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TODAY'S ROUTE (2日目)



会津漆器の伝統を現代に吹き込んだ
斬新なアイテムをチェック

宿を出て、まず向かったのは、会津の伝統工芸である漆の店「坂本これくしょん」。江戸時代の蔵を改装した真っ白な空間に、会津塗りの技法を用いた色鮮やかなオリジナルのアイテムが並ぶ。お椀やお皿などの器から、スプーンや箸、鏡などの小物まで、普段の生活で気軽に使えるものばかり。商品の用途によって素材を変え、デザインだけでなく、使い勝手のよさも追究している。なかでも、一際目を引くのが、今まで見たことのない漆のアクセサリー。現代の生活に合わせて開発された12色のオリジナルカラーとモダンなフォルムは、和洋どちらの装いにも似合いそう。
そもそも、この店の母体は、創業1900(明治33)年の漆の精製・問屋。現在は3代目に引継ぎ、器から時計、携帯電話、看板、家電、インテリアまで、漆を使ったさまざまな作品作りに取り組んでいる。伝統を受け継ぎながら、現代風にアレンジするアイデア力には脱帽! 弓削さんと将子さんも気に入ったようで、じっくり吟味した結果、お椀と菓子楊枝をお買いあげしていました。
値段もお椀が1000円台から揃い、リーズナブルなのも魅力
『坂本これくしょん』専務取締役 坂本理恵さん
其の三
『坂本これくしょん』専務取締役 坂本理恵さん

漆の精製・問屋の娘として育ったので、漆が身近にあり過ぎて、漆が貴重なものという認識がなかったんです。逆に、漆を自由に好きなだけ、躊躇なく使えたからこそ、いろんな試みができたんだと思います。もし、職人さんがいる工房だったら、そんな使い方をしてはいけないと怒られていたかもしれませんね(笑)。アクセサリーのデザインは私が担当しているのですが、自分が好きなもの、本当に使いたいものしか作らないんです。無理してもいいものはできないですから(笑)。これからも伝統という枠にとらわれず、私たちだからできることにどんどん挑戦していきたい。そこから生まれた商品を通して、多くの人に漆を身近に感じてもらいたいですね。

坂本これくしょん【DATA】
  • 店名:坂本これくしょん
  • 住所:福島県会津若松市大町1-4-51
  • 電話:0242-25-4111
  • 営業時間:10:00〜18:00 休日:不定
  • 交通:磐越自動車道会津若松ICより車で約15分
  • http://www.eyes-japan.co.jp

昔ながらの街並みを散策し、
会津の歴史を今に伝える酒蔵を訪問

次は、江戸末期に建てられた蔵が残る「末廣酒蔵 嘉永蔵」を目指す。野口英世ゆかりの床屋跡やカフェなどが点在する野口英世青春通りを通り、七日町通りへ。昔ながらの蔵や木造商家が立ち並び、明治や大正時代にタイムスリップしたような懐かしい町並みが続く。こういうとき、流れゆく風景をじっくり楽しむことができるのは、パッセンジャーの特権! 立ち寄ってみたい店を発見してしまったら、バイクを停めて、ぶらぶらと散策してみよう。将子さんと弓削さんも、ふらりと立ち寄った骨董品店で火鉢と踏み台を衝動買い。
気を取り直して、大和町通りを南下すると、時代を感じさせる重厚な木造の建物が見えてくる。その建物が、「末廣酒蔵 嘉永蔵」だ。

その名の通り、嘉永3(1850)年創業の酒蔵。創業当時に建てられた蔵が残されていて、今もここで酒造りが行われている。10月中旬〜3月中旬は実際に製造過程を見学でき、それ以外の期間は製造工程に沿って蔵を案内してもらえる。試飲コーナーもあり、ほぼ全種類の試飲が可能。「運転しないから飲んでもいいんですよね!」と、自他共に認める酒好きの将子さんは終始ご機嫌。そう、通常のツーリングだと試飲はできないけど、タンデムだと、パッセンジャーはお酒を飲んでもOK。さらに、ここではタンクごとに自分だけのお酒を造ってくれるサービスも。酒造りの期間中に最低1度は手伝いに訪れるという条件があるのだが、将子さんはかなり乗り気。売店で気に入った日本酒やオリジナルのお猪口なども購入し、ご満悦。パッセンジャーが酒好きならぜひ立ち寄りたいスポットだ。
中へ入ると、ひんやりとした空気が充満している。昔、実際に使われていた道具も展示されている
敷地内に併設された明治25年築の蔵を使った「Cafe 杏」。酒の仕込み水を使った水出しコーヒー580円、大吟シフォン470円、酒ゼリーなどのスイーツが楽しめる
『末廣酒蔵 嘉永蔵』代表取締役 新城猪之吉さん
其の四
『末廣酒蔵 嘉永蔵』代表取締役 新城猪之吉さん

かつて、会津藩は日本の要所的存在で、東北を征するには、会津を征せねばといわれるほど大切な場所でした。そのなかで、会津藩は三浦半島や富津の沿岸警備、黒船来航時の警備、京都守護職など、何かあると会津藩が召還されて、忠誠を尽くしてきたのに、戊辰戦争で突然朝敵扱いされてね。会津は数奇な運命に翻弄されてきたけど、そのときから会津にはいい意味で不器用な人のよさがあった。うちは当時の御用酒屋として始まって、そんな歴史とともに歩んできたわけだけど、だからこそ、会津のよさや戊辰戦争のときに味わった祖先の思いを後世に伝えていかないとね。

嘉永蔵【DATA】
  • 店名:末廣酒蔵 嘉永蔵
  • 住所:福島県会津若松市新町12-38
  • 電話:0242-27-0002
  • 営業時間:9:00〜17:00(最終入場16:30) 休日:無休(喫茶は水曜定休)
  • 交通:磐越自動車道会津若松ICより車で約15分
  • http://www.sake-suehiro.jp