でアルバイトしている時に憶えた方法で、見栄えは今イチだが機能的には半端な接着剤どころではない強度が確保できる。
後にベトナムではこの方法でカブのレッグシールドなどの樹脂パーツを、割れる前と変わりないところまで綺麗に補修する専門家がいると聞いたので、ぜひ一度その技を見学に行ってみたいものだと思っている。 とにかく今回はプラリペアだ。昼休みを利用して東急ハンズまで走り、プラリペア(クリア)、プラリペア(ブラック)、「型取くん」、そしてオフィスに見当たらなかったヤスリを一丁購入して来た。
使い方については、理屈は簡単だが実際やってみると特許になっているニードル法にちょっとしたコツがある。細いニードルはちょうど真ん中に穴が開いていて容器を押すとこの穴から溶剤が出て来てニードルを伝って先に溜まるので、このしずくを樹脂パウダーのカップの中に落とし、溶液で樹脂玉になったところをすかさずニードルの先で刺して持ち上げて運び、さらに溶液を出して樹脂玉を溶かしてドロッとさせ補修部分に充填する、というのだ。やってみるとなるほどこれがなかなかの操作性で、事前に接合部をV字型にカットして接着面積を増やした部分にうまい具合に盛れる。詳しくはプラリペアのサイトがあるのでそちらも参考にして欲しい。
![]() 左:灰色に見える部分がV字に削り込んだ部分。 右:セロテープで仮止め&漏れ止め、樹脂を盛ってならす。思った以上にラフに作業出来る。
気温25℃の環境なら5分、ドライヤーなどで加熱すればさらに早く硬化させる事が可能で、その際化学反応により補修母材を溶かして同化することで普通の接着剤とは桁違いの強度を得る事ができるのだ。
正直半信半疑なところもあったのだが、硬化が完了したタブの部分はこわごわ触ってみるとびくともせず、ちょっと力を入れて押しても全然、もう一度折るくらいの勢いで捻ってみても余裕の強度。これには感動した。 こうなるともっと色々くっつけたくなる。最初に気づいた通り、後側フェンダーには欠けてはいないもののヒビが入っている部分が数カ所、さらにさっき修理したタブと共締めになる部分が一部欠けている部分がある。速攻で追加修理だ。
まず細かいヒビだが、これは小さいプラリペア樹脂玉を作り溶剤を追加し溶いてヒビの間に染み込ませ、さらに後からパウダーを追加して薄く表面を盛り上げた。V字カットはしなかったが隙間に充填したことで強度が増したはずだ。
さらに後ろ側フェンダー下部の大きなヒビも修復。表面にセロテープを貼って裏から樹脂を流しただけだが、これがキチンと固まってくれて嬉しい。
![]() 左:本来入るカラーがなく、締め過ぎでヒビ割れてしまっていた。 右:ヒビに染み込み強度回復。
もう一つ欠けがある部分だが、ここは「型取くん」を使う。型取くんは熱可塑性の樹脂で、90℃のお湯で3分暖めると柔らかくなる。触れる程度まで適当に冷まし、前部フェンダーの折れていない方のタブに押し付けて型を取るのだ。
冷めて固まるのを待って型取くんを外してみると、まだ慣れないので若干隙間が空いていたがそこそこちゃんと取れている。
次に欠けた部分にこの型を嵌め込む。ボルトの通る中央の穴がガイドとなってうまく納まってくれてこれが再生部分のメス型になるので。ここに再びプラリペアの樹脂玉を盛り上げ、溶液を追加してニードルの先でぐるぐる練って平らにならす。そして待つ事5分、そっと型取くんを外すと欠けていた部分が黒いプラリペアでちゃんと再生されている!ヤスリとカッターではみ出した部分を削れば完成だ。強度はもちろん申し分のない堅さになっていて、元通り組み付けが出来た。
いや、プラリペア優秀!こんなに強度が出せるとは。これなら力のかかるサイドカバーのダボなども本当に再生できる。恐れ入りました。
![]() 左:無傷な前左側で型を取る。 右:欠けた部分に合わせるとこれがピッタリ。
![]() 左:この型に樹脂を流し込む。 右:軽くヤスリで整形して、隠れちゃう部分だしこれで完成!
しばらくはプラリペア三昧。と言う訳でフロントフェンダーは思っていた以上に良く直すことができた。もっともさほど仕上げを気にしなくて良い場所だったからという事もあり、カウリングの割れなどでは後から塗装したりともっと手間はかかるだろう。でも新車のままの完璧な外観を求めなければこれでも充分だ。
作業性も良く、日常生活のプラスチック製品にも応用出来るしその気になれば完全に元通りに修理する事だって可能だから、ちょっとくらい不器用でも手順を間違えなければ、これは試してみて絶対損はない。
ちなみに東急ハンズ池袋店での値段はプラリペアの基本セットが1,680円、型取くんが840円だった。液・パウダーとも補充用もある。 ところでポンコツFZ750、カウリングをさらにじっくりチェックすると欠けていたり割れていたりする部分はまだかなりある。つまり相当プラリペアで直せるところがある!というわけだ、いやぁ全部補修したら相当腕が上がるな!
新車のFZ1やYZF-R1が羨ましくない訳ではもちろんない(笑)が、これもまたバイクの楽しみの一つとして色々手をかけて行こうと思う。
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