「Ultimate Gear for Intercontinental Adventure」、それはどこまでも続くアスファルトの一本道での安定性と快適性、マウンテンロードにおける爽快なコーナリングフィール、山岳地帯を縫って進むつづら折りの未舗装路でのビッグマシンながら妥協しない走行性を併せ持ち、世界のあらゆる道を疲れを知らずにロングディスタンスで走り切る、リッターオーバークラスのツーリングスポーツモデルXT1200Zのコンセプトである。
2010年に登場し世界で大きな反響を呼んで人気を博してから4年を経て、「アドベンチャーツアラーとしての機能強化」を目指してアップグレードされた。
XT1200Z Super Ténéréを駆る多くのライダーの声から、その好みや目的を分析。「オールラウンダーとしてツアラー性能を重視したモデル」と「よりスポーツ性を追求したモデル」の2つのキャラクターを設定、「よりスポーツ性を追求したモデル」として登場したのが新たなXT1200Z Super Ténéréである。
トップケース用ベース、アシストグリップ、メインスタンドをオプション化し、リヤ廻りに新設計の小型テールカバー、薄型化されたタンデムシートを採用するなど、従来モデルと比べてコンパクトな形状としたほか、小型LEDウインカーの採用など各部装備の小型化・軽量化により、装備重量を従来の261kgから257kgに4kg低減して、スポーツアドベンチャーというキャラクターを演出している。
エンジンはアドベンチャーツアラーとしての熟成を求めて各部を最適化。 ヘッド廻りでは動弁系部品の軽量化やピストンリング関連部品の設計見直し、ミッション/クラッチ系では駆動系ダンパー部品の最適化とパーツ構成の見直し、吸排気系ではインテーク/エキゾーストポートの大型化とエキパイ途中にあった連結管の廃止、新しいEU4規制に適合した新触媒の採用など、細部にわたって見直しを行ない、最大馬力をこれまでの80.9kW(110PS)/7,250r/minから82.4kW(112PS)/7,250r/minに、最大トルクを114.1N・m(11.6kgf・m)/6,000r/minから117.0N・m(11.9kgf・m)/6,000r/minにそれぞれ強化している。
また制御系では「YAMAHA D-MODE」による最適なスロットルバルブ開度コントロールのキャラクターをアップデート、実走行レンジ全域におけるドライバビリティーの向上を実現。
ツーリングシーンではのんびりリラックスしたツーリング走行が味わえるTモード、積極的な走りで気持ち良く楽しいスポーツ走行が満喫できるSモードに加え、長距離・定速走行でも快適なクルーズコントロールが加わり、低中速から高速域まで気持ちの良い加速・エンジン回転の上昇感と、交通量の多い環境でもスムーズな加減速を行なえる扱いやすいエンジン特性を獲得している。
新形状のフロントスクリーンは工具を使わず4段階の高さ調節が可能。さらに新設計のメーターカバーとヘッドライト下の風防カバーとともに、ウインドプロテクション効果の向上と、高速走行時のスクリーン内側に発生する負圧を抑えることで上体にかかる負担とストレスを低減、快適なライディングに貢献している。
視認性の向上を図ったLCDメーター&マルチドットディスプレイも新設計。さらにワイヤーの取り回しを変更し、新たにアクセサリーホルダーを装備、マップホルダー、GPSユニットなどの装着を可能としている。
ハンドルは振動を低減するアルミ製テーパーハンドルを採用し、ハンドルクラウンとホルダーのデザインも一新。アップライトなライディングポジションとすることで、スタイリッシュなイメージかつ快適なライディングを実現している。
このほかツートンデザインで溶着により縫い目のないシート、使いやすい新形状の鍛造アルミサイドスタンドなど、より充実した走りの装備となっている。