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presto_logo.jpgYZF-R1 / YZF-R1M Special HomePage 2017

HOME > テクノロジー/Technology 第3回


High tech armed Pure Sport
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 YZF-R1/ YZF-R1Mの持つ、さまざまな機能とポテンシャルを紹介します。

第3回 基本コンセプトを継承しつつ生まれ変わったエンジン

前回より激しく間が空いてしまいましたが、今回はより強力かつ高度化されたエンジンについて紹介します。
2015年モデルYZF-R1 / YZF-R1Mより新たに採用されたエンジン「CP4」は、排気量998ccで水冷4ストローク直列4気筒4バルブ・クロスプレーン型クランクシャフトを採用したエンジン形式こそ前モデルから受け継ぎましたが、様々な変更や徹底的な改良が加えられ大きく生まれ変わりました。

 前モデル比18PSアップとなる最大出力200PS(※欧州モデル/ヤマハ発動機発表値)を達成するとともに、エンジン単体で約4kgもの軽量化を実現しています。
 今回はこうしたパフォーマンス向上を実現したポイントをご紹介します。

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 まずエンジンの基本となる主運動系では、エンジンキャラクターの基礎であるボア × ストロークを見直し、ビッグボア/ショートストローク化で吸入空気量アップを図るとともにクランクの慣性モーメントを前モデル比20%の軽量化を行ないました。
 さらに市販バイクとして初となる「FSチタンコンロッド」を採用しました。
 FSチタンコンロッドは鉄と同等の高い強度を持ちながら比重は鉄より60%も軽く、エンジン高回転時にピストンを含めた往復運動を行なう部品の質量による慣性力によって、コンロッド大端部の真円が保てなくなる傾向を抑止することができます。
 同時にピストン裏に「ボックスブリッジ」を設けることで、剛性を維持しつつ軽量化を実現した新型軽量鍛造ピストンを採用。
 こうした軽量化や大端部真円化は最新の生産技術に加えてあらゆる軽量化技術の投入により実現しており、これによって馬力のロスを低減するとともに、高回転時の信頼性なども高めています。


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 吸排気系では混合気を効率よくエンジンに送るために、混合気を噴射するフューエルインジェクションのスロットルボディとシリンダーを繋ぐ通路/ポートの形状を新設計。
 また広げられたシリンダーボアに対応して吸排気それぞれのバルブ径も拡大する一方、バルブ挟み角を小さくすることによりコンパクトなペントルーフ型燃焼室を造り上げました。
 フューエルインジェクションシステムもより効率よく混合気を送り込みハイパワーを引き出すため、ツインインジェクターを採用。
 スロットルボディにセットしたメインインジェクターは、1気筒に2つある吸気バルブの傘裏に向け2方向で燃料を噴射します。さらに高回転時には、エンジン回転数によって上下ファンネルを連結したり切り離したりするYCC-I(Yamaha Chip Controlled Intake/ヤマハ・チップ・コントロールド・インテーク)を採用したファンネルの上層にセットされた、セカンダリーインジェクターから燃料噴射が加わります。
ファンネル上層からの燃料噴射はエンジン熱の影響を受けにくいために混合気の充填効率を高め、さらなる優れた出力特性とトルク特性を獲得しました。
また吸排気バルブの駆動は、YZF-R1シリーズとしては初となるロッカーアーム式を採用しました。高回転域での優れたバルブ追従性を得ながら、低負荷でバルブリフト量を確保することができるので、馬力のロスを低減させエンジンの高回転化に貢献しています。


technology_03_03.jpg パワフルになったエンジンをさらに扱いやすくするためにエンジンの操作系も改良が行なわれました。
 新たに採用された新設計のA&Sクラッチは、クラッチ内部に斜めに噛み合うカムを設け、加速時にはその斜めのカムが噛み合うことでクラッチの密着力をアシストすることで、小型・軽量化してクラッチ容量を減らしても高まった密着力によって従来以上の駆動力を得ることができ、同時にアシスト分のクラッチスプリングの反力を弱めることが可能となるので、クラッチレバー操作の軽量化も実現しています。
 一方減速時は、斜めのカムが加圧力を減らす方向にスライドし半クラッチに近い状態を作り出すことで、コーナー進入のシフトダウン時などで車体の挙動を抑制し、滑らかな減速を可能にしています。

 そしてこれらを統合して制御するため採用されたのが、第1回、第2回でもご紹介しているライダーの好みや走行環境に応じて走行モードを選択できるPWR(パワーモード切替システム)とYRC(YAMAHA Ride Control/ヤマハ・ライド・コントロール)です。
 これは前モデルに採用されていた“D-MODE”を進化させたもので、PWRがアクセル開度に対して、異なるスロットルバルブ開度マップを4つ装備していて、TRC(Traction Control System/トラックション・コントロール・システム)やSCS(Slide Control System/スライド・コントロール・システム)など各制御モードを細かくセッティングを行ない、ユーザーが独自にセッティングしたそのPWRデータを、独立したセッティングデータとして記憶するのがYRCとなっています。

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