一強を目指すハイパフォーマンス。ツインインジェクター採用FI+市販二輪車世界初採用のヤマハ電子制御スロットルYCC-T、スリッパークラッチ、ミッドシップマフラーなど、モトGPマシンの技術ノウハウをはじめ、全てに最新のテクノロジーを惜しむ事なく投入。
サーキット走行からワインディングロードまでをカバーするエキサイティング600。
水冷4ストロークDOHC並列4気筒・4バルブ・FI採用のエンジンは67.0mm×42.5mmのショートストロークに設定。
吸排バルブはアルミ製リテーナーに軽量かつ疲労強度に優れるチタン材を組み合わせ、高回転化に対応して優れた信頼性を確保。
チタン材の強度特性を活かしたヘッド廻りの設計と幅の増大を抑えたシリンダーによりコンパクト化を促進し、最適化された燃焼室形状と12.8の高圧縮比を実現している。
またサーキット走行で絶妙なギア配分を生むクロスレシオ6速ミッションは、クランクシャフト・メインシャフト・ドライブシャフトの3軸の配置を、フレームとの相互位置関係の最適化した配置とすることで、ヘッドパイプ・ピボット・リアアクスルを結ぶマシンのロール軸に沿う直線的なフレーム形状に貢献している。
コーナー進入時に一気にシフトダウンする様な場面で、高回転化を追求したエンジンはその分強烈なエンジンブレーキを持つこととなり、リアホイールのホッピングやロックなどマシンの挙動を不安定にしてしまう。
そこで後輪側からクランク側へトルクがかかった際にクラッチプレートへの荷重を変化させトルクの伝達を制御することでコーナーリング時の姿勢制御を助け、滑らかなコーナー進入性を引き出すスリッパークラッチを標準装備している。
金型鋳造&プレス材のハイブリッド構成のアルミ製デルタボックスフレームは、内側をエアクリーナースペースとして活用するとともに、モトGPマシンYZR-M1のノウハウを反映させ、エアインダクション用通路がヘッドパイプ部付近を直線的に貫通するレイアウト。エンジン懸架位置やリヤアームを含めた縦/横/ねじれの剛性バランス配分の最適化、タンクレール部をロール軸へ接近させる配置などによりねじれ特性を向上、モトGPマシンに近づく前輪分布荷重52.5%に設定し、高いフロント接地感で優れた旋回性能を引き出している。
フロントフォークは倒立式で「初期荷重調整」「2WAY圧側減衰調整」「伸減衰調整機能」を持ち、自由度をの高いセッティングが可能。インナーチューブ径は41mmで、高速側と低速側で圧減衰力を独立して調整ができる2WAY圧側減衰調整機構により、一般道とサーキットのセッティング両立を達成している。
ボトムリンク方式のリアサスペンションもフロント同様、低速側と高速側でそれぞれ独立して調整することで状況や用途に応じた減衰特性を選択できる2WAY圧減衰力調整機能を装備、リンク特性を適正化しながら重量マス集中を図るものとされ、ピボット軸位置を最適化、金型鋳造とプレス材によるハイブリッド構成で約1kgの軽量化を達成しながら縦剛性を向上させたトラス+ボックス構造のリアアームとの組み合わせによって、旋回時の挙動変化を抑え優れた走行性を引き出している。
回転マスを抑制する軽量アルミ製ローターブラケットと、素材配合を最適化したブレーキパッド&ラジアルマウント方式のフロントブレーキ、インナーダクトにより高い冷却効率のアンダーカウル、レース時のタイヤ交換で便利なロードレーサーTZタイプのアルミ製チェーンプーラー、CFアルミダイキャストによるリアフレーム、アルミ製リアマッドガードステー、アルミ鍛造サイドスタンド、ラップタイムモニターなど、サーキット最速を目指す装備を充実している。