ホーム > プレまぐ!
急に雨に降られたら
四輪と違い外に我が身を晒して走るオートバイにとって、雨は逃れられない問題の一つだ。
先日所用で出かけた帰り道、久しぶりに大雨の直撃を食らうこととなったので、雨中改めてこの問題について考えてみた。
[弓削 時保:2007.9.8]

それはさる火曜日のこと…

ほんの数日前、火曜日の事なのだが、東京は国立市のある会社で、新たしいサービスの起ち上げに関する会議があり、僕もそれに出席する事になっていた。
が、別件の作業への対応で時間を費やし、はっと気がつくと会議開始30分前。いつもの鉄道を使ったコースでは優に1時間を要する道のりなので、もう絶対に間に合わない。
急いで地図で確認してみると中央高速のインターチェンジにかなり近い。もはや選択の余地はなく、イチかバチかでバイクで向かうことにした。
結果はまさに40分弱で着いてしまうという好結果で、迷惑を最小限に留めることができた(とは言っても8分遅れた。申し訳ない!)。

さてここまでは良かったのだが、会議の途中、何気なく表を見ると外が薄暗くなっているではないか。そう言えばここに向かう途中も低くたれ込めた雲が気になっていたのけれども、案の定しばらくするとポツポツと窓ガラスに水滴が付き始めた。
まずい。会議に参加している他のメンバーはちゃんとした会社の人たちなので、ただでさえ突然バイクで乗りつけて浮いているのに、雨の中濡れて帰るというのは如何にも体裁が悪いではないか。
と会議と全く関係ないところでやきもきしていたが、雨はそのまま本降りにはならず、どうにか会議終了までもってくれた。
こうなればさっさと帰るしかない。少なくとも発つ時に雨でなければ何とか格好はつくものだ。雑談もそこそこに「遅れてきてすみませんが、雨が降りそうなのでお先に失礼します。」と詫びて退席する。
駐車場に戻ってみるとバイクのシートには水滴がついており、空からはパラパラと雨粒は落ち続けている。現在位置は国立で、都心に戻るのであればまっすぐ東に向かう事になる。天候は西から崩れるものだから、雨雲に追われる形となるが、うまく逃げ切れれば濡れずに済む。よし行こう!

こういう判断は、雨が降り出した際に少なからず採りうることだと思う。そしてそれは往々にして裏目に出る。マーフィーの法則、というヤツだ。
走り出して500mも行かないうちに、パラパラとだった雨粒が大きくなってヘルメットを「バチバチバチッ!」と叩き始め、甲州街道から国立府中ICに向かって曲がる頃には一瞬にして土砂降りになっていた。
もとより雨具の用意はないし、コンビニなど雨宿りできそうな場所もなく、こうなってはもうどうしようもない。リアシートにある鞄への浸水も怖いので、覚悟を決めてそのまま走ることにしてインターチェンジに入った。一応状況を写真に納めておこうかと、ゲートをくぐってから路肩に停めようとしたのだが、足を着いたらそのまま靴が水没するくらい雨が溜まっている!こんなところにまごまごしていたら後続の四輪車から思い切り水しぶきを浴びせられる事になってしまう、と慌ててそのまま本線に向かった。
左:出発の時は大して降っていなかったのだが…。

ライダー永遠の命題?雨対策

普段から雨具を持参していれば良いが、荷物が多くは積めないオートバイにとってはこの雨具というもの、結構カサが張って雨が降らない限りにおいては結構邪魔な存在だ。降られた際のリスクは承知していても、ある程度の距離を走る事が分かっているツーリングや、パニアケース付きのFJR1300ASの様な積載に余裕のある機種に乗っている場合でもない限り、常に携行する用意周到なライダーは多くはないのではなかろうか。
だから大概のライダーは急な夕立に降られ、ずぶ濡れになった経験があるはずなのだが、ではこうした緊急の際に何とかその場で対策はできないものか。

第一には「冷静に判断すること」だ。先に書いた様な「雨雲から逃げ切れるのでは」などという甘い考えは捨て、バイクを何処か安全な場所に置いて鉄道・バス・タクシーなどの交通機関を用いて帰る。但しバイクは後でもう一度取りに戻って来る煩わしさがあるから、その辺はトレードオフ。
って云うか「その判断が出来れば世話はない」んだけどな。スコールみたいな雨で雷がドカバキ落っこちて来る様な状況でもない限り、すんなり乗って帰るのを諦められはしないだろう。そんなもんだ。
第二は「情報を収集すること」だ。今は携帯電話で「雨雲の動き」の様な情報を得ることができるから、そうした情報を元に判断する。
…いや、前言撤回。それは出発する前にするべきことだな。雨雲が向かっていると分かったならバイクで出かけない、そういう判断を先にすべきだった。
そうなると行き着く先は「その場で雨具を調達する」だ。すぐに思い付くのは半透明の白いビニールカッパ。あれはコンビニならば置いている事が多い。色々なコンピニで調べてみると、カサが置いてあれば大抵在庫している様だ。
但しライダーにとって雨を防ぐ効果があるかと云うと、残念ながら殆ど期待できない。そもそもが「上から降って来る雨」に対処する歩行者用なのだからそれは当然で、前方から吹き付ける風雨に対してはホック止めの前面は容易に雨を通すし、場合によっては風でホックがはじけて全開になる場合だってある。前後逆に着ることでこれらを防ぐ技もあるが、着にくいのと非常にカッコ悪いのが難点。
それに羽織る形のカッパだからバイクに跨がった下半身に対する防御はしてくれない。路面からの跳ね上げ、シート面を伝って尻に落ちて来る雨が、容易に下半身を侵す。ほどなくして尻・腿・股間と水が浸入し、敗北を知ることとなるのだ。
カッパと云えば古くは通称「田植え合羽」と呼ばれたビニール製の製品がある。猛烈に蒸れるのが難点だが、上着とズボンに分かれているので下半身も守ってくれる点で優れている。しかし残念ながらこれはコンビニには置いていない。
白いビニールの簡易カッパ。これはバイクじゃ役に立たない