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社長のこだわり溢れる日本酒とともに
地素材をふんだんに使った郷土の味を堪能


湯上がり後は、お待ちかねの夕食。6代目平田裕一社長になってから、料理を見直して一新した。会津にこだわった素材で、どれだけおいしいものを作れるかということに挑戦している。近隣の畑で採れた野菜の天ぷら、鯉の刺身、山菜と岩魚の鍋、ホタテのダシで里芋、糸こんにゃく、貝柱などを煮た郷土料理のこづゆなど、10〜11品が1品ずつ運ばれてくる。なかでも、こちらの宿の名物が、江戸時代から代々受け継がれている「鯉の甘煮」。清流で十分に泳がせた鯉を、弱火で5時間以上煮たあと一晩寝かせるという、手間暇がかけられている。箸で簡単にほろりと崩れ、口の中でうま味がじわ〜っと広がる。よりおいしく食事を味わってほしいという思いで作ったオリジナルの日本酒「美酒佳香」との相性も抜群。深みのある味わいと、サッパリとした香りは食欲がそそられる。弓削さんも将子さんもほろよい機嫌で、楽しい夜は過ぎていくのだった。
これが名物の「鯉の甘煮」。鯉が苦手の人も食べやすいと好評だ

伝統と並ぶこの宿のもうひとつの魅力が
温かいささやかなおもてなし


宿を出るとき、袋を受け取った弓削さんと将子さん。じつは昨夜、食べきれなかった「鯉の甘煮」を包んでもらったのだ。この料理は切り身が大きいため、食べきれなかった「鯉の甘煮」を真空包装して持ち帰れるサービスを行っている。食べ方の説明書も付くという至れり尽くせりだ。ちょっとしたお土産としても使えそう。
平田さんと女将に見送られ、いざ町中へ。いつまでも手を振り続けている姿を目に焼き付けながら、また必ず戻って来ようと固く決意する2人であった。

『向滝』6代目 平田裕一さん
其の二
『向滝』6代目 平田裕一さん

大学から東京に出て、戻ってきた当初は会津の保守的な考え方に悩むこともありました。旅館をよりよくするために新しいことを取り入れようとしても、なかなか受け入れてもらえなくて…。でも、お客さまにとって何をいちばん大切にするべきなのかということだけを考えて、簡単なことから少しずつ取り組んでいきました。気づいたら今に至っていたという感覚ですね。いろいろ批判を受けたこともありましたが、「ならぬものはならぬ」の会津精神で自分が正しいと思うことを貫いて、今となってはよかったと思っています。時間が経つにつれて、改めて会津のよさを実感しています。今後も、お客さまが喜ぶだろうと思うことを実践していきます!

向滝【DATA】
  • 宿名:向滝
  • 住所:福島県会津若松市東山町湯本川向200
  • 電話:0242-27-7501
  • 料金:1泊2食付16950円〜
  • 交通:磐越自動車道会津若松ICより車で約15分
  • http://www.mukaitaki.com/

続きは次回をお楽しみに。町中で会津塗りのショップや酒蔵を訪ねます。